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読んだ本の感想あれこれ。
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7e924ad6.jpg発行年月:2011年10月


“お荷物”な過去、売ります。
すばる文学賞作家がゆるやかに綴る、再出発の物語。

ワケアリのアラフォー・りり子叔母さんと、就職できずに大学を卒業してしまった私。厄介者の二人が「気持ちの良いお取引」で売るのは、ダンボールいっぱいに詰まった、人生の、お荷物――。

不倫の果てに刃傷沙汰に及んでしまい、謹慎中のりり子叔母さん。就職が決まらずアルバイトをする私は、気分転換にと、一人暮らしを始めた叔母の様子を見に行くことに。そこで目にしたのは、トラック一台分はある、大量のダンボール。処分に困った二人はそんな「お荷物な過去」をせっせとオークションにかけてゆくが……。

“欲しいもの”を手放していく叔母と、“欲しいものが欲しい”私。世代も生き方も異なる二人を鮮やかに描く、ちょっとしたご縁のハナシ。


                                        (講談社HPより)


表題作「人生オ-クション」ともう1編「あめよび」のふたつのお話が収められていました。

「人生オ-クション」では、母の妹・リリ子の元に通い、荷物整理を始める瑞希。
リリ子は犯罪者らしいと最初にわかるが、どんな罪?と先ずは気になり読みました。
怠惰な様子で、なんだか嫌なかんじの女性だなぁ~と最初は思ってしまいました^^;
でも、瑞希とのやり取りも愉快だし、犯罪の内容も真実を知れば、リリ子の方が被害者だったし。。。
最後は、リリ子も瑞希も新たなスタ-トを切れたようで良かった♪


二編目の「あめよび」は、
眼鏡屋さんに勤めている美子と投稿はがきマニアの鉄男の話。
鉄男の言う「諱(いみな)」の話が面白かった。
鉄男の地元にある古くからの風習。
話の内容より、この風習にすごく興味を覚えてしまった!

鉄男の諱を教えてほしいと言う美子には付き合っているときには教えなかったのに、二年後に再会したときにいきなり教えるなんて。。。。
あぁ~なんという大ばか者!!
でも美子は、そんなところも含めて鉄男のことが好きだったのかな?

二編とも面白かった!


★★★★
 
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448c567b.jpg   発行年月:2011年7月


   死んだ人の部屋に住むのが彼女の仕事
   自らの不貞で離婚をし、戻るべき家を失い
   事故物件に住むことを仕事にしたりさ子。
   移り住む先々で人と出合い、衝突することで彼女は何を手放し、何を取り戻したのか。
   人生再生の物語。


                             (集英社HPより)



なかなか面白い話でした。
主人公の内田りさ子は、相場不動産から依頼された部屋に住むのが仕事。
住む部屋は、変死などがあった事故物件。

部屋を貸すものは、事故直後に部屋を借りるものには、そういう物件であることを知らせなければならないというきまりがある。
多くの者は、そのような部屋だとわかれば借りたがらない。
なので、りさ子が住むことにより、部屋がロンダリング(浄化)されれば、また何事もなかった部屋のように貸すことが出来、部屋の所有者には有難い。

りさ子は、感情表現が希薄。
なんだか浮世離れしているような不思議な人。
事故部屋に仕事とはいえ、躊躇なく住める。

いったいどんな過去があったのか??とそちらにも興味が沸く。

ロンダリング期間は意外と短く、住む場所はいろいろに変わる。
そんななかで、出会う人たち。
すぐ居なくなるのだから・・・とあえて人と関わらないようにしてきたりさ子の生き方を変えるキッカケを作ったのは、ロンダリング依頼したアパ-ト経営者・真鍋夫人。
真鍋夫人を介して、食事に通う「冨士屋」で、成り行き上、仕方なく手伝いをするはめになり・・・・


少しずつ、りさ子の過去の話もわかって、辛い目に遭って来たんだなぁ~と理解したら、なんとかりさ子自身が別の生き方を見つけられたらいいのになぁ~と見守る気持ちで読み進め
ラストは、その想いが叶いそうなかんじで終わってくれてホッとした。


淡々と描く人間関係のなかに、温かいものも感じられて、なかなか面白かった
次の作品も期待したいです!


