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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年3月


映画『花まんま』の世界を広げるスピンオフ
直木賞受賞作『花まんま』から20年、映画から魂を吹き込まれた新たな感動作!
本書は2025年4月25日に公開予定の映画『花まんま』のサイドストーリー。登場人物の背景にある「もうひとつの物語」を、原作者ならではの視点で描き出し、映画のその先の世界へと、読者をいざないます。
~映画から生まれた4つの物語~
「花のたましい」
… 見えない明日を懸命に生きる駒子と智美。はかなくも美しい友情の行く末。
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
… 幼少期の不思議な体験を昭和の世相に重ねて描くノスタルジック・ホラー。
「アネキ台風」
… こわれかけた家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
「初恋忌」
… 人生の終わりを予感した男の身に起こる、小さな奇跡。感涙必至の好篇!
泣いて、笑って、幸せに。
目次
「花のたましい」
「百舌鳥乃宮十六夜詣」
「アネキ台風」
「初恋忌」
全4篇。すべて書き下ろし。


                   (文藝春秋HPより)



映画を少し前に見ていたので、誰の物語なのかが、わかりやすかった♪

最初の<花のたましい>は、映画では父親のお好み焼き屋を手伝いながら
自分の夢であるメークアップアーティストの夢のため、頑張る駒子の物語。
映画では主人公・俊樹の幼馴染である。
ファースト・サマーウイカさんが演じていたので、そのまんまの姿が読んでいて
浮かんできた。
病院で看護助手をしている智美から入院患者の女の子(瑠美)のために
彼女が好きなキャラクターに似せたメイクをしてあげてほしいと頼まれる。

数回、メイクをしてあげて、久しぶりにお見舞いに行くけれど、
彼女は亡くなったと聞く。
そして智美も・・・。
そして瑠美の母親から不思議だけど、お人よしの智美らしい話を聞く。


もう、これは泣けた・・・(ノД`)・゜・。
智美、どれだけいい子なんだ~


他の話もよかった。
二番めのは、ちょっとホラー色強くて物悲しい。


<アネキ台風>は、映画で鈴木亮平が働いている製作所の社員・はじめの姉
香りの話。
はじめが白血病にかかり骨髄移植の提供者を探すことに。
はじめには実は血の繋がった姉がもうひとりいる事実を隠してきたが
姉の香織が奔走し、なんとか姉の骨髄移植ができることに


最後の<初恋忌>も感動。
映画では21歳で見知らぬ人に刺殺された喜代美をずっと大切に想ってきた
男性の話。
喜代美が本当に、思いやりがあって良い人だったことが知れてよかった。



どれもすごくいい話でした。



                   ★★★★★

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発行年月:2017年8月
人と狐の間に生まれた者の末裔と噂され、並外れて大きな体と美しい顔をもつ妖女、美濃狐。ある日市に現れ、凄まじい剛力で暴虐非道に振舞う姿に、人々は恐れおののき、市は寂れてゆくのだが――。(表題作)ほか、日本最古の説話集『日本霊異記』を下敷きに繰り広げられる、不可思議で妖艶な物語の数々。古典を大胆に紡ぎ直した「知らぬ火文庫」シリーズ第一弾。


豪族の跡継ぎ・真桑が林で出会ったのは、異形な美しさを持つ女。真桑は女を納屋に匿い世話を焼くうち、次第に愛情を感じるようになる。ある夜、強引に女を抱いた真桑。幸福感に浸っていたが、翌日から女はまったく笑わなくなる。
「サカズキという女」

妻の初産を待ちわびていた広公。しかし産屋で産婆から手渡されたのは、蹴鞠のような肉の玉だった。広公は複雑な思いをいただいたまま、山の奥に肉玉を捨てに行くが――。
「舎利菩薩」

                           (光文社HPより)




知らぬ火文庫を新しい物から読み、これが最後。
順番としては最初のもの。

こちらが一番、読みやすく面白かった。

ただ表題作は、ちょっと・・・・謎。
話は分かるけど、これを表題とした意図は?と考えてしまう。

次の<蛇よ、来たれ>も同類かな?
まあ、色々なお話が<日本霊異紀>にはあるということだね・・・( ´∀` )


お話としては<塵芥にあらず> <舎利菩薩>が好き。
親ほど年の差がある友人のために、その死の原因となったものを訪ねて行って
自分にとってどれほど大事な人を亡き者にしたのだと怒る男・阿久多。

酷い名前は悪い鬼に連れ去られぬように、親の愛だと教えてくれた友。



<舎利菩薩>は不思議な話。
肉の塊のような玉から生まれ麻佐利の話。



日本には、昔から面白い書物があったんだなぁ~。

朱川さんの書く話が、不思議でちょっと懐かしいかんじがするのは、こういう書物が
元になっているのかな?


