発行年月:2009年7月(単行本は2006年8月)
「生きて、必ず生きて帰る。妻のそばへ、娘の元へ」
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくる――。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
「俺は絶対に特攻に志願しない。妻に生きて帰ると約束したからだ」
「真珠湾に参加するとわかっていたら、結婚はしませんでした」
「零戦はかつて無敵の戦士でしたが、今や――老兵です」
「私には妻がいます。妻のために死にたくないのです」
「私は帝国海軍の恥さらしですね」
(講談社文庫HPより)
映画を先に少し前に観ているので、読みながら映画の映像が目に浮かんでくるようでした。
そして、また感動しました。
映画は、原作に忠実につくった作品だったんだなぁ~。
物語の主人公は、宮部久蔵。
大正8年生まれで昭和20年南西諸島沖で戦死(26歳)。
そんな宮部久蔵のことを孫の佐伯慶子と弟・健太郎が調べる。
慶子と健太郎には、祖父が健在しているが、宮部久蔵は、二人にとっては、もう一人の祖父。
健在する祖父と亡くなった祖父・宮部久蔵の関係もわかってくる。
映画では、あまり焦点が当たらなかった慶子の苦悩。
自分の仕事(フリーライター)と結婚についてのこと。
祖父のことを調べていくうちに、自分が今後、どう生きるべきかを考える。
映画では、健太郎の将来に対する姿勢の方を主に描いていたので、姉の人生も
前に踏み出した過程がよく理解できた。
そして、やはり考えさせられた戦争のこと。
世論って恐ろしい。
大事なひとつしかない命さえ、犠牲にすることが国のためと考えられ、生きて帰りたいと
いう言葉が言えない時代。
そんな時代のなかで、久蔵が「生きたい」と思い、部下たちにも「生きろ」と説くのは
なかなかできることではない。
そして、最期は・・・・これは何度読んでも泣ける(/_;)
戦争なんて、本当に愚かなことだとつくづく感じる。
これがデビュー作というのにも驚く。
最後の解説が児玉清さんというのも、ビックリでした!
児玉さんの言葉にもジ~ンと来るものがありました。
★★★★★
PR
この記事にコメントする
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 4 | ||||
6 | 7 | 9 | 10 | 11 | ||
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/08)
(01/05)
(01/02)
(12/28)
(12/26)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア