発行年月:2014年5月
終戦直前、焼け跡から助け出された赤ん坊。
長じて彼女はアメリカに渡り、人間の愚行と光をその手で切り取っていく―
著者の新境地にして最高傑作。
(Bookデータベースより/ポプラ社)
今まで読んでいた小手鞠さんの作品とは全く違う。
ノンフィクションに近いフィクションというかんじで、読み応え十分!
物語の主人公は、鳥飼茉莉江。
冒頭登場の美和子が、茉莉江の生き様を追う形で、物語が進行。
茉莉江は1945年焼け跡から赤ん坊の時、14歳の鳥飼希久男によって
焼け跡から救い出され、希久男とともに彼の叔母宅で暮らす。
その後、実母が訪ねて来て、10歳で実母と共にアメリカに渡る。
16歳の時、母親が自殺し単身ニューヨークへ。
知人の手助けでホテルに住み込みでアルバイトをさせて貰いながら、絵の勉強をしようとしていたが、それを続けるにはお金がかかると悩んでいた時、
日本人のカメラマン・坂木真人と知り合う。
カメラなら独学で学べると知り、カメラマンになりたいと思う茉莉江。
最初は美しいものを撮り続けていたが、ふと目にした写真に衝撃を受ける。
それは悲惨な戦地での写真。
写真を撮ったのは、岩井連慈。
その後、クリスマスパーティの会場で偶然、連慈に会い、その日のうちに意気投合。
二人は恋人同士になり結婚も約束する仲になる。
が。。連慈には、日本に妻が居る。
茉莉江も報道カメラマンとなり、日本で1972年に起きた浅間山荘事件など
現地に向かい取材している。
他にも、三菱重工業東京本社ビル爆破事件、日本航空機墜落事故、ベルリンの壁崩壊
チェチェン紛争、そして9.11。
事件を追いながら、当時のことを生々しく描く。
知らなかったことも多々。
世界の紛争、戦争に、必ずアメリカが絡んでいることが9.11に繋がったのか?
社会派の小説とも言える本書。
主人公・茉莉江の言う、「世界は美しくないもので満たされている」の言葉が衝撃的!
茉莉江の報道カメラマンとしての潔い覚悟にも感動した。
今、平和な日本がこのまま平和で居られるのかな?
なんていう事も少し考えてしまった。
素晴らしい本でした!!
★★★★★
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★途中放棄^^;
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