★★★★
 
 
fbbc9ec9.jpg発行年月:2010年11月


まさか30歳にもなって、こんなにもわかりやすく恋愛体質になってしまうとは。

もうやめよう、こんな人。もう絶対にやめよう。そう固く心に誓うのは、一体これで何度目なのか----。小説家のミサの部屋は、誰が呼んだか「S町のネバーランド」。いつしか部屋には年下の隆文が居着いちゃって……。決めてくれない彼と、心配性の私。ふざけているのが好き、堅苦しいのは嫌い。そんな二人の終わらない恋の物語。

                                           (新潮社HPより)


表紙の絵と表題から、児童書かな?と思ったら・・・大人の恋愛小説でした^^;

サキの3つ年下の彼・隆文には、自分のほかにも彼女がいる。
いい加減、どちらかに決めて欲しいと思って、自分と別れてくれというのなら、それも受け入れるから、はっきりして欲しいというのに、「サキは何も心配いらないよ~」と軽くかわされ続ける。

わたしは、そういう関係も面白いなぁ~と読みましたが、読む人によっては、イライラするかも(笑)。

サキの友達やら、仕事関係の男性たちにもダメな彼の噂は広がっていて、女友達たちは「早く別れれば?」と言われる。
当然のアドバイスなんだけど、サキは隆文の事が好きなんだろうなぁ~。
別れられないでいるのだから・・・・。

彼にとって常に居心地の良い空間を作ってあげちゃう。

相手の思う壺!

最初は、隆文のことを、都合よく女のところを交互に訪ねて来て、嫌な奴だな。
と思っていたけど、本人には、その自覚はないみたい。
もう一人の女性とは、どんな付き合いをしているのか、わからず仕舞いなんだけど、サキと二人でいる時は、すごく寛いでいて、二人の会話もほのぼの。

でも、やっぱりどちらか選びなさいよ!!と思いながら読み続け・・・・
他人から見てたら、この途中経過も楽しいけど、自分の彼が、こんな感じだったら悩むだろうな。
サキも悩んでいたからね~。

でも最後は、ホッと出来る結末だったので、めでたしめでたし。


★★★
f49207da.jpg発行年月:2010年10月


ささやかでいい。叶ってさえくれれば--------
可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。
芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語。


1.「あと1つのお願いは何にしよう」不倫がバレて会社を辞めたOL……【願い】
2.「可愛い妹が欲しい」妄想がちの大学生……【妹思い】
3.「大坪さんと寝てみたい」管理職のサラリーマン……【ノーチャンス】
4.「熊になるのは、嫌」母の恋人が気に喰わない小学生女子……【つるとくま】
5.「ちゃんとしたお墓が欲しい」3人の息子を持つ老紳士……【散骨と密葬】
6.「いつかホームランを打ったら」元カノと復縁したい男……【ファウルボール】
7.「友達が泣くところは、みたくない」友情睦まじいアラフォー女たち……【たくさんの荷物】
8.「1週間、電話がかからなかったら、もう死のう」引きこもりのライター……【七日間】
9.「知子はお願い玉を手に入れた」夢が叶う緑色の玉を大切に持つ少女……【お願い玉】


                                             (講談社HPより)

お願い事に関する9つのお話。
どの話も楽しみながら読みました(^^)


願いが叶う人あり、叶わなくてもめげずに前を向いて進む人ありで、読後は爽やかなお話なので、ひとつを読み終えると、さて、次はどんなお願い事の話かなぁ~?なんて思いながら読みました。

「つるとくま」の小学6年生の美々加が「熊になるのはいや」は最初?でしたが・・・
あ~そういう意味ね・・・・^^;とわかって
そういう苗字の人、実際にいるのかなぁ~?なんて思ってしまった。
都留くんは・・・・芸能人にいなかったっけ?


久しぶりの読んだ、この著者の本。
今度は長編で何か読みたいな。
過去の作品でも探そうかな。

★★★
 

ad300839.jpg   発行年月:2010年1月

   昭和から平成にまたがる、女たちの宿命の物語

   雪ぶかい地方で、高度経済成長時代に青春を過ごした2人の母親。
   彼女たちの娘が停滞の次世紀に家庭を持った時、親族殺人が起きる


       
                          (文芸春秋HPより)

 

最初は、1980年代の話から始まる。
わたしにも懐かしい、ピンクレディ-とか出てきたり、キャンデ-ズや山口百恵なども次々解散やら引退などをした時代。
そういう話が出ると、その時期を自分の歴史のなかで振り返りやすくこの物語の背景にあるものもんあとなく想像できた。

最初はある少女たちの日常を主体に描き、途中から、その少女たちの母親たちが青春を送った1960~70年代に話が移る。

同じく日本のその時の政治や社会現象などを交えて少女たちの母親の結婚するまでの過程が淡々と描かれる。

話はあまり正直面白くもない。淡々とどこにでもあるような物であるし・・・
でも、なんとなくちょっとイヤな雰囲気。
暗いような・・・闇のような・・・不穏なかんじが付きまとうような。

そして、結末には、殺人事件。

何処にでもある日常を送っていた人達でも、積もり積もった何かがあって、こういう悲劇って起こるのなかな?
なんて、過去にあった事件を思い出したりしました。

読後も後味悪いのですが、物語としてはなかなか面白かった。

表題の「橋」のもつ意味も深いものかも。
いろいろにこの「橋」は解釈できる。


★★★


          

 

 

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