また新刊が出て読むのが楽しみな作家さんです。



                              ★★★★★



発行年月:2020年3月


「鬼であり続けるのは、なかなかに骨が折れる」
鬼が出ると噂の安義橋(あぎのはし)を渡ることになった太郎暮房(たろうくれふさ)。恐る恐る橋を進むと、艶やかな髪と白い肌を持つ見目麗しい女が立っていた。女は太郎暮房を呼び止め、思いがけないことを口にする。(「安義橋秘聞」)
髪結いの夫婦に拾われ、幼いころから主人の性の相手をさせられていた早陀女(さだめ)。九つを過ぎたころ、剃刀を持ち、髪結いをするようになる。あるとき手が滑り、客の耳を傷つけてしまう。とっさに指に取った血を舐めると、得も言われぬ恍惚感に包まれ……(「血舐め茨木」)

                 (光文社HPより)



8つの話。元になっているのは伊勢物語、今昔物語、御伽草子。

それぞれの話には鬼となるしかなかった者たちのことが書かれていて
怖いというよりは、そうなってしまう過程が恐ろしい。

最初の話<第一話 鬼一口>は生まれたとき母親が亡くなりそのため、父親に
疎まれながら成長し綺麗な顔立ちであることから、男色の寺の僧に売られ
逃げ出すが結局、同じような苦行が待っていた。
が、今の主人にはそういう趣味はなく、やっと苦行から解放。
そして主人の娘の姫といつしか互いに好意を抱くようになり姫と共に
逃げる。
夜、やっと見つめた小屋で姫を休ませ、自分は外で見張りをしていたが夜が
明けると何故か、姫は亡くなっていた。
哀しみにくれているところに、追手が来て、姫を置いて行きたくない
気持ちから首だけを切り落とし、それと共に逃れる。

このほかにも色々な事情で鬼となった者たちの話が続き、
最後の章でそれらがひとつの場所に逃れて暮らす地の場面が出てくる。


最初の話の男は後に酒呑童子という名の鬼になり世間から恐れられていたというが
今は、その者も亡く、名前を継いだものがその場所のリーダーとなっている。

世間では生きられなくなった者たちを匿う形で・・・。
だが、そこにも終わりが・・・・



少し、読み難さはあったものの、興味深く読んだ。
結構、生々しい描写もあり、ゾッとしたり、ソワソワしたり・・・・。

このシリーズ、面白いなぁ~。



                      ★★★★



発行年月:2022年6月


人はみな、浮かび流れて消える泡沫(うたかた)。
それでも時に、眩(まばゆ)いほどの光をまとう。
廂(ひさし)の下、猫と身を寄せ合い暮らす青年、
自らを“喰い残し”と名乗る顔の抉(えぐ)れた女、
影のない美しき三姉妹の尼――
源平合戦の片隅で、長明の胸に小さな火を灯し、消えていった忘れがたき人々。
八百年の時を超え、今、私たちの心を震わせる、儚く切ない物語集。

                   (光文社HPより)


鴨長明が語る平安~鎌倉の時代を生きた人々の話。

鴨長明という歌人が市井の人たちを観察し、その暮らしぶりを書いて完成したら
「方丈記」として出そうとするまでの話。
最初の話は長明23歳。
最後の章では60歳。


物語の初めは平家が世の中を支配している時代。
長明が最初に出会ったのは、猫丸と名乗る少年。
貧しい暮らしのなかでも飄々と生きている逞しさがあった。

火事のなかから救った老婆が、結局は苦しんで亡くなったことを知り
自分のやったことが間違いだったと嘆くが、再び火の中に飛び込み
死んでしまう。
猫を助けるための行動だったと・・・・泣ける・・・(/_;)


火事のほかにも地震が起きたり、疫病が流行ったり
源平合戦に翻弄される人々の暮らしだったり。
平穏に暮らすことが難しい時代を生きる市井の人たち。

最初の出会いこそ最悪のかんじだった難波加々麻呂も平家の時代が衰えると
立場が逆転して弱い立場に。
そんな加々麻呂が大勢の人から袋叩きになっている場面に遭遇した長明。
関りになりたくないと思ったが、顔半分が大きく欠けた女が助けて
あげましょうと長明に声を掛ける。
雨里と名乗って亡くなったその女性は、どんな生き方をしてきたのだろう。
印象深い女性だった。

長明がひとを深く思う者から死んでいくと哀しみにくれる場面で同意。

なんと暗く嫌な時代だったんだろ・・・。

やがて平家が滅び、時代は源頼朝が鎌倉殿と呼ばれる時代に。
だが、その時代も終わる。



朱川さんとえば、少し不思議なノスタルジックな話を今まで読んできたけれど
こういう物語も読みごたえあっていいな。


                      ★★★★






発行年月:2016年5月

朱川氏自身の“主夫”体験をもとに、著者らしい温かみあふれるフィクションとして描いた渾身の一作。思わず頷ける育児の悩みや醍醐味を描きつつ、「家族の在り方・親子の関わり方」など、普遍的なテーマに鋭く言及。箱庭的な世界で巻き起こる主人公・トモローとその周囲による濃密な悲喜交々を丹念に綴った、ほっこり笑って、ほろりと涙する家族小説。

                   (NHK出版HPより)



朱川さんの実体験に基づいているんですね~。
公園デビューの話は、実際に体験してみたからこそ書けることかも。

トモローの考え方は随所で共感できました。
男だから介入出来て丸く納まったエピソードもあり、子育ての場にこれからは
男性もどんどん進出してくれたらいいな~と思った。

トモローが主夫をして、妻の美智子が外でバリバリ働く。
そういう関係を自然と作れる夫婦も素敵だな~。


そして、トモローが幼いときに別れた母親との関係もラストに修復されて
そちらのめでたしめでたし。

色々な親子の問題を一緒に考えさせられた物語でした。


いつもの朱川さんの物語とは違ったけれど、とても良かった!!


                         ★★★★★
 
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