発行年月:2013年10月
ここは天に近い場所なのだ——。『家守綺譚』以後を描く、心の冒険の物語。
亡き友の生家の守(もり)を託されている駆け出し文士、綿貫征四郎。行方知れずになって半年余りが経つ愛犬ゴローの目撃情報に基づき、家も原稿もほっぽり出して鈴鹿山中に分け入った綿貫を瞠目させたもの。それは、自然の猛威には抗わぬが背筋を伸ばし、冬には冬を、夏には夏を生きる姿だった。人びとも、人にあらざる者たちも……。
(新潮社HPより)
途中までは、植物に纏わる話が短編連作のように続く。
が・・・後半は、居なくなった愛犬・ゴローを鈴鹿の山のなかで見たと友人であり
菌類の研究者である南川から聞く。
そして、その山には、イワナの夫婦が営む宿があるとか?
鈴鹿の山へ出かける綿貫征四郎。
前作『家守奇譚』では、家のなかや庭くらいしか動きがなかったインドアの綿貫が
今回は、山のなかを歩き廻る、アウトドアの物語。
出会う人々(人とは限らないけれど・・・)も沢山。
掛け軸から度々、登場の高堂の出番は少なく最初は寂しいなぁ~なんて思いましたが
山のなかで出会う者たちとのやりとりが愉快。
人のようで、河童だったり、イワナだったり・・・・。
周りの人たちもそんな人だか、何者かよくわからない者たちとの共存を自然に
受け入れて生活している様が良い。
しかし、ゴローは山でどんなお役目をしていたのでしょうか??
表題の「冬虫夏草」は、サナギダケの話で出てくる。
南川が綿貫に説明した話をここに書きとめておこう。
サナギダケ=冬場、幼虫のうちに糸状菌の一種に感染し、菌糸が内部で増殖し
ちょうど、サナギになったときに体表を突き破って子実体が外に現れる。
根っこはサナギに繋がった状態。
実際、そんな不思議な状態の植物があるのかな?
後で調べてみよう。
今回も、多くの植物の話、勉強になりました。
物語も御伽噺と現実の中間のような、なんとも不思議なお話ですが
梨木さんの文章は、やはり読んでいて心地良かった!!
★★★★★
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