忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6



発行年月:2024年10月


離婚、クビ、収入ゼロ……。
もう、だめかもしれない。
そこからも、人生は続く。
日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる!
『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。
長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。
新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。
ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。
22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリーアナウンサー。
どん底に落ちた女たちの、新たな人生の切り開き方とは?


                   (幻冬舎HPより)



地獄の底に落とされたような環境に追いやられる主人公たち。
理不尽なものばかりで主人公たちには同情した。
でも、そこから這い上がり、元よりパワーアップして再起する姿には拍手!!
スカッとした~!!


<第一章 53歳で専業主婦をクビになる>
見合い結婚して、専業主婦になり28年。
突然、夫(54歳)から好きな人が出来たから別れたいと。
相手は娘(26歳)より2つ上の28歳。
家を売却し1DKの公団暮らしになり仕事(化粧品会社のコールセンター)を
始める。

その後夫が脳出血で倒れ半身不随で今は介護施設にいると娘から知らされ
会いに来てほしいと言っていると聞き、お見舞いに。
そこで、また一緒に暮らさないか?と言われ・・・・大笑いしたあと断る。


なんだ、この旦那は!
こんな男と、別れて本当によかった!!




<第二章 51歳でこれまでの働きぶりを全否定される>
大学卒業後に就職した旅行会社で、それなりに会社に貢献してきたが
2期下の仕事が出来ないけれど、社長にごまをするのは天才的な男が取締役に
就任。
勇気を出して会社を辞めて独立する。

元会社の取締役になった男が訪ねてきて「業務提携するように社長に取り合って
あげてもいい」という話を持ってくる。
「そっちが頭を下げて頼むべきところでしょ!どう考えたって」と
突っぱねる。

うんうん、よく言った!拍手!!



<第三章 46歳で教え子の選手に逃げられる>
オリンピック選手だった大野邦子は、小学1年生の時から大切に育ててきた
大学2年になった君島鉄平から
「環境を変えることにした。別のコーチに指導してもらうことにしたから
ここにはもう来ない」と去っていく。

その後、一時はタイムが伸びた鉄平だったが、邦子がその後、育てた選手が優勝した
試合では鉄平はビリ。
再び指導を頼んでくるが「失った信頼関係は簡単には戻らない。自分の成績を
コーチのせいにする時点でダメ」と。

正に正論!



<第四章 52歳で収入がゼロになる>
ラジオパーソナリティをしている田尻綾子。
自身もフリーだが、劇作家の夫もフリーランス。
2人の息子は海外留学中。
ある日、番組のパーソナリティを交代したいということでクビに。
後でわかったのがチーフディレクターの男が自分の私的な思いで
若いパーソナリティに変えたほうがいいと社長や取締役を説得していたらしい。

綾子はその後、区会議員に立候補する女性の選挙カーに乗り
ウグイス嬢になり当選を支えたり、その議員からの紹介で女性経営者の
話し方レッスンを引き受けたりと収入も安定していく。

綾子が抜けたあとの番組は若いパーソナリティの失言が問題を起こしたりして
チーフディレクターは降格。営業に廻されたとか。



4つの話、それぞれの読後が痛快なもので、面白かった!




                     ★★★★
PR



発行年月:2024年10月


作家人生の集大成
嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。
 尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の梅雨時だった――
「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記のなかに逃げ込み、日記のなかで生き延び、現実にあらがう術を身に着けていく。
そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。
より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。
担当編集者より
星野智幸さんの3年ぶりの新作『ひとでなし』は、新聞連載時より話題を呼んだ大作です。
小説の始まりは1976年、主人公の鬼村樹は小学4年生、著者と同じ1965年生まれです。そこから2023年まで、この世界に実際に起こったさまざまな出来事に翻弄されながら、樹は、人間とはどういうものなのかと考え続けます。
樹とともに長い年月を歩んだとき、この小説のタイトルに籠められた著者の強い思いが、きっとあなたを鼓舞するでしょう。


                     (文藝春秋HPより)



主人公・鬼村樹(タツキ)の小学校5年生から大人になっておじさんと呼ばれる年
までを描いた長い話。
新聞で連載していたのは、知っていて、挿絵が可愛らしいなと思っていた。



小学校5年生で、担任になったセミ先生が、その後のタツキにも関わりをもつのは
良かったな。
小学校~高校に入ったくらいまでのタツキは、「この子このまま大人に
なって大丈夫かな?」と思うようなかんじだったけれど、出会う人たちが
個性的で、イツキの個性も尊重してくれる人たちでよかった。

時に危ない道に行きそうになったりするけど、阻止してくれる友達がいたり。


プロの女子サッカー選手になった人がいたり、国会議員になった人がいたり


イツキの生まれが1965年ということで、年齢的に近いので、時代背景として
書かれる出来事も思い出しながら読んだ。


表題の「ひとでなし」の意味はイマイチ、よく分からなかったけれど
長い物語を楽しめた。


セミ先生からすすめられて書き始めた架空日記は、子どもの頃の日記のほうが
面白かったな。


挿絵はやはり、可愛かった(少し不気味なのもあったけれど)。




                    ★★★



発行年月:2023年6月


「三千円の使いかた」「ランチ酒」の原田ひ香が描く、
本×ご飯×仕事を味わう、心に染みる長編小説。
東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時〜12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。
すべてをさらけださなくてもいい。
ちょうどよい距離感で、
美味しいご飯を食べながら、
語り合いたい夜がある。


                  (ポプラ社HPより)



夕方から開館する私立図書館。
オーナーは最初は、明かされない。

主人公の乙葉は、そんな図書館に新たに加わる。
ここで働いている人たちの、それぞれのことも書かれていて
皆、直接メールなどでオファーを受けてここに来たかんじ。

夕食のまかないが食べられるのもいいなぁ~
各章が、まかないとそのもとになった本になっている

  第一話 しろばんばのカレー
  第二話 「ままや」の人参ごはん
  第三話 赤毛のアンのパンとバタときゅうり
  第四話 田辺聖子の鰯のたいたんとおからのたいたん
  第五話 森瑤子の缶詰料理


どれも美味しそうだった♪



後半、わかるオーナーのこと。
どういう経緯でこの図書館を開館したのか。

なかなかパワフルで素敵な女性だったなぁ~。



                       ★★★★



発行年月:2016年9月


葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学三年のとき、森野が教師に怪我を負わせて学校に来なくなった。事件の真相はどうだったのか。ふたりと関わった人たちの眼差しを通じて、次第に明らかになる。ふたりの間に流れた時間、共有した想い出、すれ違った思い……。大切な記憶と素敵な未来を優しく包みこんだ珠玉の連作集。
ACT.1 言えない言葉 ~the words in a capsule
ACT.2 君といた ~stand by you
ACT.3 サークル ~a circle
ACT.4 風の名残 ~a ghost writer
ACT.5 時をつなぐ ~memory

                   (集英社文庫HPより)



「MOMENT」と「WILL]の続編が出ているのを最近知った。
ふたつの作品は、もう随分前だったので、細かいことは忘れている。

これは、二人に、ぞれぞれ関わった人たちが語る短篇連作集。
読みながら、色々と思い出した。
森野と神田、それぞれは、離れてしまっても、きっと一番お互いを理解し合える
唯一無二の存在なんだろうと。


森野が、なぜ、教師にけがを負わせたか、そのあと、学校に行かなくなったのかも
その時、すぐ近くで状況を見ていた者の話で、納得した。
森野、よく耐えたな・・・・。
森野の行動を100%、支持する!

神田は、遠くからきっと森野のことを見守っていたんだろうな・・・・


最後の最後、二人がちゃんと結ばれて幸せそうな様子が想像できて
本当に良かった。


また3冊をいつか、続けて読みたい。


                      ★★★★★



発行年月:2021年9月


大切な人が殺された時、あなたは何を望みますか――。
警察専門のカウンセラー・唯子(ゆいこ)の仕事は、事件被害者やその家族のケアをすることだ。
夫を殺されたのに自分こそ罰を受けるべきだという妻。
誘拐犯をかばい嘘の証言をする少女。
傷から快復したはずなのに、姉を殺した加害者に復讐した少年……
多くを語らないクライエントが抱える痛みと謎を解決するため、唯子は奔走する。
絶望の淵で、人は誰を想い、何を願うのか。そして長い沈黙の後に訪れる、小さいけれど確かな希望――。
80万部突破「MOMENT」シリーズ、『dele』の著者が贈る、深く胸に響く物語。

                   (集英社HPより)





久しぶりに本多さんの書を図書館で見つけて手に取った。


やはり、読みやすく心に響く内容。

臨床心理士の女性・高階唯子が、警察からの依頼で犯罪の被害者家族をカウンセリング
している。
普段は大学に席を置き、このカウンセリングは安曇教授が紹介してくれたという。

唯子の父親は殺人事件の犯人であり、そのことを唯子は重く受け止め自身が出来る
償いを続けている、その姿は立派だけど、少し自分を追い込み過ぎているかんじも
する。

父親の犯した殺人事件の被害者側家族にあまりにも関わりすぎなのが心配だった。
被害者の息子である雅弘が、分別ある人だったからホッとしたけれど・・・

刑事の沖上が唯子を、この先も守ってくれるといいな。


色々な犯罪被害者の家族に接する唯子は、一生懸命で、その姿は素晴らしい。
安曇教授も犯罪の被害者家族に向き合うことで唯子自身の心のケアに
繋がると思って紹介したのかも。


しかし、始終、重たい話だった。
自分には関係ないことでありますように・・・・。



本多さんの「MOMENT」シリーズ3冊目を読んでいないことに気づいた!
早速、読まなきゃ!!


                     ★★★★
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 3 4
6 7 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]