発行年月:2015年12月
滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執──痛みを引き受けながらそれらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。『王とサーカス』後の六編を収録する垂涎の作品集。
(東京創元社HPより)
表題作を含む6編の短編。
主人公は、新聞社の記者・太刀洗万智。
やがて、フリーのジャーナリストになるのだけど、淡々とした彼女の物言いが
恰好いい!
<真実の10メートル手前>
兄妹で共同経営していた会社が破綻し、兄妹は行方不明に。
後日、妹・真理が車中で排気ガスにより亡くなっているのが発見される。
よくニュースでも聞くような話だけれど、その人の性格みたいなものが
わかると哀しいね。
<正義漢>
電車が人身事故で止まる。
線路内に落ちた人は自殺か?
太刀洗の洞察力恐るべし!
<恋累心中>
高校生の男女が心中?
ノートに遺された遺書そして「たすけて」の文字。
真実を知ったら・・・・辛くなった(/_;)
<名を刻む死>
独り暮らしの62歳男性が民家のなかで死亡しているのが見つかる。
事件性はない。
第一発見者は高校3年生の近所に住む青年。
真実を知ったら・・・・切ない気持ちになった。第一発見者の青年の気持ちが
軽くなるといいんだけど・・・。
<ナイフを失われた思い出の中に>
16歳の少年が3歳の女の子を刺殺?
これまた切ない話でした。
<綱渡りの成功例>
豪雨災害で犠牲者が出た地で3日間、電気もないなかを生き延び救出された。
助かったのはコーンフレークのおかげ。
こちらは、救助された夫妻の律義さが痛々しい。
助かってよかった!
事件の裏には知らされない真実がある。
それを知ることが出来るのは、太刀洗のようなジャーナリストの取材の力。
人の心のなかにズカズカ無神経に入り込んで取材するジャーナリストとは
違って、太刀洗は、真実を知って欲しいと思っている人の心を読むように
静かに相手に語らせる。
太刀洗の物語をもっと読みたい!!
「王とサーカス」も読むのが楽しみ♪
★★★★
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★★★★すごく良かった!
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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