上巻から引き続き読みました。
スルスルと読めて、どんどんこの世界観に入って行きました。
上巻でガーゴイルの姿の怪物・ガラと対峙し、取引きを成立させた孝太郎。
正義感が強く、罪を犯したものを赦せず、ガラの力を借りて罰する。
連続殺人犯の真相も分かってくる。
それらは全てが同一犯ではなかった。
孝太郎の前に現れた少女・森崎友理子は、「英雄の書」ではまだ小学生だった子。
行方知れずになった兄を探していた。
そして、孝太郎が兄のように行動するであろうことを予測し、忠告をする。
ダークな物語で、終盤は、孝太郎がどんどん行ってはいけない方に向かうのが
不安だったけれど・・・・・
ラストはそれに反するものになってくれてホッとした。
心配だった近所の幼馴染・美香を救えたし。
しかし、ガラの世界のことは、よく分からないことが多い。
この世界の話、また別の話で続くのか?
★★★★
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発行年月:2015年4月
今を生きるすべての人にあたたかなエールを贈る、エンタメ渾身作!
ネグレクト、スクールカースト、孤独や失意…気まぐれな悪意と暴力、
蔑みと無関心に凍りつく心。震える魂が共鳴するとき、か
つて誰も見たことのない世界が立ち現れて――
現代の闇と光をあぶり出すエンタメ渾身作!
(角川書店HPより)
登場人物は主には3人。
同じ中学の3年生の二人
尾垣真と城田珠美・・・二人は既に推薦でそれぞれ別に進学先が決まっている。
後から登場の佐々野(通称パクさん48歳)は、プロの絵描きで
漫画家のアシスタントとして働いている。
物語の始まりの舞台は銀行で「?」と思ってしまった。
でもなるほど~と。
銀行にはよく地元の子どもが描いた絵など展示してありますからね~。
そして、真は家業がカレーショップで、既に進学先が決まってしまっている真は
店の手伝いで、銀行に行くことに。
そこで見た絵に惹かれてしまう。
<ぼくのうち わたしのうち>とテーマが掲げられて子どもたちの絵が並んで
いるなかに、それは異質なものだったから・・・。
スケッチブックの1頁を剥がした紙に描かれているのは古城。
それも子どもが描いたものとは思えない出来栄え。
あるキッカケでその絵を持ち帰る真。そこから物語が始まる。
最初からこの先、この絵がどういう冒険ファンタジーに導くの?と期待感大でした!
そして、読み始めたら面白くて・・・
でもその絵に秘められた描いた本人の思いがわかるとちょっと辛かったなぁ~。
絵のなかに入り込んで・・・・というのは今までも何処かで聞いたことある
話ですが、話の展開は巧みで、なるほど~と思わされるかんじ。
ラストが救いがあるものなのもいい。
ちょっとアニメにもなった「ブレーブストーリー」に雰囲気が似てるかな?
これもアニメになっても楽しめそう♪
しかし、この表紙の絵凄いなぁ~。
角川書店HPの動画http://www.kadokawa.co.jp/sp/sugisarishioukoku/みて、
感動しちゃった!!
★★★★★
発行年月:2014年8月
時は元禄の半ば。陸奥(東北)の小藩にある山深き村が、一夜にして壊滅状態となった。隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など、様々な事情の交錯するこの土地に、その“化け物”は現れた。権勢をふるう藩主側近・弾正、その兄と分かち難い絆を持つ妹・朱音、朱音を慕う朴訥な村人たちと用心棒・宗栄、山里の少年・蓑吉、病の本復した小姓・直弥、謎の絵師・圓秀……山のふもとに生きる北の人びとは突如訪れた“災い”に何を思い、いかに立ち向かうのか――!? その豊潤な物語世界は現代日本を生きる私達に大きな勇気と希望をもたらす。著者渾身の冒険群像活劇。
(朝日新聞出版HPより)
陸奥にあったふたつの藩。
永津野藩と香山藩。
二つの藩は昔はひとつだったのに、敵対関係にあり、お互いの村人たちは
相手のことを忌み嫌っている。
香山藩で、祖父の源一と暮らしていた蓑吉は、ある日突然山が変貌し
人々をアッと言う間に飲み込む様子を見る。
源一に「先に行け!」と言われひとり源一と落ち合うことにきめた滝沢の下に
向かうが途中で得体のしれない闇に追いつかれる。
蓑吉はやがて永津野藩藩主の妹・朱音の庇護を受ける。
そこで暮らしていたころが一番幸せな時期だったかな~?
