発行年月:2020年1月
「分かり合えない母と娘」
壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか?
羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。
ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。
美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。
実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていた――。
(文藝春秋HPより)
岩手県盛岡市にある祖父の工房を高校生の美緒が訪ねて
そこで糸を紡ぐことを学んでいく。
美緒は両親と3人暮らし。
母は都内私立中の英語教師。
父は電気メーカーの研究所勤務。
美緒は、母親の真紀と何かにつけて衝突し、衝動的に家を出て
父方の祖父のいる、盛岡市へ。
ホームスパンって初めて知った。
手で糸を紡いだものは、軽くて暖かいという。
父の従姉にあたる裕子が、ホームスパンに興味を持った美緒の
指導者としてあたる。
裕子の息子・太一(教育学部の大学生)も工房を手伝い、美緒の良い
話し相手となる。
美緒が祖父の元に来たのは大正解!
引きこもり学校にも行けなくなった美緒が明るく前向きに
なっていく姿が読んでいて嬉しい。
美緒の両親のぎくしゃくした関係の行く末も気になったが
こちらも丸く収まりホッ。
離れて暮らすことになっても家族であることは変わらない。
美緒のおじいちゃん、鉱治郎さんが素敵だった!
岩手県、一度行ってみたいな~。
★★★★
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