発行年月:2024年8月
会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。中学生くらいみえるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。やがて、何故か増えてくる「深夜の散歩」メンバー。元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。
(角川j春樹事務所HPより)
主人公の實成冬至の人との関わり方がすごくいいなと思った。
自身は自分のことを過小評価しているのだけど・・・
父親が癌で他界してから何かモヤッとした影のような存在を感じるようになる。
寝ていて、それに覆われそうになると布団から出て住んでいるアパートの近辺を
グルグル歩く。
そんなある日、出会った同じ職場の女性・塩田さん。
一緒に歩いているのは中学生の女の子。
以来、都合が合えば一緒に歩くようになる。
独身だと聞いている塩田さんと女の子の関係を気になりながらも質問しない實成。
そういうところ好感をもつ。
次第に、相手から実はね・・・・と話してくれる。
その時も、ただ話を聞いて「そうなんですね~」に留めるとこともいい。
實成のアパートの隣人とベランダ越しに会話を時々するのだけど、
ある日、小学校時代の同級生とわかり驚く實成。
深く相手を詮索しないとこういうかんじになるんだな・・・・と少し笑えた^m^
夜の散歩のメンバーがすこしずつ増えていく。
實成の元彼女の伊吹さん、伊吹さんのマンションの管理人・松江は男性の
パートナーと暮らしている。
松江は普段、言わないそのことをサラリと實成たちの前で話し
「自分から普通は言わないんですけど・・・」と。
たぶん、この人たちになら話してもいいと思ったんだろうな。
そして、誰かが困った状況になっていると確信すれば、迷わず助けに入る。
ほんと、理想的な人間関係。
伊吹さんは今、付き合っている男性との問題を解決しようと実家に。
中学生の彩夏(呼び名がザべ子~熊と変わったが)は自分で考えて父親の元に。
みんな最後は自分で一歩踏み出していった。
實成も会いにきた、もっちゃん(望月ゆうな)と新しい関係が生まれるのかな?
今回の話、過去の寺地さんの作品のなかで一番、すきかも。
表題は 「いつも月夜に米の飯」 ということわざかららしい。
これ、ことわざだったんだぁ~
一年中、月夜と米の飯さえあれば申し分ない(あきることない、気楽な生活)
という意味らしい。
また、満足な生活を願えど実際は、なかなかそうはいかないことという意味も
同時にあるとか。
勉強になりました。
★★★★★
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