発行年月:2014年3月
ファッション誌の編集者になる!という夢を抱えて出版社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)が配属されたのは校閲部だった! 担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとした事件が巻き起こり……!?
読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ☆
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憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、 激戦の出版社の入社試験を突破し 総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。
入社して2年目、苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々。 「こんなところ早く抜け出してやる」とばかりに口が悪い演技をしているが、 段々自分の本性がナマイキな女子であるような錯覚に陥ってくる毎日だ。
そして悦子の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルや事件が巻き起こり……!?
(メディアファクイトリーHPより)
今まで文芸編集者のお仕事小説は幾つか読んだけれど、校閲のお仕事小説は初めてだったので、
仕事の内容も非常に興味深かった。
国語力がないと務まらないお仕事ですね~。
いや、大変そうだわ!
そんな校閲部に入社以来配属されて2年の河野悦子24歳が主人公。
ふつう校閲担当者は、担当した作家さんの前に姿を現すことはないそうだけど、
悦子の場合、みんなと会っちゃうのが可笑しい。
そして、結構、私生活の方でも関わることになって・・・。
早く校閲部を抜け出し、元々希望だったファッション雑誌の編集に関わりたいと願って
わざと口が悪いキャラで上司や作家に接するけれど、それが意外にも受け入れられちゃう。
元々、良い人なんだろうなぁ~。
嫌だといいながらも、しっかり校閲の仕事はこなしているし、
結構、担当の作家さんからも頼られたりして。
文芸部で働く東大文学部出身の藤岩とのやりとりも楽しかった。
お仕事小説は、はずれがないな。
途中にあった、登場する作家さんたちが書いた文章もユニークで楽しめた。
是永是之の文章、なんじゃこりゃ?だけど、意外と好き。
クールに振る舞うムール貝・・・このゴロ合わせ最高♪
★★★
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発行年月:2014年4月
成績優秀、容姿端麗なエンドーくんて何者?
創立99周年を迎える市立緑山中学校の職員室を舞台に、14歳という繊細で多感な年齢の子どもたちと日々真剣に向きあう中学2年担任教師たちの姿を描く。
そして、伝説のヒーローとして代々語りつがれる「エンドーくん」が、なぜ伝説になったのか? その秘密が、創立100周年記念式典で明かされる。
坪田譲治文学賞作家、まはら三桃の最新作。
(小学館HPより)
教師たちが主人公の連作小説。
市立緑山中学校に40年ほど前から伝わる伝説のヒーロー「エンドーくん」。
緑山中学の卒業生で、成績優秀、スポーツ万能、性格は優しく正義感が強く
イケメンで背も高い無敵の人物だったとか。
校内にはエンドーくんにまつわる落書きが多数存在。
消してもまた書かれるため今では教師も黙認。
しかも教師がその落書きの言葉に勇気づけられたりする。
いろいろな教師が登場するけれど、先生たちもいろいろな悩みを抱えて
大変な仕事だなぁ~と改めて感じた。
最後に伝説のヒーローの正体が明かされるけれど、それは薄々、途中で気づくこと。
けれど、わかっていても嬉しい最後のシーンでした♪
あとがきを読んでまた感動。
著者のまはらさんの中に印象深い先生が記憶にあって、こういうお話が
出来たんですね~。
わたしには、あまり良い印象が残っている先生が居ないけれど・・・^^;
素敵なお話でした!!
★★★★★
発行年月:2014年2月
彼女たちを「違う世界」へ連れて行ってくれる〈街に溢れる魔法の言葉〉、
それは――『スタッキング可能』で話題の松田青子が贈る、待望の第2作品集
(河出書房新社HPより)
表題作を含む6編からなる1冊。
表題作<英子の森>は割と長め。
高崎英子は、父親は亡くなり、母親と周りが森の家で暮らす。
幼い頃から、英会話スクールに通わせてもらい、学生の時にはオーストラリアに
1年間、短期留学もさせてもらった。
そして、現在は、英語を活かせる仕事を契約会社から斡旋してもらったり、
自ら応募したりの生活。
英語は話せるとは、どこまでのことを言うのか?英子は悩む。
英語が少し話せるからと言って恵まれた環境で、それを活かして仕事するって
なかなか大変なんだと感じた。
一般の事務と時給の差が50円だったり・・・・。
英文学科卒の著者だからこそ、書ける話でしょうかね~。
他は短い話。
<*写真はイメージです>
<おにいさんがこわい>
<スカートの上のABC>
<博士と助手>
<わたしはお医者さま?>
<博士と助手>は、流行のSNSで交わされる若者の言葉を研究している博士とその助手。
なるほど、言われてみればそうかも。
SNSで交わされる言葉って、日常交わされる言葉より、少しオーバーだったりするかもね。
だから、それが元で知り合い同士だったりすると、関係が歪んじゃったり。
若い作家さんだからこそ、書ける面白い話だなぁ~と思った。
ちょっと不思議だったり、怖かったりの要素も、読んでいるとクセになる。
違う本も読んでみたい!
