発行年月:2021年4月
三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」との出会いは、屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐしていく。家族の希望で縁もゆかりもない土地で一人暮らすことになった節子の、本と共に歩んできた半生を描く「本は峠を越えて」や、十八年前になくしたはずの本が見つかったことを引き金に当時の出来事が明るみに出る「昼下がりの見つけもの」など5編を収録。めぐりんが本と人々を繋ぐ移動図書館ミステリ、シリーズ第二弾
(東京創元社HPより)
移動図書館、めぐりんを利用する人たちと
図書館司書のウメちゃんとバス運転手のテルさんとの関わりかたが
なんとも、ほっこり。
今回もちょっとした謎解き5つ。
謎解きとして面白かったのは
<昼下がりの見つけも>
18年前に本バスで借りた本が1冊、紛失。
実家で暮らすことになり、天袋に茶色の封筒に入ったその本を見つける
という話。
本を返却に行った父親が失くしたことになって、本は当時、弁償したのだが・・・
なるほど、そういう理由だったか?
しかし、夫の浮気を疑ったとして、そんな風に本を隠すのはいささか幼稚だなと
苦笑。
<団地ラプンチェル>も面白かった。
70歳の征司は、めぐりん利用時に偶然、小学校時代の同級生に会う。
また、めぐりん巡回日の2週間後に会おうと別れるが、友人は来ず・・・
すると少年2人が「そのおじさんの家なら知っている」と
不思議に思いながらついていくが、留守でそのアパートの表札は友人の
苗字ではない。
少年2人が探している友人の苗字で、この辺りに住んでいたはずだけど
その友人は暫く前から姿を消してしまったのだと。
少年たちが探している友達は、そんなに遠くには引っ越していない。
違う場所で、めぐりんを利用し続けるだろうと。
再会出来る日も近そうかな?などと想像。
移動図書館って、近所にも巡回しているのかな?と調べたら
利用しているショッピングセンターに来ていることがわかった。
いつも買い物に行く時間帯でないので見たことなかったけれど・・・
こういうお知らせ、もっと市民に広くすればいいのになぁ~。
図書館まで行くのが大変になったら、いつか利用したいな。
★★★
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発行年月:2018年9月
知人を訪ねただけなのに……
最悪の五日間の幕が開く! 遺体の第一発見者となりながら逃げ出した中年男。 その様子を目撃、男を脅迫し始める男子高校生。 だが、あったはずの遺体が消えて…… 著者渾身の本格長編ミステリー! 鶴川佑作(つるかわゆうさく)は横須賀(よこすか)のマンションに住む、独身の五十四歳。借りた雑誌を返すため、同じ階の住人・串本(くしもと)を訪ねた。だが、インターフォンを押しても返事がなく、鍵(かぎ)もかかっていない。心配になり家に上がると、来客があった痕跡を残して串本が事切れていた。翌日いっぱいまで遺体が発見されては困る事情を抱える佑作は、通報もせずに逃げ出すが、その様子を佐々木紘人(ささきひろと)と名乗る高校生に撮影され、脅迫を受けることに。翌朝、考えを改め、通報する覚悟を決めた佑作が紘人とともに部屋を訪れると、今度は遺体が消えていた…… (発行/祥伝社) マンション内で親しくしていた串本の部屋を訪れて、そこで 亡くなっている串本を発見してしまう鶴川祐作(54歳)。 すぐに通報しないで去る行動は、あり得ないと思うなぁ~^^; でもそれをしないと物語が進んでいかないので仕方ない。 逃げ去る姿を目撃し動画に撮る高校生・佐々木紘人。 2人は、お互いのことを話し、串本さんの死の真相を追うことに。 小学2年生の女の子が行方不明になっていること、串本が小学校で色々な子に声を掛けたり、写真を撮ったりしていたことがわかり串本に対する周囲の不信感、払拭のためにも2人は絶対に真実を突き止めようとする。 そして、わかる真実。 ああ、二人が信じていた串本が良い人で良かった! 無職の鶴川、学校での人間関係に悩み不登校だった紘人。 2人がこれを機に自分の生活を変えようと前に進み始めた姿も ホッとした。 面白かった! ★★★★ |
発行年月:2017年6月
高校3年生の千紗は、横浜のタウン誌「ハマペコ」編集部でアルバイト中。
初恋の相手、善正と働きたかったからだ。用事で元町の洋装店へ行った千紗は、
そこのマダムが以前あった元町百段をよく利用していたと聞く。
けれども善正によると元町百段は、マダムが生まれる前に崩壊したという。
マダムは幻を見ていた? それともわざと嘘をついた?
