発行年月:2014年3月
放蕩の末、家族に見捨てられた祖父の背中に、孫娘は長い時間のただならぬ気配を感じていた。
人生最後の日々を過ごす老人とその孫娘の静かな同居生活を描く「寝相」。失業中の男、元女番長、なぜか地面を這うようになった小学生が織り成す異色の群像劇「わたしの小春日和」。奇妙な美しさを放つ庭を男女四人の視点で鮮明に描き出す「楽器」(新潮新人賞受賞作)。目を凝らし、耳を澄ませるための三つの物語。瞠目のデビュー作。
(新潮社HPより)
3編からなる本。
どれもなかなか面白かった。
<寝相>
27歳のなつめは築39年の古い家に住んで3年半。
そこに母方の祖父を一緒に住まわせている。
祖父・竹春は85歳。若い頃は、やりたい放題で61歳の時に妻は出て行った。
竹春には、娘・弥生(なつめの母)と息子・原郎(なつめの叔父)がいるが、竹春のことを本気で面倒みたいとは思っていない。
なつめにとっての竹春は、憎めないおじいちゃんなんでしょうね~。
若い頃の竹春の生き様は、関係ないところで聞くには面白い。
最後、竹春の元を離れた柿絵も元気で生活している様子が知れて良かった。
<わたしの小春日和>
仕事を辞め、職探し中の行夫。
妻・伊知子は、出版社勤務。
ささいなことで口論となり、試験的別居に入る夫婦。
行夫が実家に滞在することにする。
同級生たちとの再会。そしてちょっと変わった子で有名だった安西加代子。
地元に戻った行夫に、同級生たちとの交流が復活し、行夫の生活もなんだか動き出す。
この後、試験的別居は解消されるのかな?
なんとなく丸く納まったラストは、ちょっと愉快。
<楽器>
ちょっとした目的のため、毎年5月に、とある街を訪ねることが恒例化した
男女4人。
今年も出かけ、その先で広い庭を持つ1件の家で宴会をしている様子を観察する。
よくわからないうちにどんどん、登場人物が出てくる。
話があちらこちらに飛びながらで、ちょっと混乱したけれど、なんだか楽しそうな
4人の様子が良かった。
感想が書きにくいけれど、なかなか面白かった。
最初の<寝相>が一番好きかな?
この本の表紙も可愛くて好き♪
★★★
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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