★★★★★
発行年月:2013年12月
少年のまっすぐな憤怒が眩しい<プリン三部作>と
繊細にして骨のある30代女子のゆれる日々を描いた中編二篇所収
(文藝春秋HPより)
少年三部作は
<少年とプリン>
6年3組の給食は何故か時々不足する。
今日はプリンが1個足りず、担任の女教師がブチ切れ犯人扱いされた
少年は怒り言い返す
<老人とアイロン>
進路調査のアンケートに「アイロン師になりたい」と書いた中学2年の少年。
それを同居の男からダメだしされて口論。
<ア・ラ・モード>
プリン・ア・ラ・モードが食べたくて注文したのに「ア・ラ・モードならあります」と
言われ心のなかに怒りを感じながらも、承諾する少年。
この3部作の少年は同一人物だろうか?
プリン好きなことで考えると、同一人物かなぁ~?
なんともユーモラスな話で、クスッと笑えた。
ほか2編は、東日本大震災を経験した者たちの話。
<あの日以来>
親戚夫婦が海外移住をしたので、その一軒家に旧友とその知り合いと女3人で
共同生活を始める私。
そして震災が起き・・・
旧友の知り合いは離婚前の夫の元に戻るが、再び帰って来て、私は東北にボランティアに
行った恋人(勤め先のカフェのオーナー兼店長)から「こちらで落ち着こうと思う。いっしょに
やらないか?」と言われ迷う。
<漁師の愛人>
震災後、サラリーマンから漁師になると故郷に戻った恋人と一緒についてきた私。
恋人にはまだ離婚していない妻子がいるが、別居していて夫婦の関係は壊れている。
わたしは「二号丸」と陰で呼ばれている。
2つの話の主人公は女性。
今の生活をこのまま続けていくべきか?多少悩みつつも、周りの人たちとの
関わりを通じて自分の進む道を決心したような話で、読後感が良かった。
どの話も面白く読めた。
★★★
発行年月:2013年4月
良いニュースと悪いニュースがある。
多崎つくるにとって駅をつくることは、
心を世界につなぎとめておくための営みだった。
あるポイントまでは……。
(文藝春秋HPより)
色彩を持たない多崎つくる。
高校時代は名古屋。そして大学進学のため東京へ。
高校時代に仲の良かった4人に突如言われた絶縁宣言。
わけもわからず受け入れ、進学のために東京へ。
残りの4人は名古屋市内で進学。
そして、つくるは、死ぬことばかりを考えるように。
原因はやはり高校時代の友人たちから受けた仕打ちか?
四人は男子2人に女子2人。
男子・・・赤松、青海
女子・・・白根、黒埜
つくるだけ名前に「色」を持たない。
そして、性格上にも色彩が希薄だと思っていた。
成人して36歳になった、つくるは、東京の電鉄会社に勤務している。駅をつくることに携わっている。
死にたいと思っていた時期をなんとか乗り越えた。
そして2つ年上の沙羅に出会い、高校時代の友人のことを話す。
彼女は4人の現在の近況を調べ、それを機に、つくるは彼らに会いにいく。
つくるにとって、沙羅と出会ったことは幸運でした!!
彼らに会いに行き、何故、自分は縁を切られたのか?長年の疑問をぶつける。
そして、わかったこと。
なるほど・・・そいいう事情でしたか?
その為に、つくるは死を考えるまで精神的に追い詰められたのか?
もうちょい、誰か何とかフォロ-してあげてよ!!(怒)
話としては、まあ面白かったけど、ちょっとつくるが気の毒。
でも、これからは、たぶん、明るい未来が待っているはず!!
頑張れ、つくる!!
文章は、やはり独特。
村上作品を読んでる感に浸れました。
こう感じさせるのはさすがだな・・・。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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