発行年月:2019年8月
出会ったのは森の奥深く、きみの夢の底深く
秋はしだいに深まり、冬ごもりの支度におおいそがしのヤービたちは、博物学者であったグラン・グランパ・ヤービが、ややこし森でみつけたという、まぼろしのキノコ、ユメミダケを探す冒険に出発します。同じころ、フリースクールの生徒ギンドロと、ウタドリ先生たちも、ギンドロの見つけた不思議な手紙に導かれ、テーブル森林渓谷、ヤービたちのいうところのややこし森へと向かっていたのでした。ヤービシリーズ待望の第二弾。
(福音館書店HPより)
待っていました!
再び、ヤービの世界観を堪能~♪
大きい人(人間)のウタどりさんとヤービがそれぞれの仲間と別々の目的ですが
同じ場所を目指して冒険。
ウタドリさんはフリースクールの教師。
生徒たちは家庭環境に何らかの問題を抱えていて、そんななかの一人・ギンドロが
受け取った見知らぬ誰かからの手紙を機にウタドリさんと庭師のカンヌキさんの
3人でテーブル森林渓谷へ。
一方、ヤービはトリカのママの頭痛を治す薬になると思うユメミダケを探すため
ややこし森へ。
ヤービとトリカのほかには、ヤービのいとこのセジロも一緒に。
キジバトのミリとキャリの背中に乗って・・・・
二組の冒険の様子がそれぞれ楽しい。
ヤービたちが探していたユメミダケは不思議なものを目の前に見せてくれて
結果、二組の冒険は目的達成!
挿絵がまたまた素晴らしく、物語にピッタリ!
最後のつづくのイラストには歓喜しました(^^)
また別の季節のヤービの物語が読めそうかな?
楽しみに待ちます!
★★★★★
PR
発行年月:2019年5月
深遠でコミカル、重くて軽快。
著者五年ぶりの傑作長編小説。
自然、人間の体、こころの入り組んだ痛みは
家の治水、三十肩、鬱と絡み合い、主人公を彷徨えるツボ・椿宿へと導く。
皮膚科学研究員の佐田山幸彦は三十肩と鬱で、従妹の海子は階段から落ち、ともに痛みで難儀している。なぜ自分たちだけこんな目に遭うのか。
外祖母・早百合の夢枕に立った祖父から、「稲荷に油揚げを・・・・・・」の伝言を託され、山幸彦は、鍼灸師のふたごの片われを伴い、祖先の地である椿宿へと向かう。
屋敷の中庭には稲荷の祠、屋根裏には曽祖父の書きつけ「f植物園の巣穴に入りて」、
明治以来四世代にわたって佐田家が住まいした屋敷には、かつて藩主の兄弟葛藤による惨劇もあった。
『古事記』の海幸山幸物語に3人目の宙幸彦が加わり、事態は神話の深層へと展開していく。
歯痛から始まった『f植物園の巣穴』の姉妹編。
(朝日新聞出版HPより)
痛みに苦しむ佐田山幸彦(通称・山彦)。
化粧品会社でメイクアップ部門に所属し、化粧品の研究をしている。
肩の強烈な痛みに苦しみ、それゆえ、鬱状態へ。肩から痛みは首にまで・・・・
従妹の海幸比子(通称・海子)も膝痛から股関節痛と激痛に苦しむ日々。
自分たちのこの痛みには、なにか共通のものがあるのでは?と。
海子が最初に世話になった仮縫鍼灸院を訪ねる山彦。
院長の仮縫氏から「この痛みは、カメシに・・・」と院長の双子の妹・亀子(カメシ)
の診察を受ける
するとこの痛みの除去を助けたいと言う神がいるという。
それは実家にある小さな稲荷。そして亡くなった祖父が油揚げをお供えするようにと。
そんなわけで痛みに堪えながら生まれて初めて郷里の実家のあった地を訪ねる山彦。
亀子も同伴。
亀子と一緒に入った喫茶店。
そこは鮫島家の関わる場所だった。
店主は、今は行くえ知れずの宙幸彦(そらゆきひこ)の妻・泰子(タイコ)。
宙彦の母・竜子も以前、住んでいた家に行きたいということで3人で
実家(椿宿)に向かう。
そこで知る、佐田家と鮫島家のルーツ。
痛みは、その後、消えた山彦。
海子の痛みも、また消える。
<f植物園の巣穴>の続編と知っていただが、これが?とずっと疑問に
感じながら読んだ。
でも終盤になって、ああ、そういう繋がりだったんだ!と。
ああ、<f植物園の巣穴>もまた読み返したくなってきた!
古事記の海幸山幸の話は、今回初めて知ったけれど、現代とこんな風に
繋がっていくのも面白い。
先祖が、子孫に気づいて欲しくてサインを送ることってあるのかな?
それが今回のように痛みということもあるのか?
自身が肩痛でこの主人公の山彦のように苦しんだ経験があるので
ふと考えてしまった。
表紙の絵もステキ。
今回も読み応え十分でした!!
★★★★★
発行年月:2015年8月
ある晴れた夏の日、わたしが、湖に浮かべたボートの上で出会ったのは、
ふわふわの毛につつまれた、二本足で歩くハリネズミのようなふしぎな生きもの、
「ヤービ」でした。
(福音館書店HPより)
梨木さんの新刊は、可愛らしいお話でした♪
人間(おおきい人)とヤービが出会う場面が素敵。
ミルクキャンディーを刺し出したら、ヤービは受け取り、家に持ち帰る。
ママヤービがそれでミルクシロップを作ってくれた。
それは、誰かを殺した食べ物を受け付けなくなったヤービのいとこのセジロを
救う。
ミルクは誰も殺していない食べ物だから・・・。
ヤービたちクーイ族のほかに、人間を小さくしたような姿のトリカたち
ベック族も出てくる。
自然のなかで、まだ人間が知らない生き物たちがこうして生活していると
想像するだけで楽しい。
小沢さんの絵も素敵。
大人も楽しめる可愛い本でした♪
続編もあるかんじなので、期待して待ちたいと思います。
★★★★★
発行年月:2014年9月
胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。
蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語――歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガン異聞」、1994年から2011年の8篇の作品を収録する、初めての作品集。しずかに澄みわたる、梨木香歩の小説世界
(新潮社HPより)
どれも素晴らしいお話。
梨木さんらしいちょっと独特な不思議な空間に連れて行かれるような気持ちに
させられて、それがすごく心地ちいいのです!!
