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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年9月


そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――
累計300万部突破、殺し屋シリーズ書き下ろし最新作
『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!
やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。


                     (角川書店HPより)



殺し屋・天道虫(七尾)が、今回は、ホテルへ。
ただ届け物を渡して帰るだけだったのに・・・・
届け先をうっかり間違えたばかりに、ややここしいことに巻き込まれる羽目に。
流石、運の悪い男。
でも、それだから面白い物語になっている・・・( ´艸`)


ホテルには、もう一人、自身に非はないのに厄介ごとに巻き込まれている女性
紙野結花がいて、身の危険を感じている。
ココというおばちゃんハッカーが、その身をなんとか守ろうと奮闘。
紙野は乾の元で働いていた。
記憶力が驚異的で、乾からいろいろなことを暗記させられ多くの秘密を
握っている。

その紙野を捕らえようとする6人組(武器は吹き矢)。

ココからボディガードとして呼ばれた高良と奏田。

遺体処理屋のモウフとマクラ(二人とも小柄な女性)

そして15年前の快速列車内の殺傷事件でヒーロー的存在になった蓬実篤と
秘書の佐藤。

七尾は、途中で紙野から助けを求められ、厄介事に飛び込むことに・・・

運は悪いけれど、とっさの判断は、さすがで、運の悪いことも彼の強みみたいに
なっているのが可笑しい。ちゃんと最後まで紙野を助けるし
人間的にも好感が持てる。


始終、ドタバタしているけれど、わかりやすく、最後はスカッとするのもいい。

ヒーロー的存在だった蓬がとんでもない奴だったのには驚いた。
乾を嫌っていた紙野だが、本当は、良い人だった。
ああ、人ってわからない。


このシリーズ、いいな。
人が結構、エグイ死に方するんだけど、サラッと流してくれるから平気だし。
殺し屋仲間の絆(?)みたいなものあって楽しい。


                    ★★★★★

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発行年月:2022年4月


どこかの誰かが、幸せでありますように。
失恋したばかりの社会人と、元いじめられっこのスパイ。
知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり……。
ふたりの仕事が交錯する現代版おとぎ話。
付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、
どこにも居場所がないいじめられっ子、
いつも謝ってばかりの頼りない上司……。
でも、今、見えていることだけが世界の全てじゃない。
優しさと驚きに満ちたエンターテイメント小説!
猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」でしか手に入らなかった
連作短編がついに書籍化!

               (幻冬舎HPより)


音楽フェスティバルで配られた短篇をひとつに繋げたものだったんだ~。

スパイ活動している者とふつうの会社員の生活が交互に語られて
最後は、一緒になる。
スパイたちの話より、会社員・松嶋の話の方が面白かったな。

失恋して、それから職場恋愛して、結構、こちらは平和。
スパイの方は、生死に関わる大変なこともあったけど・・・・。


松嶋は猪苗代湖に縁がある。
地元がその辺りということもあるけど。
音楽フェスの会場がそこということで、楽曲の歌詞も多数。
全然、知らないものだったけど、物語にうまく使われていて、フェスの参加者なら
嬉しいお土産だったんだろうなぁ~。


物語のなかでは、いつも謝っている門倉課長がおもしろかった。
本人は大したことないと思っているけど、凄い幸運を他人にあっさり
譲ってしまう。
こういう人に、また新たな幸運が来るといいな。


アッという間に読み終えてしまったけど、楽しかった。



                      ★★★


発行年月:2020年4月


敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!
 
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!
 
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

                  (集英社HPより)




小学生(5~6年生)が主役の話、5編。
バラバラのようで、繋がっている。


小学生の頃は、学校生活が、一日のほぼ全部と言っていいくらい。
放課後も学校の友達と過ごしたり、部活動で夕方、暗くなるまで
過ごしたり、自分の過去を振り返っても似たようなことが
あったので、当時の担任の先生が自然と頭に浮かんだ。



最初の<逆ソクラテス>は、先入観で生徒に接する久米先生の
先入観を崩そうと転校生の安斎が先頭になりクラスの優等生女子
佐久間も加わり作戦を次々に立てる。


そんなことがあったなぁ~と大人になった者たちが話す。
作戦の中心人物の安斎は小学校卒業と同時に沖縄に。
彼の噂話も出る。
        

5つの話のなかで、特に気に入ったのは
3番目の<非オプテイマス>
大学を卒業してすぐ担任を持った久保先生。
いつも覇気がなく児童や保護者たちからも頼りない印象。

授業中、わざと缶のペンペースを落とすナイトたち。
僕と福生はいつかナイトを痛い目に遇わせたいと思っている。

僕は塾の帰り、久保先生を見かける。
急いで福生を呼び、二人で後をついていく。先生は体調が悪くて
欠席していた潤の家に忘れ物を届けに来たらしい。
物陰から様子を窺う二人。

