発行年月:2016年9月
ゴッホにセザンヌ、ルノワール。綺羅星のようなコレクションを誇った美術館は、二〇一三年、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきなのか? 全米を巻き込んだ論争は、ある老人の切なる思いによって変わっていく――。実話をもとに描かれる、ささやかで偉大な奇跡の物語。
(新潮社HPより)
デトロイト美術館展を初夏に観ました!
とても見応えのある素敵な展示会でしたが、このマダム・セザンヌはあったかな?
記憶にないのが残念です^^;
第1章~4章まで。
表紙のセザンヌの絵、<マダム・セザンヌ>が共通して出てくる。
セザンヌの妻・<オルタンス>を描いた絵。
独特の表情。ずっと見ていて飽きない絵。
その絵に魅了された者たちの物語。
第1章は妻と一緒に行ったデトロイト美術館の思い出を大切にしているフレッドの話。
亡くなる前に行ったとき、<マダム・セザンヌ>を一緒に観て会話したことを
思い出しながら<オルタンス>に会いに行くことは妻に会いに行くと等しいことと
なっている。
第2章は、巨万の富に恵まれ多くの美術品を収集していたロバートの話。
特にお気に入りだった<マダム・セザンヌ>は、ロバートの亡きあと
その遺志によりデトロイト美術館の一室の壁に掛けられる。
第3章はデトロイト美術館のコレクション担当チーフ・キュレーターの
ジェフィリーの話。
大学時代からポール・セザンヌの研究をしてきた。
デトロイト市が財政破綻の危機に瀕し、その救済措置としてデトロイト美術館の
コレクション売却の話が出ていた。
そこに第1章のフレッドが訪ねて来て、小切手を差し出す。
第4章は、第3章から引き続き、デトロイト美術館のコレクションを守る
奇跡の働きの話。
こんなに素敵な奇跡の物語がデトロイト美術館にあったんですね~。
短いお話でしたが、素敵な物語でした!
★★★★
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