3.11後の夏。
伊豆の海を舞台に、ひとりの少女の心の
成長をみずみずしいタッチで描いた生命キラメク物語!
(出窓社HPより)
お友達から薦められた本。
舞台は伊東市八幡町。
著者自身がその土地に思い入れがある様子で、物語の主人公・太田翼(通称ツ-ちゃん)と同様
伊東の海を愛しているのがよ~く伝わって来た。
ツバサは、夏休みの自由研究に海女漁をテ-マにする。
父親は漁協に勤めていて海女保存会を作り、海女漁存続のために現役で海女漁をしているエツコ(通称:エッちゃん)に後進を育てるための手助けをして欲しいと交渉中。
しかし、エツコには、30年前、哀しい事故の経験があった。
海女漁で娘を亡くしている。
そして、その漁のとき船に居たのはツバサの祖父であった。
辛いことがあったけれど、今は70を過ぎたけれど漁を続けているエツコ。
ツバサの自由研究にも協力してくれる。
海の話を沢山してくれて、物言いが優しい。
海で知り合った高校生の小川アツコとの出会いもツバサを大きく成長させてくれた。
アツコは環境問題を学ぶために大学に行くと言い、学んだことをこの伊東の海を守ることに役立てたいと思っている。
アツコの先輩のマサルも海洋大学で栽培漁業について勉強しているという。
地元を愛し、自分がそこの環境を守っていくために何が出来るか?を真剣に考えて
行動している若者ばかりが登場する。
これは若者に読んで欲しい!
と著者が強く思って書かれたんだろうな。
磯焼けという言葉、恥ずかしながら初めて知りました。
物語のなかで、ツバサの小学生の弟が「海草が枯れちゃうことだよ」みたいな話をしてましたが
今の小学校では、習っていることなのかな?
日本全国の海で問題になっていることらしいけど、原因がはっきりせず、対策を立てるのが難しいとか。
読んでいて、勉強になることも多かったし
一人の少女の成長を描いた物語としても、とてもよかった!
3.11のことも触れて東北に暮らす人のことは、ずっと忘れず意識し続けていかなくてはいけないとも思った。
ササッと読めるのに、すごく内容の濃い1冊でした!!
多くの人に読まれるべき本です!!
とりあえず、家族に薦めてみよう。
信長亡きあと、清須城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。
猪突猛進な柴田勝家、用意周到な羽紫秀吉。
「情」と「利」の間で、どちらに付くか迷う、丹羽長秀、池田恒興ら武将たち。
愛憎を抱えながら、陰でじっと見守る、お市、寧、松姫ら女たち。
キャスティング・ボートを握るのは、誰なのか?
歴史の裏の思惑が、今、明かされる。
(幻冬舎HPより)
これは映画化が決まっているようですね。
清須城で開かれた信長亡きあとの織田家をどうするか?の会議の様子に焦点を当てての物語。
信長の後継者は誰?
長男・信忠は既に亡き者。
次男・信雄か、三男・信孝か?
出来の良さでは三男・信孝だが・・・・
そこにはいろいろな思惑が絡み、統一した意見にはならず。
信雄を後継者にし、その後見人として名乗りを上げる羽柴秀吉に対するは
信孝を後継者にし、その後見人として名乗りを上げる柴田勝家。
両者の心理作戦に加えて、それを見守る織田家の面々。
それから・・・信長の妹・お市。
三谷氏にかかるとこうも可笑しくなるのか?
感心するやら呆れるやら。。。。。
表紙の絵もスマホ片手だからね~^^;
でも面白い。
特にお市の心の声がいい!!
秀吉を憎んで、どうしたら懲らしめてやれるか考えた末の柴田勝家に嫁ぐ場面は、凄いな。
秀吉が悔しがるエピソ-ドも可笑しい。
史実を知った上で楽しむのにはいいかも。
映画はあまり興味ないけれど・・・・^^;
★★★
女子中学生、鷹匠(たかじょう)になる!
