発行年月:2020年10月
この世に生を享け、大人になり、やがて老いるまでーー
ままならぬ心と体を描いた美しくも不穏な、極上の10の物語。
鏡に映る、顔のシミとポツポツ。
おそろいいのは、これは結果ではなく過程であるとしか思えないことだった。
「ママナラナイわね。お互いに」
斉藤尚弥は不動産会社に勤務する三十六歳。近頃、何もかもうまくいかない。
男性器も心も折れてしまい、おまけに仕事も絶不調ーー通称“川の家”と呼ばれる高台に
ある家に住む、夫婦への立ち退き交渉が難航していたのだ。
夫人によれば、立ち退きを強く拒否しているのは夫の方らしいのだが……。
夫人の協力を得て交渉を続けるうちに、やがて思いもよらない事実が判明しーー(表題作)。
(祥伝社HPより)
色々な年代の主人公たちが、ままならない状況に右往左往する様子が
面白かった。
表題作は最後まで読んで、この奥さん変な人~!!と思った。
振り回された感じの主人公だけど、まあ結果的には良かったじゃない?^m^
良かったのは、中2の男子が主人公の<約束>。
クラス対抗リレーのアンカーを渋々、引き受けて全くやる気なしだったのに
いざ本番になったら負けたくなくてがむしゃらに走り、3人抜いて1位でゴール。
一躍ヒーローに。
しかし、この人気を利用して生徒会長に立候補したらどうか?と好意を寄せる
女子を中心にした生徒たちに言われ、やる気はなかったのに、教師から
「おまえには生徒会長は無理。今の人気でなれるかもしれないが・・・
この際、副生徒会長に立候補するのはどうか?」と言われ腹が立ち、
そのことを選挙演説で暴露し、断固、教師のいうことは拒否すると。
盛り上がる生徒たち。
この後のことをあれこれ想像してしまう。
期待されると頑張っちゃう男の子が、かわいい!
表紙が、なんだか淫靡な雰囲気だったけど、内容的には、意外とあっさりで
面白かった。
この表紙の意図は何なんだ???
★★★
(祥伝社HPより)
色々な年代の主人公たちが、ままならない状況に右往左往する様子が
面白かった。
表題作は最後まで読んで、この奥さん変な人~!!と思った。
振り回された感じの主人公だけど、まあ結果的には良かったじゃない?^m^
良かったのは、中2の男子が主人公の<約束>。
クラス対抗リレーのアンカーを渋々、引き受けて全くやる気なしだったのに
いざ本番になったら負けたくなくてがむしゃらに走り、3人抜いて1位でゴール。
一躍ヒーローに。
しかし、この人気を利用して生徒会長に立候補したらどうか?と好意を寄せる
女子を中心にした生徒たちに言われ、やる気はなかったのに、教師から
「おまえには生徒会長は無理。今の人気でなれるかもしれないが・・・
この際、副生徒会長に立候補するのはどうか?」と言われ腹が立ち、
そのことを選挙演説で暴露し、断固、教師のいうことは拒否すると。
盛り上がる生徒たち。
この後のことをあれこれ想像してしまう。
期待されると頑張っちゃう男の子が、かわいい!
表紙が、なんだか淫靡な雰囲気だったけど、内容的には、意外とあっさりで
面白かった。
この表紙の意図は何なんだ???
★★★
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発行年月:2020年3月
日常がサスペンスに変わる――「殺人者」の存在を知ったから。
秘密を抱え離島に移住した夫婦とその友人。やがて謎が解けたとき、
景色はがらりと反転する。極上の長編小説。
(中央公論新社HPより)
東京のマンションから離島の家に引っ越す一組の夫婦と独身男性。
碇谷芳朗(76歳)・・・元骨董屋。テレビのお宝鑑定などで有名になった。
蕗子(70歳)・・・芳朗の妻。浮気相手を殺害したと夫に思われている。
野呂晴夫(70歳)・・・元小説家。島ではエッセイ教室を開き、受講生の諸田小夜と
親しい関係に。
仙崎みゆか・・・住み込みの家政婦として3人の食事などを中心に家事をする。
宙太・・・小学1年生
島に移住したのは、第二の人生を離島で過ごすのもいいかもと野呂が言い出し
夫妻もその話に乗ったもの。
しかし、芳朗は、自分の愛人を殺した蕗子を守るためにもそれに賛同。
蕗子もその点の話には合わせて会話している。
実際、殺人はあったのか?よくわからないが、最初は、殺人を犯したものと
読み進めていくので、夫婦が、みゆかの旧姓(浅江)を知り、愛人の娘だと勘違い
して話が進みときは、どうなるんだ???とちょっとドキドキ。
愛人の名前は石川アサエだと蕗子の語りで知り、ホッとした。
ゆみかは、野呂が若い時に離婚してわかれた息子の妻だと知る。
宙太は野呂にとっては孫。
ゆみかの夫であり野呂の息子は、自死していて、野呂は自分に何かしてあげられる
ことはなかったのか?と悔やんでいる。
それぞれ、心に影を持っているけれど、芳朗は認知症で蕗子のことも妻だと
わからなくなっていく。
夫と愛人の子が役者になって、島に来た時も胸中は複雑だと思うけど
芳朗を責めるでもなく。
でも妻であるとわからなくなっている蕗子の妻を愛していたか?の問いに
答えた言葉で少し救われたのかもね。
70も過ぎれば、もう色々なことがどうでもよくなるのかな?
この島で、みなで平穏に暮らせたらそれはそれで幸せなのかも。
まあまあ面白かった。
★★★
発行年月:2020年7月
「夫を亡くした女だと、彼には言わないで」「私が忘れないかぎり、あなたはいるのよ」(実日子) 「私はこの男にほんの少し欲情している」「夫が死んでほしいと思っているの」(まり) 愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女。おいしい料理教室を舞台にしたふたりの“妻”の孤独と冒険の物語。
(角川春樹事務所HPより)
ふたりの女性。
能海まり(38歳)・・・夫と二人暮らし。夫婦共に不動産鑑定士。まりは結婚後は
夫の秘書的役割。結婚してすぐのころは、幸せだったけれど、今は夫が嫌い。
園田実日子(38歳)・・・1年前に夫が病死。やっと前を向かなきゃと料理教室を
再開させる。
共通しているのは、夫がいないということ。
まりの場合は精神的な不在。
実日子の料理教室にお試しで通い始めたまり。
二人の会話のなかで、まりが「どっちが、かわいそうなのかな?」という。
こんなこと言うまりには嫌悪感。
実日子は、可愛そうな人ではないと思う。
愛する夫を亡くし、まだ完全に立ち直れてはいないけれど、それを支えてくれる
アシスタントのゆかりや、ゆかりの弟・勇介が近くにいる。
亡くなった夫の両親とも良い関係。
実日子は愛される人なんだなぁ~と思う。
反対に、まりは、夫のことが嫌いで死んでほしいと思っているなんて、口に出して
他の人に言うって、本当にかわいそうな人。
マッチングアプリで知り合った星野と良好な関係を築くのも、まあありかな?
と思っていたら、星野をも傷つける。
なんて身勝手な人なんだろう。
これじゃ、誰からも愛されないと思う。
実日子には幸せになって欲しいと強く思った!
ささ~っと読めて、面白かった。
★★★
発行年月:2019年11月
有夢と瑤子と海は幼馴染みの仲良し三人組。中学の合格祝いに買ってもらった自転車もお揃い、大好きなミュージシャンも同じリンド・リンディ。楽しいことはいつでも、三人一緒のはずだった。クラスであれが始まるまでは――。傷ついて、裏切って、追い出して、追い詰められて。少女たちの切実で繊細な魂にそっと寄り添う物語。
(新潮社HPより)
いじめの話。
中学生になって私立の女子中学に進学した幼馴染の3人。
ボス的存在のルエカに逆らった海はとたんにクラスから浮いた存在に。
ああ、くだらない。
でも、こういうことどこにもありそう。
虐める側の子どもって、結局、自分が満たされた環境に居ないんだなぁ~。
そう考えると、ルエカにもちょっと同情心が生まれるけど
誰かを自分のうっ憤の吐け口にするって駄目だよな~。
それより、海の母親が勤務する高齢者専用マンションでのいじめみたいな
話の方が気になった。
どこにでも何歳になっても、こんなことあるんだなと嫌になる。
でもこのおばあさん、素敵だと思う。
自立しているし前向き。
物語の終盤は、あっけなく希望を含んだものになっている。
夢が実現して皆でペルーもありなのか?
陰湿さが度を越していなかったから、まあまあ最後まで読めたけど
あまり面白くはなかったな(^^ゞ
★★★
発行年月:2019年2月
瀬戸内寂聴さん推薦
モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作!!
作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。――瀬戸内寂聴
人気作家の長内みはるは、講演旅行をきっかけに戦後派を代表する作家・白木篤郎と男女の関係になる。
一方、白木の妻である笙子は、夫の手あたり次第とも言える女性との淫行を黙認、夫婦として平穏な生活を保っていた。
だが、みはるにとって白木は肉体の関係だけに終わらず、<書くこと>による繋がりを深めることで、かけがえのない存在となっていく。
二人のあいだを行き来する白木だが、度を越した女性との交わりは止まることがない。
白木=鬼を通じて響き合う二人は、どこにたどりつくのか――。
父・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴の<特別な関係>に、はじめて光をあてた正真正銘の問題作にして、満を持して放つ著者の最高傑作!
(朝日新聞出版HPより)
読む前から結構、話題にはなっていました!
父親の不倫相手が瀬戸内寂聴さんで、そのことを書いた物語というんだから・・・
でも、全然、ドロドロしていない。
なんだか清々しい気持ちで読み終えた。
作家・白木篤郎とその妻・笙子。
篤郎の愛人・長内みはる。
それぞれの語りで物語は進む。
白木篤郎の妻・笙子に一番、共感するものがあった。
夫の女性関係に気づいても慌てず騒がず、平常のまま日々をやりくりする。
実際の心の中はどうだったのか?
文章を読む限りは、そんなにいらだったり不安がったりもしていない様子だけど。
一度だけ、篤郎のガンがわかる前に感情をむき出しにした時があったけど
夫が病気で弱ってからは、再び寄り添い支えた。
ガンにならなかったら、なにか変ったかもしれない。
寂聴さんが出家した原因は、著者の父親とのことを終わりにする目的も
あったんだと知って、ビックリ!
でも寂聴さんと著者との関係は、なんだか温かいものを感じるし
亡くなったご両親も、この小説を読んだら喜んでくれそう。
荒野さん、やはり素敵な作家さんだなぁ~。
益々、好きになりました!!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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