潤の父親は久保先生の恋人が交通事故に遇うキッカケを作ってしまったと
ずっと悔いていた。
父親は先生の恋人と知らないで話しているが先生は気づく。
そして、慰める。

その日から変わる久保先生。


ああ、良い先生になれる人なんじゃん!と嬉しくなる。

ラストの参観会のあとの、カイトの父親と福生の母親の関係が
わかったときは、スカッとしたぁ~(^^)


小学校時代が一番、面白かったかもなぁ~。
担任の先生たちも個性的で、全員覚えている。

まだ健在なのかなぁ~?



伊坂さんの話の持って行き方は、さすが。

度々、登場する磯憲先生は、伊坂氏の恩師がモデルだそう。
先生も喜んでいるでしょうね~。



                     ★★★★★        






発行年月:2019年7月


巧みな仕掛けとエンターテインメントの王道を

貫いたストーリーによって、
伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放った
ノンストップ活劇エンターテインメント。


異物混入、政治家、アイドル、
人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥――。

伊坂幸太郎の神髄がここに。

                    (NHK出版HPより)




製菓会社社員の岸。
都議会議員の池野内。
ダンスグループの人気メンンバーの小沢。


最初は、なんら繋がりのない3人が、岸の勤める製菓会社の新商品、マシュマロから
繋がっていく。


マシュマロの中に画鋲が混入の事件。
社の記者会見の際の文書作成を頼まれる岸。
異物混入の苦情の電話をしたのは、池野内の妻。
小沢は、その新商品が好きだと公言。


やがて3人は面識を持ち、それぞれに共通するものがあることを知る。


夢の世界での戦いが現実の世界でも似たようなことが起きる。
二つの戦いはリンクしていて、どちらかで勝てばどちらかの出来事も好転することに
気づくが途中、どっちの戦いを優先的に攻略すべきかわけがわからなる。
ま、そこが面白いんだけど・・・。

結果的には、なんとか危機を脱したんだよなぁと
15年後のそれぞれの暮らしぶりから想像。



表題の意味もわかったけど、なんでクジラアタマなんだろ???
そんなに似てる??

毎回、思うけど、よく思いつくな~こういう話ばかり。
楽しいので大歓迎だけど。


                       ★★★




発行年月:2019年4月


 出会ってはいけない二人が出会ったとき、世界の均衡は崩れ、物語は暴走する――【時代をまたいで疾走する、エンターテインメント小説2篇! 】我が家の嫁姑の争いは、米ソ冷戦よりも恐ろしい。バブルに浮かれる昭和後期の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり......。(「シーソーモンスター」)突然、僕は巻き込まれてしまった。時空を越えた争いに――。舞台は2050年の日本。ある天才エンジニアが遺した手紙を握り締め、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を前に奮闘する! (「スピンモンスター」)

                    (中公公論新社HPより)



<シーソーモンスター>は、嫁と姑の対峙。
でも、こちらは、共通の敵が現れたときに最強になった!

嫁・北山宮子と姑・北山セツ。


二つ目の話<スピンモンスター>では
人工知能開発者とそれに敵対するもの。
こちらは敵がよくわからないままだったけれど、そこに巻き込まれた
水戸直正と檜山景虎。
2人は、二台の車の事故による、お互いが生き残り。
高校で再会するが、近づきがたい存在として意識していて、それがまた
大人になって再会。
水戸は、配達屋。檜山は警察官。

そして、水戸は檜山に追われることに。


似た者同士でも、敵対することになってしまった者たちの話。

スピンモンスターで、北山宮子が登場。
水戸が子どもの頃から愛読していた絵本「アイムマイマイ」の作者のひとり。
作者は、せつみやこ。

絵をセツが描いて文は宮子。
2人が共作で絵本を出版していたと知って、なんだか嬉しくなった。
宮子の息子も大活躍!


スピンモンスターの水戸と檜山も、親友になれたらいいな~。


螺旋プロジェクトん企画で色々な作家が色々な時代を描く物語、
これは昭和と現代。
次はずっと昔の物語を読んでみるつもり。



                           ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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