発行年月:2018年2月
小学校の帰りに毎日行っていた赤い樽のある喫茶店。わたしはそこでお客の老小説家から「タタン」と名付けられた。「それはほんとう? それとも嘘?」常連客の大人たちとの、おかしくてあたたかな会話によってタタンが学んだのは……。心にじんわりと染みる読み心地。甘酸っぱくほろ苦いお菓子のように幸せの詰まった物語。
(新潮社HPより)
喫茶店で放課後過ごす、タタンと店の常連客(老小説家、生物学者のバヤイ氏、
神主とその親友トミー)、マスターとの会話がほのぼのする。
大人たちの会話を聞きながら、あれこれ思うタタン。
短編連作でしたが、一番良かったのはタタンが祖母と暫く過ごした時間を
描いた<ぱっと消えてぴっと入る>だな。
就学前のタタンの子守り役として田舎から来た祖母。
祖母の語る言葉は胸に沁みる。
戦地から帰って来なかった息子(タタンの父の2番目の兄)の話を
タタンに聞かせているときに言った言葉。
死んだあと、一人寂しい思いをしてその地に残っているとしたら可哀想過ぎる。
というようなことを話し、
「ぱっと電気が消えるみていに死んでしまうんでなきゃ理屈に合わねえと
おれは思ってんだ」
「そのかわりによ、死んだらここんところへ ぴっと入ってくんだ」と
自分の胸を指さした。
それを見て
死者の思い出が生者の生を豊かにすることを、わたしは祖母を亡くして
初めて知ったのだった。
ここは、もうじ~んと来た。
後は、最後の<さもなきゃ死ぬかどっちか>
タタンと仲良くなった転校生のトモコ。
同じ名前だとしりお互い驚き、タタンが放課後の喫茶店に連れていく。
2人は実は双子なんじゃないかと、店にいた常連客たちが、あれこれ
想像を膨らませて語るのが愉快だった。
仲良くなった数か月後、タタンは両親と共に引っ越して海外に行く事に
なってしまい、トモコとも喫茶店の人たちともそのまま大人になるまで
連絡せず。
大人になってその地を訪ねてみるという話。
小さい頃の思い出って永遠の宝物だよね~と共感!
楽しかった♪
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
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★★★★すごく良かった!
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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