発行年月:2008年4月
誰もがかつて手にしたことのある、国語教科書。
その中から珠玉の名作を、佐藤雅彦が選んでいます。
読書の時間におすすめです。
(ポプラ社HPより)
とんかつ・・・三浦哲郎
出口入口・・・永井龍男
絵本・・・松下竜一
ある夜・・・広津和郎
少年の夏・・・吉村昭
形・・・菊池寛
良識派・・・阿部公房
父の列車・・・吉村康
竹生島の老僧、水錬のこと・・・古今和歌集
蠅・・・横光利一
ベンチ・・・リヒター
雛・・・芥川龍之介
短いお話だけれど、どれもよかった。
特に印象的だったのは<絵本>。
著者の名前も知らなかったけれど、感動した。
内容は、病気で余命短いと悟ったFは、自分の親友が結婚し、子どもが
産まれて3歳くらいになったら読める絵本を贈ることを思いつき
父親に何か買って来てと頼み「ももたろう」を父親が買ってくる。
そして、自分の死後、友人に子どもが生まれその子が3歳になったころに
贈ってほしいと頼んで亡くなる。
それを受け取った私。
Fが亡くなって12年。
亡くなった友人・Fの優しさが沁みる。
そして、その父親も亡くなる前に誰かにFとの約束を言い継いでいたんだろうと
思うと、本当に胸が熱くなる。良い話。
著者の松下竜一・・・知らなかった作家さんだけど、他の作品も
是非、読んでみたいと思った。
戦時中のなんとも切ない場面が描かれた
<父の列車>も印象的。
出征している父が輸送列車で近くの駅を通過するという情報を得た母とともに
10歳の僕は1歳の妹をおんぶして母は生後2か月の弟を背中に4歳の妹の
手を繋ぎ、6歳との妹と家族6人で懐中電灯を手に夜の道を急ぐ。
偶然、父の姿を見られ、父もこちらに向かって手紙を投げてよこす。
この先、この父親はたぶん、戦死したんだろうけど、家族皆で
会えた夜のことはずっと心に残るだろう。
<ベンチ>は、ユダヤ人の僕とそのガールフレンド・ヘルガのやり取り。
ユダヤ人は迫害されていた時代。
黄色いベンチ以外に座れない。
ヘルガは緑色のベンチに一緒に座ろうというけれど僕は座れない。
次に黄色いベンチ(ユダヤ人専用と書かれている)のところで
「ここのほうが落ち着いてかけていらっしゃれるの?」と。
ヘルガは次の日曜も一緒にどこかへいこうと言うけれど・・・
ああ、哀しすぎる。
巻末に、どの教科書に載ったのかその年月も記されている。
平成時代の教科書に載ったものが殆どだった。
こういう作品集は他にもあるのかな?と調べたら結構、あるみたい。
また探して読んでみたい。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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