発行年月:2013年4月
何かが始まるとき、それはすでに終わっているのかも知れない。
恋愛とは雑用である。不要でなく雑用である。忙しいときに限ってオトコというものが現れる(「恋愛雑用論」)。ピアノを弾く姉、テレビに出る母、未知の言語を学ぶ父。何もないのは私だけ。あの発作が起きるまでは(「忘れられたワルツ」)。想像力の突端から、震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す、絲山文学の極北七篇。
(新潮社HPより)
7つの物語、それぞれが独特の雰囲気を醸し出していて、良かった!
震災とか戦争とか、ちょっと辛い過去のことが背景になる物語たちですが
変な暗さはなく、登場人物たちの会話に思わず、笑ってしまうこともあり。
「恋愛雑用論」
恋愛は雑用だと考える、工務店の事務員として働く日下部。
度々、訪ねて来る信用金庫の小利口くん(本名はまた別にあるけれど・・・・)と日下部の会話が可笑しい。
彼女(日下部)の独特な物事の捉え方はユニ-クだけれど、なるほど!と目からうろこの事もあり
面白くて、この短編のなかでは、一番好き♪
「強震モニタ走馬灯」
強震モニタを日々、眺めている離婚して独り暮らしの魚住。
彼女が言った<毎日が震災前なんですよ>のことばにドキッ!
衝撃的なことば。
でも、考えたらそうだよね。
いつどんな災害が迫ってくるかわからない。
「葬式とオ-ロラ」
なんじゃこの組み合わせは??と最初に思った^^;
恩師の通夜に参列するために車で高速を走る男。
サ-ビスエリアに寄り、そこで出会った女性。
偶然にもその後も会う。
彼女はオ-ロラを運んでいるという。
へ~オ-ロラって運べるんだ・・・・ビックリ!
「ニイタカヤマノボレ」
巨大な鉄塔を見て、かつて、いとこの峰夫から教わった
戦前の日本があの鉄塔から<ニイタカヤマノボレ1208>を打電したんだと。
そんな峰夫は貯水池で溺死した。
なんだかしらないけれど、すごく不安な気持ちが沸いて来た。
「NR」
新しい所長が名前に横に書く。
ノ-リタ-ンの略で直帰するという意味。
津田は訪問先へ部下の湯浅を伴い電車に乗る。
2人とも<NR>と書いて。
しかし、訪問先とは違う見慣れない駅名を電車は走り、仕方なく途中下車。
戻るしかないけれど・・・ノ-リタ-ン。帰れない?
ちょっとSFっぽいお話。
「忘れられたワルツ」
東京で独り暮らしの風花は、実家に帰る。
姉はやはりピアノを弾いている。
ドビュッシ-が聴きたいと言ったのに、何故か忘れられたワルツを4曲弾く。
それから突然、『お母さんの間男を見つけたからこれから捕まえてくる』と出かけてしまう。
家にはよくわからない外国語を勉強している父親のみ。最近は母親はテレビでしか見ないし・・・
なんとも奇妙な家族。
突然、猛烈な痒みに襲われる風花が、なんとも気の毒になった。
「神と増田喜十郎」
愞70を超えた増田は女装が趣味。
高校時代の友・大塚貴史が市長になり、その仕事を手伝っていたが彼が亡くなった。
大塚の妻・田鶴子から『女同士で遊びに行きましょう』と誘われ二人で旅行。
旅先でいろいろなところにいき会話する2人。
『タカちゃんは神をみたって言ってました』・・・・・・
そして、ある日、増田も神に会う。
神・・・・・なるほど。ちょっと会ってみたいかも。
文章が簡潔でわかりやすくて変な話だなぁ~と思いながらも、感心しちゃう。
やっぱり、絲山さん、好き!
★★★★★
何かが始まるとき、それはすでに終わっているのかも知れない。
恋愛とは雑用である。不要でなく雑用である。忙しいときに限ってオトコというものが現れる(「恋愛雑用論」)。ピアノを弾く姉、テレビに出る母、未知の言語を学ぶ父。何もないのは私だけ。あの発作が起きるまでは(「忘れられたワルツ」)。想像力の突端から、震災後を生きる者たちの不安/不穏を描き出す、絲山文学の極北七篇。
(新潮社HPより)
7つの物語、それぞれが独特の雰囲気を醸し出していて、良かった!
震災とか戦争とか、ちょっと辛い過去のことが背景になる物語たちですが
変な暗さはなく、登場人物たちの会話に思わず、笑ってしまうこともあり。
「恋愛雑用論」
恋愛は雑用だと考える、工務店の事務員として働く日下部。
度々、訪ねて来る信用金庫の小利口くん(本名はまた別にあるけれど・・・・)と日下部の会話が可笑しい。
彼女(日下部)の独特な物事の捉え方はユニ-クだけれど、なるほど!と目からうろこの事もあり
面白くて、この短編のなかでは、一番好き♪
「強震モニタ走馬灯」
強震モニタを日々、眺めている離婚して独り暮らしの魚住。
彼女が言った<毎日が震災前なんですよ>のことばにドキッ!
衝撃的なことば。
でも、考えたらそうだよね。
いつどんな災害が迫ってくるかわからない。
「葬式とオ-ロラ」
なんじゃこの組み合わせは??と最初に思った^^;
恩師の通夜に参列するために車で高速を走る男。
サ-ビスエリアに寄り、そこで出会った女性。
偶然にもその後も会う。
彼女はオ-ロラを運んでいるという。
へ~オ-ロラって運べるんだ・・・・ビックリ!
「ニイタカヤマノボレ」
巨大な鉄塔を見て、かつて、いとこの峰夫から教わった
戦前の日本があの鉄塔から<ニイタカヤマノボレ1208>を打電したんだと。
そんな峰夫は貯水池で溺死した。
なんだかしらないけれど、すごく不安な気持ちが沸いて来た。
「NR」
新しい所長が名前に横に書く。
ノ-リタ-ンの略で直帰するという意味。
津田は訪問先へ部下の湯浅を伴い電車に乗る。
2人とも<NR>と書いて。
しかし、訪問先とは違う見慣れない駅名を電車は走り、仕方なく途中下車。
戻るしかないけれど・・・ノ-リタ-ン。帰れない?
ちょっとSFっぽいお話。
「忘れられたワルツ」
東京で独り暮らしの風花は、実家に帰る。
姉はやはりピアノを弾いている。
ドビュッシ-が聴きたいと言ったのに、何故か忘れられたワルツを4曲弾く。
それから突然、『お母さんの間男を見つけたからこれから捕まえてくる』と出かけてしまう。
家にはよくわからない外国語を勉強している父親のみ。最近は母親はテレビでしか見ないし・・・
なんとも奇妙な家族。
突然、猛烈な痒みに襲われる風花が、なんとも気の毒になった。
「神と増田喜十郎」
愞70を超えた増田は女装が趣味。
高校時代の友・大塚貴史が市長になり、その仕事を手伝っていたが彼が亡くなった。
大塚の妻・田鶴子から『女同士で遊びに行きましょう』と誘われ二人で旅行。
旅先でいろいろなところにいき会話する2人。
『タカちゃんは神をみたって言ってました』・・・・・・
そして、ある日、増田も神に会う。
神・・・・・なるほど。ちょっと会ってみたいかも。
文章が簡潔でわかりやすくて変な話だなぁ~と思いながらも、感心しちゃう。
やっぱり、絲山さん、好き!
★★★★★
PR
この記事にコメントする
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 4 | ||||
6 | 7 | 9 | 10 | 11 | ||
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/08)
(01/05)
(01/02)
(12/28)
(12/26)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア