発行年月:2015年4月
大学を卒業した朋美にとって父親の記憶はおぼろだ。父の膝の上に抱かれた記憶、煙草の匂い、顎にある大きなほくろ。活動家で、理想の世界実現に燃えていた、立派な男――まだ見ぬ父を思うたびに切なくなる。ところが、実業家の母である清子が衆議院議員に立候補した折、夫が在日朝鮮人であったことが報道され、朋美はその事実に衝撃を受ける。なぜ母はそれを黙っていたのか。不安と怒り、拒絶、落胆……複雑な感情が渦巻く。崩れていく理想像。父親の正体はいったい誰だったのか。自身のアイデンティティと向き合うために、朋美は父親の足跡を辿る。一方、日本人である母親と父との出会いにも、秘められたドラマがあった…。母子三代にわたる在日の家族を描く、感動の物語。
(朝日新聞出版HPより)
主人公の浜田朋美は、ライターで韓国絡みの記事を書くことが多い。
父は8歳の時に行方不明になり、母・清子は、全国にチェーン展開するエステ事業のほか
ソポーツクラブやリゾートホテルなども手掛ける会社を経営。
父親は在日韓国人だった?
北朝鮮の工作員?
有名人でもある母のことがいろいろメディアに取り上げられ、自分の知らない父の
ことが気になる朋美。
時代は現在と過去を交錯しながら・・・
朋美が誕生するまでの母と父のことなども語られ、二人は信頼し合って朋美が
生まれた。
物語の終盤、父親の居場所がわかり父親代わりのような存在であり父とも
面識があるという黒沢とともに父親が居る大阪に向かう。
自分が娘だと言うことを伏せて、父がなぜ、妻と子の前から姿を消したのかを
本人から直接、聞く。
50年くらい前だとやはり日本人が韓国人に抱く印象は良いものでは
なかったんだろうな。
母・清子は家族の反対を押し切って父と結婚することを望んだ。
それは強い意志。
最後のエピローグでは、父と再会から20年以上経った朋美の近況。
結婚して娘も生まれ、ギクシャクしていた母親・清子との仲も
良くなっていてホッとした。
最初のプロローグを読み返してみるとジ~ンと来るものがあった。
初読みの作家さんなので、ちょっと調べたら、両親が在日韓国人で
結婚を機に日本国籍を取得したとか。
ほかの著も読んでみたいな。
★★★★
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発行年月:2009年6月
大学受験失敗と家庭の事情で不本意ながら看護学校へ進学した木崎瑠美。毎日を憂鬱に過ごす彼女だが、不器用だけど心優しい千夏との出会いや厳しい看護実習、そして医学生の拓海への淡い恋心など、積み重なっていく経験が頑なな心を少しずつ変えていく……。揺れ動く青春の機微を通じて、人間にとっての本当の強さと優しさの形を真っ向から描いた感動のデビュー作。
(光文社HPより)
看護師のわたしが読むと、なんだか懐かしい場面ばかりでした。
実習はホントに辛かった。
精神的に・・・・。
主人公の木崎留美は、最初は、看護師になりたくて看護専門学校に入学したわけでは
なかった。
でも、真面目で相手を思いやり、看護師は合っている職業じゃないかな?と
感じた。
友だちになった、山田千夏も同様、一生懸命、実習の予習をしたり
良い看護師になれる素質を十分に持っていた。
しかし、最後は、千夏は自主退学。
その原因になったのは、実習中、看護記録の修正を強要されたから。
う~ん。
これは、ちょっと、わたしからしたら疑問。
だいたい、看護記録を修正液で書き直させるはありえない。
一度記入したものは、書き直せない。
直す場合は、二重線で消した上に訂正印が決まり事だから。
修正液で消したら、それは不正行為。
ま、それは置いておいて・・・
千夏の正義感に同情する。
実習した病院が悪かったために、将来有望な看護師を潰してしまったと思うと
腹が立つ。
後味悪いラストだったなぁ~。
遠野さんの死もよくわからんし・・・。
それでも、物語としては、まあまあ面白かった。
★★★
発行年月:2015年1月
片田舎の小学校に、東京から美しい転校生・エリカがやってきた。エリカは、クラスの“女王”として君臨していたマキの座を脅かすようになり、クラスメイトたちを巻き込んで、教室内で激しい権力闘争を引き起こす。スクール・カーストのパワーバランスは崩れ、物語は背筋も凍る、驚愕の展開に――。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー
(宝島社HPより)
注・・・ネタバレ含みますm(__)m
三部作の学園ミステリー。
<第一部 子どもたち>
<第二部 教師>
<第三部 真相>
第一部では、小学校3年1組の女王的存在のマキの横暴ぶりを最初に描き
そのクラスがそのまま4年生になった始業式に東京から転校してきた
エリカが、女王の座を奪う展開に。
学級委員のメグは、気は小さいのに正義感でクラスの諍いの度になんとかしようと
首を突っ込み、それを見かねた僕も本当は関わりたくないのに、メグを助ける
ために関わらざるを得なくなる。
クラスのなかの微妙な人間関係がよく描かれている。
が・・・・名前が全部カタカナだったりあだ名だったりがちょっと引っかかる。
第二部は、クラス担任の目線から描く4年1組。
ここで急に子どもたちの名前がフルネームになったりする。
あとで、これが読者に対する罠だと気づくのだけど・・・
そして第三部は、第一部の真相。
読んでいたら、段々わかる、第二部は第一部の続きじゃないね^^;
ああ、こういうだましの手があるのね・・・苦笑。
でも嫌な話だ。
恐ろしい話。
一気に読まされたけど、こういうのもアリですかぁ~?
