発行年月:2015年7月
亡くなったあと、父の人生は知られざる横顔を見せ始めた・・・魅力あふれる文体で著者自身の一族のルーツをたどり、新境地を拓く傑作
(講談社HPより)
二部構成ですが、共通の流れがあります。
<冥途あり> <まるせい湯>の二編。
物語の中のわたしは、真帆と呼ばれていますが、話は著者自身のことですね。
父親の葬儀で、集まる親族たちの会話がユニーク。
過去の思い出話に自然と進み、昭和20年8月6日に広島に居た父やその家族たちの
様子。
そして、惨状のこと。
父親の話の次は、祖父や曾祖父のことまで時代を遡って親族たちの話は尽きず
初めて知る事実に驚いたり・・・。
双子の従弟の話がユニークで、成人して二人で骨董屋を営んでいるというのも面白い。
双子の従弟も兄も何やら美術に関しての造詣が深い人たちの様子。
父親が文字職人だったりとそういう血筋なんでしょうね。
著者の長野さんも確か美術関連の学校を卒業されていたような記憶だし・・・。
話のなかで、有名なユーハイムのバウムクーヘンを発売したユーハイム氏が
日本で初めてバウムクーヘンを焼いて発売した人というのが興味深かった。
ドイツ人の菓子職人で、第一次世界大戦で捕虜として日本に連れられてきたとか。
解放後も日本に残り、店を構えたということでした。
二番目の話<まるせい湯>は、銭湯の話。
悪童だった双子は、あちらこちらの銭湯で出入り禁止を言い渡されてしまったが
<まるせい湯>だけは「またおいで」と声を掛けてくれたと。
それを懐かしんで、もうかなり高齢になった女将に会いに行く話。
双子と主人公とその兄と兄の子どもたち(社会人の娘と大学生の息子)。
この話もユニークでした!
これを読んでいたら、葬儀とか法事で凄い久しぶりに会った従姉妹や伯母や叔父の
ことを思い出した。
こんな風に故人の昔話から、自分のルーツを知るのも楽しいだろうな~。
そして、それが故人の供養にもなりそうだし・・・。
前作がやや難解な話だったので、これは凄く読みやすくて
楽しい1冊でした♪
★★★★★
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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