九州の空を舞台に、生きる気流をつかむ青春小説
飛べない鷹と不器用な少女、「帆翔(はんしょう)」できる日はきっとくる
風を切って上昇気流に乗ってどこまでも高く飛んでいく。見えない風をつかまえて、かぎりなく空に近づいていく。どこまで飛ばせば、見えるだろうか。
(講談社HPより)
主人公は中学生の女の子・葉山理央。
両親とマンションで住んでいる。
理央には哀しい出来事があった。
親友の遥が一緒に下校していて分かれた直後、交通事故により亡くなってしまった。
その直前、ペットショップで鳥のヒナを見て、あのヒナがどんな鳥になっていくのか見に来ようと約束した。
そして、1年ぶりにペットショップに来て、立派に成長した鷹を見つける。
鷹を飼いたい!理央の申し出を受け入れる両親。
普通ならもっと躊躇しそうだけれど・・・・親友を亡くし精神的に参っている娘が変わるキッカケになるのならと思ったのでしょう。
結局、鷹はマンションでは都合が悪く、お寺の息子で幼馴染の上田康太の庭先で飼わせて貰う。
康太は普段は明るくお茶目だけどお寺の子らしく、時々、説法を口にする。
それが結構、良いこと言うので、「おぉ~」と感心してしまう。
康太は4歳のとき、お寺に養子に来た子で実母は離れた場所にいる。
理央と康太・・・良い友達同士だなぁ~と思っていたら・・・康太のことが好きな女の子・舞子が後半、登場。
2人の友情が変な風になるとイヤだなと思っていたけど、全くそういうことはなく・・・^^;
舞子も鷹の世話を手伝ったりで、3人になっても良いかんじ。
みんな素直で良い子でした(^^)
次第に鷹匠になりたいと思う理央。
実際に鷹匠として害鳥駆除にも貢献しているという高校生・平橋美咲を訪ね、いろいろ指導を仰ぐ。
著者のあとがきにあったけど、そんな女子高校生が実際に居て、その方に会って鷹の魅力、鷹匠の魅力を感じこの物語が生まれたそう。
知らなかったいろいろなことが学べる書でもありました。
そして、鷹のモコと理央の心が通じあっているから起こしたラストのモコの飛翔は感動でした!!
今回も画家の金子 恵さんの表紙絵、素敵です♪
★★★★★
きっとまばゆい明日が待っているから。
「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、
家系に伝わる理不尽な"掟"に苦悩する有名女優、
無銭飲食の罪を着せられた中二男子……
森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。
(角川書店HPより)
2000年から2012年まで、いろいろなテ-マで書いた9つの短編集。
どの話も良かった♪
最初の「ウエルカムの小部屋」からクスリ^m^
主人公の女性は、誰もが羨む婚約者がいたのに破談になり、結婚したのは自称発明家の夫。
夫婦の会話が笑える。
そして、その結婚も破綻するのだが・・・・・
トイレ=ウエルカムの小部屋・・・・その例えが可笑しくもあり哀しいお話でした。
一番好きだったのは、「ブレノワ-ル」。
フランスのブルタ-ニュ地方出身の男が主人公。
男は故郷の親戚たちが信心深く昔から受け継がれる因習に辟易し、故郷を飛び出してパリの二つ星レストランで働いていた。
そして、自分自身も融通が利かない性格のため多くの女性と付き合うが最後は愛想を尽かされていた。
が、初めて同志と呼べる女性・サラと出会う。
サラも同じ地方出身であったことから、とんとん拍子に結婚。二人で故郷に帰ることに。
そして、今まで自分が煩わしいと感じていた慣習だが、そこには母親の息子に対する深い愛があったのだと知る。
母親ってそういうものなのよね~としみじみした気持ちになりました。
表題作「気分上々」は一番最後にありました。
中学2年生の男子が主人公。
この頃の男子って・・・・・バカっぽくて愛らしい(笑)。
こちらも気分上々にさせて貰いました♪
楽しい短編集でした(^^)
★★★
工業高校機械科1年唯一の女子、冷たく熱い鉄の塊に挑む!
めざせ「ものづくり」の真髄!!
「高校生ものづくりコンテスト」旋盤青春物語。
「高校生ものづくりコンテスト」とは……
全国の工業高校生の精鋭たちが、技術・技能を競い合う大会。「高校生技能五輪」「ものづくり甲子園」などとも呼ばれ、日本の高校生による「ものづくり」の頂点をめざす大会として注目を集めている。
(講談社HPより)
主人公の女子高校生・三郷心の成長物語というかんじかな?
祖父は三年前に亡くなったが、工場(三郷金属工業)をつくり、最盛期には30人以上の職人を雇っていた。
祖父の旋盤の技術は、広く高評価されていた。
が・・・時代の流れか工場は経営が立ち行かなくなってしまった。
心労の末、病に倒れ亡くなった祖父。
祖父の職人魂を見守り続けた、祖母が時折、心に語る言葉が温かい。
旋盤よりコンピュ-タ-を扱う仕事に興味があった心だが、学校の先生からの勧めで「ものづくりコンテスト」に参加することを目標に頑張る。
最初は、渋々。
一緒にコンテストに臨む先輩・原口との間にも信頼関係が生まれ、今まで自分が見えてなかったものに気づいていく心。
工業高校の女子って、やはり特殊なんだろうなぁ~。
でも、ものづくりが好きで、技術を磨いて将来はそれを活かした仕事をしたいと想っているのは男子と同じなんだろうな。
清清しい青春小説でした♪
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;