用心棒の宗栄、朱音つきの女中・おせん、じいや加介たちに可愛がられ
子どもらしい明るさも戻る。
が・・・・やがて得体の知れない化け物が再び暴れだす。
結局、化け物の正体は、その地で長年にわたって溜まった人の負の感情?
朱音の覚悟が凄かった!優しくて強い小台様でした!
時代劇とファンタジーが混ざった独特の雰囲気で、話の内容も先をどんどん知りたくなる
面白さでした!
蓑助は逞しい大人に成長していくんだろう。
おせんと再び巡り会えるときが来るといいな。
絵師の圓秀のその後の話が最後にあったのも、本当にそういう絵師がいたみたいで
良かった。
★★★★
発行年月:2013年6月
不思議で切ない「三島屋」シリーズ、待望の第三巻
江戸は神田。
叔父の 三島屋へ行儀見習いとして身を寄せるおちかは、
叔父の提案で百物語を聞き集めるが。
人気時代小説、待望の第三巻。
(文藝春秋HPより)
三島屋のおちか17歳。
女中のおしまさん、お勝さんにはお嬢さんと呼ばれるが、行儀見習いの身として
つつましく暮らしている。
そして、どこからか三島屋へ自身の不思議な体験話を聞いて貰おうと
人が訪ねてくる。
今回は6人の語り手が登場。
<魂取の池>
最初の語りは、幼なじみとの結婚が決まっている若い女性・お文。
おばあさんから聞いた不思議な話。
好きあっている者同士が一緒に訪れると必ず別れることになるという
池の話。
<くりから御殿>
語り手は病で少し弱っている男・長治郎。
妻のお陸が心配で語りの部屋の外で待機する。
10歳のとき、山津波に襲われ自分は命を救われたが、両親や幼なじみなど
みんな亡くなってしまった。
避難していた家が、眼を覚ますたびに別の家になっていて、幼なじみに会うが
その後、その子が遺体でみつかるということが繰り返された。
<泣き童子>
家守(差配人)の男が語る。
身近なところにあった不思議な話。
看板屋の前に捨てられていた男の赤ちゃんを育てることにした夫婦。
赤ちゃんは末吉と名づけられ可愛がられるが、3歳になっても喋ろうとしない。
が・・・ある日、火のついたように泣き出す。
家の外に慌てて連れ出すと泣き止むが、また急に泣き出す。
末吉が泣くのには、ある法則があった。
<小雪舞う日の怪談語り>
怪談の会に三島屋のお上さんやお勝さん、新しい女中見習いのおえいと
共に出かけるおかつ。
そこで聞く怪談話3つ。
・家の建て増しに関わる話
・転んだら自分の力で起き上がらないといけない橋の話
・失った視力に宿る力の話
<まぐる笛>
語り手は若い武士。
北国の出でお国訛りがきついが、おかつは優しく確認しながら話を聞く。
母親の死に纏わる話。
母親は特殊なお役目を担っていた。
<節気顔>
語り手は夫を亡くし喪に服したままの女性・お末。
幼いころ、家の離れで暮らすことになった伯父の話。
放蕩息子で親から勘当されていた伯父の春一。
ある日、家に戻ってきたが次男が家を継ぎ、今更居場所がないのを
お末の父が気の毒に思い、家に置いてあげることとなった。
しかし、二十四節気の節目になると一日どこかに姿を消す伯父。
その秘密は・・・・
どれも不思議でちょっと怖くて、でもホラーという風でもなく
人の気持ちの暗いものが引き起こす現象かなぁ~?
表題作の「泣き童子」は、やはり印象的でした。
不思議な力を持って生まれてしまった童子が可哀想。
そんな力が備わっていなければ・・・・(/_;)
しかし、おちかちゃん、こんな百物語ばかり聞いていて、将来大丈夫かしら?
そろそろ明るい楽しいことに向かって行って欲しいんだけど・・・
百物語はまだまだ聞きたいような気もするし・・・
う~ん、複雑な心境だわ。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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