発行年月:2019年9月
仕事じゃなくても輝ける、いつもの景色が違って見える――
人生後半戦を迎える男たちの、まさかの新しいステージは、
おじさんたちだけの社交ダンス!
中年世代を熱くする、出会いと躍動の物語。
(中央公論新社HPより)
表紙のおじさんたちの物語。
社交ダンスの講師は、米山信也。
妻(ダンスのパートナーでもあった)を半年前に亡くし、何事にもやる気が沸かない。
生徒の面々。
田中武士・・・60歳で定年退職。何となく体調が優れず、妻に勧められ
受診し、医師から社交ダンスを勧められる。
川端諒一・・・51歳。商事会社の部長。子どもはいない。
妻も働いていて、自分より会社の地位は高い、
大塚正彦・・・町工場の社長。IT会社を辞めた息子(25歳)が一緒に働くが
何となく息子とはうまくかない。
おじさんたち、それぞれが社交ダンスを通じて、新しい人間関係を築き、
そういう生活の変化がそれぞれの生活でも良い変化を起こすというかんじ。
読んでいて楽しかった!
★★★
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発行年月:2018年9月
1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。
ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、
ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。
米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。
しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――
ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
(筑摩書房HPより)
ヒットラーが自殺したあとのドイツって、こういうかんじだったんだ~。
と物語を読んで初めて知ることに驚く。
今まで虐げられていた人たちが、今度は虐げていたもの同じように虐げる。
そういうことがとても哀しい。
物語は17歳のアウグステの現在と幼い頃の家族とのことを交互に書く。
アウグステの両親は、打倒政府を叫ぶ共産主義者。
特に父親はその活動に積極的。
それゆえ、政府によって死に追いやられる。
現在のアウグステは、かつて自分を匿ってくれた恩人でもあるチェロ演奏家の
クルストフの死をその甥であるエーリヒに知らせるため、見知らぬ地まで
向かう。
途中、そのあたりの地理に詳しいユダヤ人のカフカと知り合い一緒に
目的地まで向かう。
読みながら、甥に死を知らせる目的のためにこんな苦労をなぜする?と
疑問に思ったが・・・なるほど!
そういうことか!
それは知らせてあげるべきことでしょうね。
アウグステの勇敢さ、優しさが、つらい時代背景のなかで輝いていた。
参考文献の多さにびっくり!
日本人の作家がこの物語を完成させるのはさぞ、大変だったでしょうね~。
文句なしにこれは最高の1冊です!!
★★★★★
発行年月:2019年1月
北沢藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて家を出た。十年ぶりに実家に戻ると、男にだらしない母と、お金にがめつい祖母がうら寂しく暮らしていた。隣に住む幼馴染の馬場美代子は家族を見送り、今は祖父をひとりで看ている。介護に尽くす彼女は、孝行娘とあがめられているが、介護が終わったその先はどうやって生きていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家には、世間を震撼させるおぞましい秘密が隠されていた。
原田ひ香が、満を持して挑む、堕ちていく女の果ての果て。
(光文社HPより)
最初の方は、離婚して独りで頑張る主人公の藍を応援する気持ちで読んでいた。
けれど。。。実家に戻り、母と祖母との3人の暮らしになってからは・・・。
隣家の馬場美代子が、関わって更に・・・・。
馬場美代子、恐ろしい。
そんな美代子に関わってしまった藍は災難といえば災難かも。
桐野夏生の「OUT」に似た部分もあるけど、あちらは何かあっけらかんとした
潔さとも思えるものがあって、読後感はそんなに悪くなかったけど
こちらは、どんより重たい気分になってしまう。
社会問題(介護、生活保護)が絡んでいて、他人事じゃないと感じるからかも。
★★★
発行年月:2018年11月
最期を見据えた生き様から光を得る人生賛歌
舞台は、美しくもありときに恐ろしい顔を見せる海と島。3人のおじいさん=ジイの生き抜く姿と,そのジイから思いを受け取る人々の心模様をときに温かくときに激しくときに静かな筆致で描ききります。全3編の物語。
〇海神~わだつみ
いじめが原因で不登校になってしまった小学四年生の優生。ある日、父の依頼で瀬戸内の島に暮らす曾祖父を訪ねることになる。死期が近いはずの曾祖父・清次は、病人とは思えないほど元気に優生らを案内し、饒舌に振る舞う。その後入院となった曾祖父と優生が交わした二人だけの約束とは……。
〇夕凪~ゆうなぎ
70代後半の老医師とそのクリニックに20年以上勤め、支え続けてきた48歳看護師の女性。ある日、クリニックを閉院すると宣言した後老医師が失踪する。必死で探す看護師の女性が行き着いたのは瀬戸内の島。もう戻らない、と告げる老医師の覚悟とは。静謐でほのかに温もる大人の慕情。
〇波光~はこう
すべてを陸上競技に捧げて生きてきたが、怪我により人生どん底になってしまった澪二。センター試験を前に逃げるように子供の頃訪れていた島にある祖父の家へ。石の博物館のリニューアルオープンの準備を手伝ううちに、今まで知り得なかった祖父の青春時代、親友、そして唯一の後悔を聞き……。
(小学館HPより)
瀬戸内の島が舞台の3つの話。
それぞれが、ジ~ンと来る。
共通しているのは、高齢になった男性の恰好よさ。
言葉のひとつひとつがステキ。
別々の話だけど、少しずつリンクしていて、嬉しくなった♪
藤岡さんは、看護師をしながら小説を書かれているそうだけど
きっと人の心の痛みも和らげる素敵な看護師なんだろうなぁ~。
★★★★★
発行年月:2017年10月
人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説
奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。
結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。
夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。
一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。
隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。
(小学館HPより)
元看護師の著者の物語、今回も温かい人と人の繋がりがジ~ンと
胸を打ちました。
夫に別の女性との間に子どもが出来、そちらと新たな家庭を持ちたいから
別れて欲しいと言われても、なんとか元に戻そうとしていた奈緒には
ちょっとウンザリ感を持ちましたが・・・
看護師資格を活かして働いて息子の涼介と生活するんだと決心してからは
応援したくなりました!
一度も臨床経験なく看護師として働くのは勇気いることだと思うな~。
15年のブランクあって復帰した私自身も勇気要ったから・・・^^;
息子の涼介くんが実に明るくて機転が効いて良い子!
こんな子どもがいたら、しょうもない旦那なんか要らないでしょ?^m^
病院の医師・三上。
貧血で度々、倒れる早川(71歳)。
2人が終盤、昔の知り合いと知り、過去の辛い出来事以降、会えずにいた
2人が会えない間もお互いのことを気に掛けていたということが
会って理解し合えて良かった!
ゴールは人生のゴールのことでした。
辛い過去があっても、ゴールの時に温かい人たちの囲まれていれたら
幸せなゴールと言えるんじゃないかな?
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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