発行年月:2015年12月
境界とはなにか、よそ者とは誰か――。土地に寄り添い描かれる、迫真のドラマ。
地方都市に暮らす宇田川静生は、他者への深入りを避け日々をやり過ごしてきた。だが、高校時代の後輩女子・蜂須賀との再会や、東京から移住した木工職人・鹿谷さんとの交流を通し、徐々に考えを改めていく。そしてある日、決定的な事件が起き――。季節の移り変わりとともに揺れ動く主人公の内面。世間の本質を映し出す、共感必至の傑作長編。
(新潮社HPより)
タ
イトルから想像して、薄情な人が主人公かと思って、宇田川静生が
何かヒドイ仕打ちをするのかなぁ~?なんて思っていた。
主人公は、群馬県高崎在住。
神主見習いで叔父の神社を手伝い、夏は北海道のキャベツの収穫を仕事にしている。
高校時代の女友だち・蜂須賀と再会。
蜂須賀は名古屋大を卒業後、名古屋の企業に就職したという。
そして木工職人の鹿谷の工房に通い、親交を深めていた。
鹿谷には東京に妻子がいる。
蜂須賀と鹿谷との関係がアッサリ崩れる事が起きたときには、唖然。
静生はショックだろうな。
恋人関係になったように思えた吉田瑞穂との別れもあったりして・・・
なんだか可哀想になった。
あてもなく車で走るうち、みつけた高校生・カズシとの出会い。
ヒッチハイクには不向きな場所で行き先を書いた紙を掲げるカズシの元に
わざわざ車を止めて徒歩で声を掛けに戻るなんて、良い人じゃん!!と感動した。
カズシとのやり取りほんわかした。
ま、あっけなく別れたけど・・・。
薄情というのとは、違うかな?
物語を読み終えて、表題の「薄情」の意味を考えるとなかなか深いなと思う。
あまり人間関係に深く悩むと辛くなる場合は、バッサリ忘れちゃうのも
いいんじゃないか?
宇田川には、また情を深められる相手が現れるといいな。
なかなか面白い話だったな~。
★★★★
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