発行年月:2016年9月
生類憐れみの令により、犬公方とも呼ばれた 五代将軍・徳川綱吉。 だが、一方で綱吉は、徳川幕府の礎となる文治政治を 推し進めた名君ともいわれている。 その知られざる劇的な生涯を描いた傑作長編小説。 |
(集英社HPより)
徳川綱吉のイメージががらりと変わる好印象を与える人物像に描かれている。
世間での評判は、良くないままというのが何とも気の毒になる。
実際はどうなのかわからないけれど、
武でなく法という「文」で治め、泰平の世をを目指していたという姿勢は
その国を治めるリーダーとしてその時代、難しかっただろう。
武士たちのなかには綱吉の考えに沿えぬ者も多かっただろうし。
有名な生類憐みの令の意図するところが、この物語の通りなら納得。
こういう考えで出した法令ならば、賛成だけど、真意が世間に伝わらぬままと
いうのも気の毒。
そして起きる天災の数々。
子どもも二人とも早くに亡くなり、不運な運命。
でも妻の信子が聡明で綱吉の真意を理解して寄り添っている姿に救われる。
歴史上の人物の本当の姿は、こういう書物でイメージが変わるな~。
綱吉の好感度アップの書でした!
★★★★
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