「元町ロンリネス」「山手ラビリンス」など珠玉の連作短編集。
(講談社HPより)
<元町ロンリネス><山手ラビリンス><根岸メモリーズ>
<関内キング><馬車道セレナーデ>
タウン誌を作る仕事にバイトで関わる千砂を通して、ちょっとした謎の真相を
探る短編連作集。
どの話も面白かった。
少し前の時代の横浜の風景を想像させてくれる。
横浜には学生時代2年間住んでいたので、この本に出て来る地名の場所は
大抵わかり、なんだか懐かしかった。
土地勘のある人の方が、断然、面白く読めると思う。
★★★
発行年月:2016年11月
都会を走る移動図書館、愛称「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと、図書館司書ウメちゃんの、年の差四十のでこぼこコンビだ。巡回先で二人と一台を待ち受けるのは、利用者とふしぎな謎の数々で……。棚に並んだ本の中に、あなたの好みの一冊がありますように。本でつながる想いをのせて、めぐりんは今日も走る。本屋、出版社などさまざまな「本の現場」を描く著者が贈る、ハートフル・ミステリ
(東京創元社HPより)
移動バスめぐりん。
運転手は、定年退職後に前運転手から紹介されて引き継いだ照岡久志65歳。
それと図書館司書の梅園菜緒子。
あまり人と会話するのが得意ではないテルさんが良い。
変に馴れ馴れしい人より好感が持てました。
ウメちゃんとのコンビもいいなぁ~。
そんな二人が乗りこみ巡回する移動図書館を待っている常連さんたち。
新たな利用者たちも加わって、そこに素敵な人間関係が出来て行く様子が
とても温かみがあって良かった。
特に、母親を病気で亡くして父親と共に団地に引っ越してきた中学生の杏奈を
温かく皆が見守る様子がジ~ンとした。
杏奈ちゃんも素敵な女の子。
後は、離婚後暫く会えていなかった息子を偶然、見つけたレストラン店主・森さん
の話も良かった。
表紙も温かみある絵でいい!
★★★
発行年月:2016年8月
父の転勤をきっかけに、親子四人はそれぞれに思い巡らす。家族と自分は、どっちが大事?
勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、犬吠の地方病院に飛ばされた父。
製薬会社に関係の深い実家を気にして、父についていこうとしない母。
都会暮らしが好きなのに、父をひとりにできなくて、ついていった僕。
お母さんを責めないで!と言いながら、密かに自分を責めていた妹。
たとえ自分は離れても、いつまでもそこにあってほしい、ぼく
たちの「家」。
それは、わがままだろうか。
(光文社HPより)
平山家4人の物語。
章ごとにそれぞれの主人公が変わり、それぞれの思いがわかる。
病院のミスを指摘したことで左遷された父親・滋について行った
小6で長男の史彰。
史彰はしっかりしてる!
彼が、この家族の絆を繋ぎとめたと言える。
この家族が離れていても、心は通じ合えていたのは、史彰が一緒に父親に
ついて行ったからこそだと思う。
中学受験もするつもりでいたのに、それを置いても自分が父親についていくことが
ベストだと判断したのは凄い!
そして、転校した先でもちゃんと良い人間関係を築いて
自分の将来やりたいことを見つけ、それを目指した進路を進んでいる。
父親は、自分の意志を通して左遷されたのだから、ある程度納得している
だろうし、母親も妹も自分の気持ちを先ず第一に考えていたのに。
それぞれの章で家族の思いがわかったけれど
母親の華奈は、やっぱりお嬢様気質なんだな・・・^^;
そんな母親の気持ちをも史彰は尊重して行動する。
史彰、すごいよ君は!と思った物語。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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