耳を澄ませば、彼らの声が聞こえるはず----。
「文藝」掲載時より口コミで話題を呼び、かつてない大反響に。
著者16年の沈黙を破る、
生者と死者の新たな関係を描き出した心に深く響く物語。
(河出書房新社HPより)
いといせいこうさんが小説、書くんだ?と思ったので、手に取りました。
本の内容には、何ら前知識なく読みました。
なので、途中で「え?そういう話だったんだぁ~!?」と驚きました。
でも、それが良かった!
なので、もしここを読んでいる人で、まだこれから読まれる人は、これより先は読まないで欲しい。
先入観なしで読むほうが絶対に良いと思うので・・・・(^^)
物語の主人公・芥川冬助は38歳。
杉の木のてっぺんになぜか居て、そこから想像ラジオを発信している。
彼のラジオを聴くリスナ-はどんどん増えていく。
メ-ルをよこしたり、電話をくれたり・・・・想像力で成立しているラジオ番組。
5つの章から成り、第2と第4は、リスナ-側の物語。
ア-クの元に時々、様子を見に来る、父親と兄。
「下の降りて来いよ」と言いながら、自分では降りられないというア-ク。
しかし、最後は、リスナ-たちの助けでア-クは別の場所に旅たつことが出来た!
ア-クの喋りは飄々としていて悲壮感とかあまり、ないんだけれど、
物語を読んでいると、3.11で亡くなった人たちの物語と気づき、哀しさでいっぱいになる。
第2章は、福島に援助物資などを届けた5人が、東京に帰る車中での場面。
彼らは生きている。
が、ふとした拍子にア-クの声が聞こえた者が、
かつて日本にも同じように苦しんで亡くなった人がいたと話す。
広島、長崎、東京、神戸、そして東北。
苦しみを体験していない、わたしたちには、彼らが亡くなった哀しみや悔しさや苦しみは理解のしようがない。
人を想うには、想像力が必要なんだ。
想像力を持って、彼らの哀しみ、辛さを共有してあげることが、供養に繋がるのかな?
う~ん、凄い小説だ!
感動したというより、衝撃的でした!
★★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;