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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2005年12月


夢かうつつか。物語の痕跡を探して、物語の中の十字路を訪ねて歩く――作家が「水」をめぐる物語を模索する「雨を聴いた家」、「影の絵」を描くオビタダが主人公の「水晶万年筆」など、6つの短編を、文章とモノクロ写真で構成。人気制作ユニット、クラフト・エヴィング商會の物語作家と写真家による新しいコラボレーション。「小説トリッパー」連載の単行本化。

                        (朝日新聞出版HPより)



吉田篤弘さんの物語と、坂本真典さんのモノクロ写真のコラボ。
物語は6つ。
どの話にも出てくるのは十字路。
不思議で何処か懐かしいかんじのする物語と写真。


「雨を聴いた家」
水に纏わる話を書こうとしている小説家。
町のあちこちにある十字路。
そこで出会う沢山の<S>。
ある女性が言う「この町の底には透明な水たまりがある」と。


「水晶萬年筆」
珍しいことが好きで嫌いな絵描きのオビタダ。
夥しいの「夥」と書く。
おでん屋<つみれ>の女将さん(つみれさん)の父親も絵描きだったという。
そして、2人でその父親が銭湯にあるというので、見にいく。


「ティファニ-まで」
レストラン・ティファニ-まで研究室の助手のサクラバヤシ君と向かう。
今までにないことば・新語研究者のわたし。
サクラバヤシ君と議論を交わしながら進むが、ティファニ-には辿り着けず・・・・。


「黒砂糖」
師匠のあとを継いだわたし。
師匠は世界でたったひとりのファンファ-レ専門の作曲家だった。
そして、夜を愛していた。
先生のとっておきの一曲は『夜のためのファンファ-レ』。
その一曲を吹いたあと夜の路地裏に姿を消すことが度々あった。
わたしもその曲を吹く、すると・・・・・


「アシャとピストル」
買えないものがあるなら、それを売ろう。
アシャは世にも不思議な怪しげな商売を思いつく。
酒場で知り合ったオ-シンイ=往診医。


「ルパンの片眼鏡」
師匠とは路地で出会った。
師匠はルパンと名乗った。
師匠に誘われ家に行くと、カヲルさんという女の人がいた。
師匠は、片目を無くして探していたところで、わたしに出会ったそうで
カヲルさんに「俺の片目」と紹介した。



なんとも不思議なよくわからない物語ばかりですが、その独特な世界観がすごく好き!
そして、物語のあとにあるモノクロの町の風景写真がまた、想像力を刺激してくれた。
写真の風景は、寂しいような悲しいような不思議なもの。
カラ-じゃないのがいいんだろうなぁ~。


                                       ★★★★★


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