発行年月:2014年12月
心の奥底にある闇を描く、恐ろしくもせつないホラー短編集
顔も生き方も似ていない双子の姉妹が、過去の凄惨な事件に誘われる「薫衣草」、雪とともに蘇残酷な記憶と、一人の女性のやるせない運命を静謐な筆致で綴る「雪を待つ」他、日常と地続きの恐怖を描く5篇の恐怖譚。
(角川書店HPより)
ホラー短編集とあるので、ちょっとドキドキしたけれど、まあホラー苦手の
わたしでも大丈夫な内容でした。
でもそれぞれの話の主人公たちが、置かれた状況がとても哀しい。
<薫衣草 ラベンダー>
双子の姉妹・清香と沙香。
姉の清香は独身で新聞社で働く。
妹の沙香の方が、向上心もあり勉強も出来たのに、大学卒業間もなく
同級生と結婚し、子どもを産んで家庭に収まってしまった。
その妹が見知らぬ場所ん路上で死んだ。
心臓発作による病死だったというが、なぜそんな場所で?
過去の思い出と段々結ばれていく、沙香の死にあった背景のこと。
ぞわぞわと恐怖が迫ってくるかんじで、結構、怖かった。
<雪を待つ>
幼い頃、珍しく降った雪のなか、集団登校の集合場所で積もった雪を傘の先で刺して
遊んでいた。後でおなかを刺された猫の死骸が出てきて驚くが故意ではないし、
刺すまえから死んでいたのだから・・・
しかし、その後、父が急死し、兄も学校で転落死する。
母はホステスとして働きはじめ、そこの常連客と恋仲に・・・
わたしはその後、社会人になり結婚、娘も生まれるが娘が3歳のとき夫は家出
そして娘は小学校の登校中に事故死。
その加害者は、兄を死に追いやった原因をつくった女の息子。
こんな負の連鎖いやだぁ~!!
<隠されていたもの>
フリーライターの絵美は、ごみ屋敷の老女の取材に行く。
頑なに他者の関わりを拒んでいた老女・時子だが、なぜか絵美はすんなり
受け入れられ屋敷のなかに招かれる。
ゴミの山、異様な匂いのなかで絵美が見つける見覚えのある物たち。
ああ、これ前にテレビの「世にも奇妙な・・・・」で見た気がする。
そのときの話はあまり覚えていないけど、似てる話のような?
だからラストは予測出来ちゃって、全くの興ざめでした^^;
<ランチタイム>
いつもランチタイムは一人。
誰からも誘われず、自分から輪に加わろうとも思わない。
その時間はただ一人で散歩し、お気に入りの公園に行くのが日課。
そこでよく会う、初老の男性に初めて声をかけられる。
これは、とっても哀しい話。
<自滅>
自分だけのお気に入りの場所に行く。
そこはビルの屋上で夜になると灯りが見える。
それを見ながら唱える「消えろ」。
嫌いな人には呪詛を。
そして最後は・・・
本当にネガティブな人だなぁ~。
こんな風にしか生きられないって・・・・辛すぎる。
読んでいると気が滅入る作品集・・・。
精神状態が良くない人は読まない方がいいと思う。
と言いつつ、全部スラスラ読んだので、精神状態が正常の人には
まあまあ楽しめるのかな?
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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