発行年月:2013年7月
ちょっとおかしな新シリーズ始動!
いまや事業認定された超能力で、所長の増山ほか、
能力も見た目も凸凹な5人の所員が、浮気調査や家出人探しなど依頼人の相談を解決!
(文藝春秋HPより)
所長の増山圭太郎はじめ
事務所開設当初から事務員として働く元蕎麦やの朋江、
独身組は、所長と不倫関係にあるという噂の悦子、中井、やっと最近超能力師2級を
取った高原篤志。
そして、新人の明美(本当は男?)
個性的な事務所のメンバ-。
依頼主からの仕事を超能力によって解決していく。
浮気調査、家出人の捜索、勤め先の同僚の所在確認、ポルタ-ガイストなど。
事件絡みの依頼は、警察官から変死体の遺留品からさぐる事件の真相究明。
調査活動をしながら、事務所メンバ-の過去のこともいろいろわかってきて
これからもこの事務所メンバ-の活躍を見守りたいなぁ~と思い
続編がまた読みたいな~と思える物語でした。
誉田さんの新たなシリ-ズ始動と文藝春秋のHPにあったから
続編は期待出来そうかな?
所長の増山の妻・文乃とのことが最後に書かれていましたが、
もう少し、詳しく現在の様子なんかも知りたいな。
しかし、特殊な人ばかりが集まるこの事務所内の人間関係って
かなりややこしくなりそう。
超能力って、凄い力だけれど、持っていてると神経磨り減りそう。
独身組のメンバ-が良い人と巡り遇うような話も今後は読みたいな。
★★★
あなた、ブルーマーダーを知ってる?
この街を牛耳っている、怪物のことよ。
姫川玲子。
常に彼女とともに捜査にあたっていた菊田和男。
『インビジブルレイン』で玲子とコンビを組んだベテラン刑事・下井。
そして、悪徳脱法刑事・ガンテツ。
謎めいた連続殺人事件。殺意は、刑事たちにも牙をむきはじめる。
超人気シリーズ、緊迫の新展開!
(光文社HPより)
姫川玲子シリ-ズと言えば・・・・玲子と菊田の恋の行方は?と
凄惨な事件よりも正直、そちらが気になる・・・笑
今回も犯人の行う殺人場面は、惨い。
でも、その相手は堅気な人ではなく闇で動く人たちなので、描写は惨いけれど、さほど嫌なかんじはない。
そして気になった、菊田と姫川の関係は・・・・
え?菊田結婚したのぉ~!?
驚いたけれど、二人に結婚なんて俗な結びつきは要らないのかも。
お互いがかけがいのない存在と思っていることは確か。
それを今まではそれぞれが秘めていたけれど、認め合ったかんじ。
菊田の妻・梓は、複雑な心境に今後なりそうだな・・・。
玲子とコンビを組むガンテツは、前は嫌なかんじばかりが目立ったけれど
玲子のことをある意味、よ~く分かっている人かも。
二人の会話もテンポよくて面白いし・・・。
でも、やはりまた姫川班で仕事をする菊田の姿も読みたいなぁ~。
巻末の参考文献に
竹内結子が書いた『たけうちマルシェ 心に届くおいしいさしいれ102』とあった。
物語中で玲子が菊田に差し入れするマンゴ-プリンが、この中にあるんだろうな。
誉田さんの粋な遊び心でしょうね。・・・・^m^
★★★★
日本の未来を救う!?
コメから採れる新燃料を求め、
農業知識ゼロの24歳女子が単身農村へ。
果たして新エネルギーは獲得出来るのか?
(中央公論新社HPより)
面白かったなぁ~。
東京のガラス機器メ-カ-で働く瀬野梢恵(24歳)は、
仕事にやる気が出ない状態。
なんとか毎朝、自分の気持ちを鼓舞させて出勤していた。
そんな梢恵に社長が突然、自身が開発した
バイオエタノ-ル製造装置を使うにあたり
バイオエタノ-ル用の安い米を作付けを頼んで来いという。
任務完了までは長期出張扱いにするという。
そして、長野県へ。
農家を訪ねいきなりバイオエタノ-ルのための米を
作ってくれないか?と言ったところで誰にも相手にされない梢恵。
そんなとき、農業法人「あぐもぐ」を訪ねてみたら?と言われ
社長の安岡茂樹の家に。
最初に対応してくれた茂樹の妻・君江は優しく親切に話を聞いてくれたが・・・
茂樹にはキツイ言葉を投げかけられる。
しかし、自分の会社のやろうとしている意図を熱心に語り、
先ずは農業を一から学べと言われ、住み込みで農業体験をすることに。
農業は大変だという認識しかなかったけれど、
こうして物語を読んでいくと自分が関わったことが形になって、
最後は収穫という喜び、それを実際に食すことが出来るって、
素晴らしいことだな~と思った。
小説なので、本当に辛いことはサラッと書かれているんだろうけれど・・・・
こういう小説を若者が読んで農業をこれからの自分が学ぶ選択肢のなかに
入れてくれたら素晴らしいかも。
3.11の震災の話も出てきて、福島県の農家の皆さんの苦悩が少し理解できた。
震災のことをまたこうして物語から深く考えさせられた。
忘れたらいけないことですね・・・・。
東京の片山製作所の社長さんも素敵な人でした!
