発行年月:2013年7月
刑務所に送るか送らないかを決めるのは、遺族。
裁判で執行猶予がついた判決が出たときに、被害者や遺族が望めば、加害者の反省具合をチェックし、刑務所に入れるかどうかを決定できる制度「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が始まって38年がたっていた。30年前、その制度の担当係官だった経験があり、今は大学の講師として教壇に立つ井川。彼は、「チャラン」と呼ばれるいい加減な上司とともに、野球部の練習中に息子を亡くし、コーチを訴えた家族、夫の自殺の手助けをした男を憎む妻など、遺族たちと接していた当時のことを思い出していた。
加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。
(PHP研究所HPより)
執行猶予被害者、遺族預かり制度・・・・こんな制度あったっけ?
と思っていたら・・・架空のでした^^;
でも凄く考えさせられる物語で、読み応え十分!
被害者と加害者を結ぶ、遺族預かり制度。
被害者や遺族がこれを望めば、2年間、加害者の生活状況を知ることが出来る。
そして2年後、その報告を元に、刑務所に送るか否かの裁決権を得られる。
そして、加害者の生活状況を半年に一度、報告書によって被害者の元に届けるのが
係官の役目。
井川敬治は、30年前、その係官だった。
先輩係官、岩崎進(通称・チャラン)について研修をしていた。
加害者たちは、人の命を奪ってしまったけれど、そこには哀しい事情があった。
不運な偶然だったり、精神的に追い詰めた末だったり・・・。
当事者にしたら、許せない加害者でしょうけれど、第三者として事件を知ると
加害者に同情する気持ちもある。
それだけに、なんだかとても辛かった事件ばかりでした。
井川が係官時代のことを、大学の法学部の学生に講義する形で進む。
先輩係官、チャランのことが段々魅力的な人物に思えてくる。
ちゃらんぽらんのチャランなのに・・・・。
チャランの存在がが重たい話に少し息抜きさせてくれたかなぁ~。
そして、考え方には、なるほど~と納得する部分もあって
物語の終盤で、今も尚、チャランと交流があることがわかって
微笑ましく思う気持ちで終われてよかった。
とても巧い話のまとめ方だ!
面白かった!
★★★★★
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