ああ、さすが梨木さんだぁ~と思わせてくれる作品集でした!!
表題作の「丹生都比売」だけやや長めのお話。
時は1300年以上前の壬申の乱のころのお話。
大海人皇子・おおあまのおうじ(天武天皇)と
鸕野讚良皇女・うののさららのひめみこ(持統天皇)の子どもである草壁皇子の物語。
心優しき皇子が戦乱の世に巻き込まれる様子はなんだか痛々しい思いがしました。
このお話だけでも読み応え十分!
他は短いお話。
特に好きだったのが2つ。
「コート」
2つ違いの姉と幼い時からずっと冬になるとお揃いのピンクのコートを母親が用意してあり着せられていた。
母は9着のサイズ違いの同じ型のコートを買ってあったから。
でも16歳の姉は、自分好みのコートを買い、わたしはおさがりでないコートを着る。
妹が姉を想う気持ちが切なく温かかった。
「夏の朝」
6歳の誕生日に特別な球根(親指姫の生まれる球根)が欲しいとねだるが
代わりにユリの球根をお花屋さんからプレゼントとして貰った夏ちゃん。
なかから女の子が生まれたので、春ちゃんと名付ける。
子どもの個性を大事に見守るって大事だな・・・・。
夏ちゃんが可愛い♪
お母さんも一時は悩んだと思うけれど、見守る姿勢は素晴らしい!
梨木さんのあとがきも良かった!
今度は新作の長編を読みたいな。
★★★★★
発行年月:2014年4月
昭和の初め,南九州の離島(遅島)に,人文地理学の研究者,秋野が調査にやって来た.かつて修験道の霊山があった,山がちで,雪すら降るその島は,自然が豊かで変化に富み,彼は惹きつけられて行く.50年後,不思議な縁に導かれ,秋野は再び島を訪れる──.歩き続けること,見つめ続けることによってしか,姿を現さない真実がある.著者渾身の書き下ろし小説.
(岩波書店HPより)
ロマン溢れる物語でした。
南九州の離島・遅島に調査のため滞在している秋野。
亡くなった主任教授がやり残した調査を引き継ぐため。
ウネ婆さんと嘉助爺さん宅に居候させて貰い、生活を共にする。
なんとも情緒たっぷりの暮らしぶり。
船を漕いで湯治場に仲良く向かう二人を見送る秋野の場面は幻想的なかんじだった。
居候させて貰っている地域は龍目蓋(たつのまぶた)という場所。
そこから、毎日調査に出かける秋野。
影吹で、西洋館を見つける。ウネ婆さんの話では山根さんという人が住むという。
後日、山根さんを訪ね、話が弾み、いつでも泊まって良いと言う言葉に甘え
そこから出かけた方が近い場所の調査にはそこを拠点とさせてもらう。
島の歴史をあれこれ知る。
かつては、寺院があり、修験道の島でもあったという。
しかし、明治の政府の神仏分離宣言を機に寺院は一瞬で壊されてしまった。
神道を国体の基盤とするため神と仏が融合したものは引き離すこととなり
長年、仏教より下に見られていた神道の関係者がここぞとばかりに暴走し潰したとか。
また当時は民間宗教=モノミミも島に広がっていて、それらも排除の対象にされた。
西洋館に住む山根さんの父親は寺院で修業する僧侶だった為、その混乱時島を脱出したという。
そして父親が持っていたという寺院の見取り図を見せてもらう。
昔そこで暮らしていた人たちの生活の様子を、人や残されたものから探るって面白そう。
人文地理学って興味あるなぁ~。
ウネ婆さんが語る雨坊主の話もちょっと怖いけれど面白かったし。
波音(はと)に出かけそこに住む梶井さんと知り合ったことも調査をしていく上で
とても大事な出会いだった。
梶井さんと共に歩き、語らう場面も素敵だった。
そんな素晴らしい夢のようだった隠島での生活から50年後に終盤切り替わる。
秋野が島を訪れたのは昭和初期。
その50年の間には、戦争があって、多くのものをなくす。
なんとも辛い。戦争はやっぱり得るものがない。
秋野はその間、結婚し、子どもが出来た。
そして息子が偶然、隠島の開発事業に関わっていると知り、島を50年ぶりに訪ねる。
自然を壊し近代化していくのはある程度必要なことかもしれないけれど
なんだか空しい。
壊すのなら、そこがどんな土地だったのか、残すものが必要かも。
読みながら、いろいろ考えさせられた。
梨木さんの物語には、植物や生物が多く登場する。
それを後で調べるのも楽しい。
今回気になってどんな植物か調べたのが以下の2つ。
ミツガクワク・・・氷河期の生き残りかと言われる植物だとか。
ハマカンゾウ・・・ヤギが食べつくしてしまったと書かれていた植物。
そんなに美味しいんだろか??
ああ、美しく儚い夢のようなお話でした。
★★★★★
カレンダー
| 12 | 2026/01 | 02 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 7 | 10 | |||
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(01/09)
(01/08)
(01/06)
(12/31)
(12/29)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア
