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発行年月:2015年1月(単行本は2010年)


小さな生き物への愛情と尊敬に満ちた奇跡の実話


第二次世界大戦中の英国で、ひ弱な雀が寡婦に拾われた。
雀は愛情を込めて育てられ、驚くべき才能を開花させる。
世界的ベストセラーの名作。


                  (文春文庫HPより)





梨木香歩さんの新刊が出ていないかなぁ~と検索したら、こちらの本が
出てきて、なかなか面白そうだなぁ~と読みました。


それは、偶然の出会い!
ご主人を亡くされ一人暮らしをしているキャプス夫人が、巣から落ちた
スズメの雛を見つける。
障害があるため、巣から落とされた可能性もありと記述されていた。
冷たくて瀕死状態で、家のなかに連れ帰り、出来る限りの介抱を試みるけれど
たぶん、夜のうちに命が尽きるだろうとベッドに入る。
すると翌朝、か弱いながらも鳴き声を発するスズメ。

そこから、スズメのクラレンスとの生活がスタート。
なんとそれは12年と7週と4日という長い間続く。

スズメって、そんなに生きるんだぁ~とビックリ!

時代背景に戦争という大きな悲劇があるのだけれど、そんななかでもこの小さなスズメは
人々の心を癒すという大きな仕事までしている。
なんとも凄い!

白黒写真が幾つかあるのだけど、スズメがこんな風にするの?と驚くものばかり。

キャプス夫人との絆が成せる技でしょう。

小さなスズメの幼少期(?)と晩年期の行動の違いも興味深かった。

自然界では、巣から落ちた時点で死が待っている状況。
そんな状況からキャプス夫人に生きる助けを貰ったスズメの恩返しのような
素敵な物語でした♪

鳥類学を専門とした生物学者・遺伝学者のジュリアン・ハクスレーの解説や
訳者の梨木さんのあとがき、そして小川洋子さんの解説も、全て
興味深く読みました!
素晴らしい1冊です!!


                          ★★★★★

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