真相がわかると「そりゃないよ~」と一言言いたくなる部分ありあり。^^;
後で知ったけど、著者って女性二人のユニットなんですね~
でも、ま、今後の作品もちょっと興味あるかも。
★★★
発行年月:2015年5月
第153回直木賞受賞作!
選考会は前代未聞の満票決着。
「20年に一度の傑作。とんでもない商売敵を選んでしまった」(選考委員・北方謙三氏)
「私は何度も驚き、ずっと幸福だった。これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」(選考委員・伊集院静氏)
何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、台北。偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。なぜ? 誰が?
無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。
(講談社HPより)
凄い物語だったなぁ~。
ノンフィッションっぽい。
主人公の葉 秋生は、蒋介石が亡くなった1975年のすぐ後で何者かに
室内で殺された。
誰が何のために?
その謎をずっと抱えた秋生が大人になって、自らその謎を解くまでの物語。
舞台は台湾。
あまりよく知らない、中国との関係がこの物語によって少し理解出来ました。
元々は中国人だったのに、国民党員たちは、共産党員に追われ台湾に逃げて来た。
秋生の祖父・尊麟も山東省出身だが、逃げのびてきた一人。
同じ中国人でも憎み合い殺し合った過去がある。
しかし、長い年月を経て変わる人の気持ち。
ラストの尊麟がかつて多くの村人を凄惨な方法で殺した村を訪ねる秋生の場面は
ドキドキした。
祖父を殺した者もわかり、その背景にあった事実もわかった。
憎しみを相手に向けると必ず返って来る。
それを受け止めまま鎮めることは難しいけれど、とても大事なことだな。
秋生を温かく迎え入れてくれた宇文叔父さんを秋生も幼い頃から親しんだ叔父さんと
して懐かしい気持ちで会えて良かった。
著者は日本名ですが、調べたら台湾の方でした。
著者だからこそ、書けた物語でしょうね。
歴史小説でもあり、青春小説でもあり、ちょっとミステリーの要素もあったりで
読み応え十分の素晴らしい1冊でした!!
★★★★★
発行年月:2015年2月
無気力に生きるケータリング業者の水島健一。先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなる――。少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか! 傑作感動長篇。
(中央公論新社HPより)
いや~地味に泣けます(/_;)
表題が「僕とおじさんの・・・」だけど、僕って誰?と思っていました。
主人公は、44歳の水島健一。離婚歴あり、17歳の息子は元妻と暮らす。
フリーランスでケータリングをやっているけれど、市販品にちょっと手を加えたり
して見栄え重視の料理。
度々出てくる都市伝説<ケータリングの仕事をしている料理人は楽に死ねる薬(ショートカットドラッグ)を売ってくれる。その薬は病死と判断されるらしい>
水島は度々、その都市伝説の料理人と思われてしまう。
いい加減なかんじもするけれど、そうなったのには、哀しい過去があった。
妹と友を同時に登山で亡くしている。
そして根は人の気持ちを汲むことが出来る優しい人なんだとわかるエピソードが
いろいろ。
そして出会った少年・大谷英樹13歳。
出会ったのは、水島が腰を痛めて通いはじめたリハビリセンター。
英樹は車いすに座った青白い顔の少年。
何度も手術を繰り返し、学校に通ったのは小2の4か月だけという。
健一が持参する弁当に興味を持ち、ケータリングの仕事をしているけど仕事の
依頼がなかなか来ないとWEBページを見せると、これはもっと修正した方がいいと
アドバイスを貰う。
英樹の病気への向き合い方が、切ない。
長く療養生活をしている者の苦悩が強く伝わってくる。
健一は、無理強いせずに英樹に食べる意欲を沸かせる。
その過程が素晴らしい!
著者はもしかして、長い療養生活の経験あり?
終盤は、泣ける。
哀しいけれど、よかったねという気持ちの方が大きい。
表紙の朝ごはんの写真が、読み終えてみると数段美味しそうに見える。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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