梢恵のことをよ~く考えて長野に行かることで、梢恵が変わるのでは?
と最初からある程度予測していたのかも。
実際、梢恵は農業の面白さに目覚めたみたいで、
きっと長野でこれからも生きて行くんだろうな。
表題の意味もよくわかりました!!
美味しいお米、野菜、一生懸命育ててくれた人がいるから、
わたしたちがいただけるんですね。
当たり前のことも思い出させてもらいました!!
誉田さん、幅広い分野の話を届けてくれますね~(^^)
★★★★★
拉致監禁。両手親指切断。強姦、そして扼殺。
あまりに残虐な殺人事件が世間を賑わせているとき、
ひとりの女子高生が俺の前に現れた。
「たぶん、私犯人を知ってる」。
『ストロベリーナイト』の著者がおくる渾身の恋愛ホラーサスペンス。
(集英社HPより)
なかなか面白い設定の話でした。
連続して起きる若い女性を拉致して強姦して扼殺するという残虐な描写が怖かった。
ここまで詳細な描写は欲しいのかな?
こういう女性が被害者になる暴力的シ-ンが過激なのがちょっと苦手^^;
物語の冒頭のプロロ-グでは殺人罪に問われている曾根崎栄治が弁護士・佐伯と面談中の描写。
そして、曾根崎を中心としての物語が展開されていく。
曾根崎が営む興信所に高校3年生だという民代が訪ねてくるところから始まる。
民代はある人物を二人探してほしいと。
その人物を探せば、巷で騒がれている連続殺人を止めることが出来るかも?
なぜ高校生が、そんな依頼をするのか??
謎は段々にわかってきて・・・・・・・・
殺人を犯す理由には驚き!
これはSF的な話だったんですね~。
しかし、殺人はやはり身勝手としか言えない。
いろんな人物がどんどん出て来るけれど・・・後半少しずつ繋がっていく。
しかし、メモを取りながらでないと混乱してくるかんじ。
この子はこの人の魂を受け継いでいて・・・・・・・この子は・・・・・・・。
そして、曾根崎栄治が犯した殺人の経緯がわかる。
う~ん。切ない・・・(/_;)
全体を読んでから、プロロ-グとエピロ-グだけをもう一度読んだら
泣けて来ます(;O;)
最後はちょっと明るめのかんじで終わっていたけど、後味悪いかんじ。
物語としては面白いのかもしれないけど・・・・あまり好きじゃない。
これは神の悪戯か、一冊の本が狂わす人間の運命----
表題作をはじめ、万華鏡の如く広がる七つの小説世界。
引き込まれるストーリー、予想外の結末!
『ジウ』『ストロベリーナイト』で大人気の著者が贈る傑作小説集。
(中央公論新社HPより)
7つの短編集
「帰省」
「贖罪の地」
「天使のレシ-ト」
「あなたの本」
「見守ることしかできなくて」
「最後の街」
「交番勤務の宇宙人」
最初の2つ「帰省」と「贖罪の地」は、ちょっと不気味な話で、イヤ~な雰囲気に包まれるようなかんじ。
「天使のレシ-ト」と「あなたの本」は、不思議な話。
明るい話ではなく、最後にちょっとゾッとする。
「見守ることしかできなくて」と「最後の街」は、最後におぉ~とちょっと感動。
「交番勤務の宇宙人」これが一番、気に入った!
面白い設定で場面を頭のなかで想像すると可笑しい。
宇宙人が地球の交番勤務なんて・・・・最高~!!
ひとつひとつには、すごい感動とかないけど、よくもいろんな雰囲気の話が思いつくものだということには感心しちゃう。
長編の方が、いいけどたまには、こんな遊び感覚の作品もいいか?
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;