発行年月:2002年5月
全選考委員絶賛の、第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作
脳死状態にありながら、月夜の晩に限り意思伝達装置を使って話をすることのできる少女・葉月。彼女は、自
(角川書店HPより)
初めて読んだ作家さん。
名前はなんとなく知っていたけれど、これがデビュー作とは!
脳死状態にありながら、自分の臓器を与えたいと望む葉月。
彼女の希望を叶えるため芥圭一郎医師は、その手伝いをしてくれる者の前に現れる。
暴走族幹部の高校生・高村昴。
昴は、臓器移植が必要な人たちに接触し必要な臓器を運ぶ。
第4章、5章がやはり印象的。
昴と葉月の接点が明かされる。
なんだか切ない二人の境遇。
葉月がまだ意識があったとき、出会っていたら、もしかしたら何かが変わっていたかも
しれないのに・・・・。
昴と兄のこの後の生き方が、良い方向に向かうといいな。
他の作品も読んでみたくなる作家さん!
★★★★
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発行年月:2015年7月
戦後70年、命の重さを問う渾身の人間賛歌
ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。
そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。
やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。
(小学館HPより)
ブラック企業で理不尽な目に遭う八重樫達希。
上司から命令的に言われた売上の水増し報告が問題に。
消費者金融から借金して自腹で補填したのに・・・
自身の生活は困窮に、精神的にも追い詰められて投身自殺を図る。
ああ、悲惨な話だな・・・と思ったら・・・・15年前の病死した祖父・勉が現れ
死ななかった。
助けた代わりに人探しをしてほしいと頼まれ、一緒にその人が居るであろう
ボルネオ島に。
そこでNPO活動をしている高校生・城垣澤雪音と知り合う。
雪音の父親は政治家で不登校になった雪音に言われてここに来たという。
そして死んだ人が見え、あの世とこの世を繋いでしまう力があるという。
祖父の探し人は石野紀代子。
そして祖父・勉の戦争体験の話に移る。
紀代子は、島で農作業に従事していたとき知り合った夫婦の娘。
ボルネオ島のポンテアナ事件のことはこの小説で知りました。
そんな惨い事件があったとは。
祖父のずっと抱えて来た苦悩がわかってなんとも言えない気持ちになった。
戦争はやはり惨い。
惨いことしか起こらない。
勉と共に旅をして、達希自身の考え方も変わって行く。
自分を陥れた企業と闘うことに決めた姿は以前とは別人のよう。
達希の両親も素晴らしい。
なんとか、この先の人生を素晴らしいものにしていって欲しいなぁ~。
読み応えあって凄く良かった!
他の作品も是非、読みたい!
★★★★
発行年月:2016年7月
あの子がいない――。山口妙子の娘、琴美が行方不明になった。パートが長引いて幼稚園のお迎えが遅れ、友達のお母さんが一緒に連れ帰ってくれたのだが……。公園で遊んでいて琴美だけが忽然といなくなってしまった。目撃情報はなく、警察の捜査も行き詰まり――山口家は琴美を捜し続け、行方につながる糸を一本ずつたぐりよせる。そしてついにたどりついた真相とは。家族の形を問う衝撃のサスペンス。
(双葉社HPより)
決まった時間にお迎えに行けなかった母親。
子どもが一緒に遊びたがったからと一緒に連れ帰って公園で遊ばせて
いるうちに子ども達を見失った母親。
あの時こうしていたら。。。。と後悔ばかりの日々。
辛いでしょうね。
それぞれ。
捜索しても全く手がかりなしで随分年数が経って・・・
場面がいきなり違うところに飛んだので、この人たちがどう行方不明の
女の子と関わってくるんだろう?と思いながら読んだ。
そして・・・
ああ、この父親も辛かっただろうな。
でも幾ら亡くなった娘に似ていたからと連れ帰ったら犯罪。
でもラスト、行方不明だった女の子が実の親たちの前に現れて
ここから新たな家族の物語が始まるんだな~と思えてホッととした。
★★★
発行年月:2011年7月
自分を中学一年生だと思い込む祖母。父と別居中の母。
入学早々失敗した私。
三人の人生のつまずきに、祖母のある言葉が絡み合い、
切なく悲しい過去がよみがえる??。
感動長編ミステリー。
(幻冬舎HPより)
ほしおさん、前回読んだ「活版印刷三日月堂」が凄く好きなかんじだったので
こちらの過去作品も読んでみました。
やはり、いいですね。
文章がすらすら読めます。
主人公は中学受験を経て、祖母の母校でもあるミッション系の
望桜学園に進学した都築夏草。
入学後、なんとなく周りの雰囲気に馴染めず、あることを機に陰湿な
いじめに遭ってしまう。
入学前には、3.11があったり、両親が別居中とか、問題があれこれ絡んできます。
けれど・・・どれも自然の流れのなかのことで、唯一、自分を理解してくれる
友だち戸倉千波の存在もあって絶望感からは脱出する。
そして、大きな出来事・・・・祖母が倒れて入院。意識不明からは脱するけれど
記憶が混乱して自分を中学1年生と思いこむ。
そんな祖母を温かく見守る夏草と母の木の実。
3人の関係が素敵でした。
祖母がどうして中学1年生の記憶を強く残しているのか?
その疑問から夏草は祖母の過去を調べていき、初めて知った祖母の過去。
この辺りの謎解きには、切ないものがありました。
祖母・夕子さんの手紙は長かったけど、じ~んとしました。
そして、夕子さんは息を引き取りますが、その前に一時意識が戻り
学圓時代の相馬先生と面会出来て、本当に良かった。
別居中の夏草の両親もお互いの良きところを再び見つめ直す機会ができ、
明るい未来が見えそうな結末が物語を気持ちよく読み終えることに繋がった。
いいですね、ほしおさん!
他の未読作品もどんどん読みたいと思います。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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