発行年月:2017年11月
波乱に満ちながらも、つつましく温かい生涯を送ったマリカのそばには
いつも美しいミトンがあった──。
小説と版画が紡ぎだす愛しい物語。
(白泉社HPより)
エッセイかと思ったら、素敵な物語でした。
そして巻末には、この物語が生まれた地・ラトビア紀行が素敵な平澤さんの
イラストと写真で綴られて、あまり知らないラトビアに興味が沸きました。
物語は一人の女性・マリカの一生を綴っています。
誕生の時。
両親と兄2人。それからおじいさんとおばあさんがこの家に生まれた
初めての女の子の誕生を待ちわび、誕生した日は皆が幸せな気持ちに
なってお祝いをする。
その後のマリカの成長の様子、恋人・ヤーニスと結婚し二人の幸せそうな
時間。
しかし、二人の暮らすルップマイゼ共和国は、氷の帝国により苦しめられ
それに抵抗するための行動にヤーニスも連行させられてしまう。
戦争という言葉はないけれど、いつも人々から幸せを奪う嫌なものですね。
ヤーニスが遠く離れてもマリカは明るく毎日を淡々と暮らす。
泣いていても仕方ないから・・・。
巻末のラトビアの人々の言葉だそう。
ソビエトに長く抑圧されていた人たちのこと、この物語を通して知りました。
装丁がとても素敵。
これは、図書館本だけれど、手元に置きたくなるかんじ。
★★★★★
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