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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年3月

201×年――新型ウイルス『バベル』が蔓延する近未来の日本。そのウイルスに感染して発症した人間の大半は言語に障害を来たし、場合によっては意思の疎通まで不可能になる。感染拡大を恐れた諸外国は日本との貿易・渡航を制限、日本経済は大打撃を受けた――。その後日本政府は巨大な壁「長城」を建設、「長城」の内と外で感染者と非感染者を隔離する政策を推進する。日本は一種の鎖国状態に入る。
その後感染者の中には隔離政策に抵抗、破壊活動や「長城」に侵入しようとする集団が発生する。その一方で「言語を伴わないコミュニケ―ションの可能性」をさぐる新しい動きも胎動してきて――。しかし日本政府はその可能性を否定するように、非感染者だけを収容する「タワー」を建設、一層の隔離政策をとるように。さらには「バベル」感染者がインフルエンザに感染すると死に至るケースがあることから、インフルエンザウイルスを使った悪魔的な計画を実行しようとするが……。
ウイルスとは何か? 新しいコミュニケーションの可能性とは? 福田和代にしか描きえないバイオクライシスノベル。

                     (文藝春秋HPより)



福田さんの書く物語は、いつかこんな事、起きるかもしれないというものなので
こんな状況になったら、自分ならどうする?とつい考えながら読んでしまう。
今回の話は、新種のウイルスによって脳症を起こす致死率の高いバベルが流行する
話。
発症後、命は助かっても後遺症として言語を失うという。

国は日本の言語、文化を後世に残すため優秀な教師数百人と優秀な子どもたち
(4歳~17歳)を集め高層建築物(タワー)に隔離する計画を実行する。
そして、非感染者と感染者を分けて住まわせるためコンクリートの塀を設ける。

さらに恐ろしい計画を実行しようとするが・・・



主人公の如月悠希は、物書きとして情報収集をする。
兄の直巳は、ウイルスを研究しバベル撲滅のため奮闘する。
ほかにも真実を伝えようとする外国人ジャーナリスト・ウィリアムや
自身も感染した野村医師。

一生懸命、人の命を救おうと奮闘する人たちの姿は素晴らしい。


でも国(総理)の考える事って恐ろしい。
国民のある程度の犠牲は仕方ないという考え方。
犠牲になるに値する命なんてないはずなのに・・・。

なんか、今の集団的自衛権を推し進めようとする総理の姿とダブって見えてしまった。
そういう意図が著者にあったのかはわかりませんが・・・


ラストはどうなる?と思ったら、よくわからないうちにウイルスは終息した?
めでたしめでたしの終わりと考えていいのか???


ま、経過がハラハラドキドキだったので、楽しめましたが。


                            ★★★

 
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