発行年月:2022年9月
女は、男たちのように芸術に関わってはいけないのだろうか、芸術を生み出すこともできないのだろうか? 大正から戦後の昭和にかけて、詩人、作家、評論家……さまざまな文学者たちとの激しい恋の果てに、互いに傷つけ合いつつも礼子がついに掴んだものは――。時代に抗いながら創造する女を描き出した新たな代表作の誕生!
(新潮社HPより)
主人公・野中礼子はのモデルは長谷川康子という女性らしい。
この物語で存在を初めて知った。
種苗問屋を営む父に可愛がられ広島の女学校に通い
不自由ない暮らしをしていたけれど、父親が急死し母親もそのショックで精神を病み
商売は父の兄が引き継ぐことになってからが、波乱万丈の人生が始まったかんじ。
女学校で先生の勧めで書いた作文が「少女画報」という雑誌に載ったことから
文才はあったと思うけれど、器量よしとしての自覚もあり、女優になりたいと
思うようになる。
18歳で伯父のすすめのお見合いを断り東京へ。
礼子という人は、凄い行動力がある人。
目的のために突き進む力強さがある。
そして、礼子の味方になってくれる人が、不思議と現れる。
東京に出る手助けをしてくれたのは川島という学生。
その川島の知り合いでまだ中学生で詩人になりたいという水本正太郎と仲良くなり
川島の元から水本との暮らす。
この水本=中原中也らしい。
こんな中学生だったとは、驚くばかり\(◎o◎)/!
その後、水本の5歳上、礼子の2歳上の帝大の仏文科である片岡武夫=小林秀雄に
水本を介して知り合い、水本と離れ片岡の元へ。
兎に角、次々一緒に暮らす男が変わる。
別れたからといって全く会わなくなるわけではないのが面白い。
それだけ魅力ある人だったんだろうなぁ~。
50歳を過ぎてから、文章を書くようになっていく。
水本とのことは、若い頃は書きたがらなかった様子だけど、色々なことを経て
書こうと決めた様子。
実際に書いたものを読んでみたくなる。
大正~昭和の日本の様子もよくわかる。
戦中~戦後は、思っていることが書けない時代で、苦悩している日々。
物語の最後は、波乱万丈だった自身の人生を振り返り、満足気な様子が
哀しいけれど、いいかんじだった。
文壇の人たちの生活がリアルに描かれていて、読み応え十分でした!
★★★★★
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