発行年月:2018年11月
大坂堂島の紙問屋・嶋屋を営んでいた秋成は、町一帯を襲った火事によって店を失い幼なじみの雨月が結ぶ香具波志庵に居候することに。ところがその雨月、飄々とした性格ながら妖しを引き寄せる体質で、しだいに彼らの周りには、憎まれ口をたたく兎やら、成仏できぬ人の怨念やらが溢れ出す。さらにその先で待ち受けていたのは、世界の成り立ちを根本から変える驚くべき真実だった―江戸怪異譚の傑作『雨月物語』に大胆な現代的解釈を試みた、珠玉の連作短篇集。
(中央公論新社HPより)
雨月、秋成、遊戯・・・・二人と1匹の会話が愉快。
江戸時代の人々の暮らしのなかで起きる怪奇なこと。
登場する人物が、実は亡くなっているということが物語のなかでは
よくあり、誰かが登場するたびに「このひとも実は・・・・・」と
考えるようになってしまう^^;
物語は短編連作の形で進むけれど、最後に「ああ、やっぱり」と
納得の真実。
この物語のなかの上田秋成が書いた<雨月物語>を参考に西條さんが書いた物語が本書。
雨月を想う秋成の気持ちが、なんとも切ないけれど温かいものも感じる
終盤の遊戯とのやり取りが特にいい。
素敵な怪奇集だった!
表紙の絵もステキだなぁ~。
★★★★★
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