発行年月:2019年10月
『ことり』以来7年ぶりの、書き下ろし長編小説。
死んだ子どもたちの魂は、小箱の中で成長している。死者が運んでくれる幸せ。
世の淵で、冥福を祈る「おくりびと」を静謐に愛おしく描く傑作。
私の住む家は元幼稚園で、何もかもが小ぶりにできている。講堂、給食室、保健室、人々の気持ちを慰める“安寧のための筆記室”もある。
私は郷土史資料館の学芸員であったバリトンさんの恋人から来る小さな文字の手紙を解読している。従姉は息子を亡くしてから自分の人生を縮小した。
講堂にはガラスの小箱があり、亡くなった子どもたちの魂が成長している。大人は自分の小さな子どもに会いに来て、冥福を祈るのだ。“一人一人の音楽会”では密やかな音楽が奏でられる。
今日はいよいよあの子の結婚式で、元美容師さん、バリトンさん、クリーニング店の奥さん、虫歯屋さんが招待されている。
(朝日新聞出版HPより)
切ないけれど、温かく、不穏さもありながら美しい、小川さんの物語は素敵!
主人公の私は・・・独りで元幼稚園に住んでいる。
そして講堂を訪れる人たちのため、そこを守っている。
講堂に並んだガラスの箱たち。
それは亡くなった子どもたちが成長する場所。
姿は見えなくても、そこで成長していると考えたら哀しさも幾らか慰められそう。
一人一人の音楽会も何やら不思議な雰囲気ですが、みなが自分の亡くなった子どもたちと
対話しているかのような姿は、切ないけれど温かい気持ちにもなれる。
形見の品で作った小さな楽器を耳たぶに吊るし、風に揺れながら、それが奏でる音を楽しむ。
居様な風景にも見えるけれど美しい文章で語られるので、幻想的な雰囲気。
最後は、従姉の子どもの結婚式。
みんながお祝いの気持ちで集う、素敵な式。
この独特な雰囲気にずっと浸っていたくなった。
★★★★★
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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