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読んだ本の感想あれこれ。
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b799db76.jpg  発行年月:2009年1月


  伝説のチェスプレ-ヤ-・アリョ-ヒンの、
  ひそかな奇跡を描き尽くした、
  せつなく、いとおしい、宝物のような長篇小説

   
                   (文藝春秋HPより)



この表題に先ずは惹かれるものがあります。
読む前は「なんのこと??」と思うのですが、読み終えた今は、なんともピッタリの表題!と思えます。

7歳のアリョ-ヒンは弟と祖父母の家で暮らしている。
両親は、弟が生まれるとすぐに離婚し、実家に戻ったが、その母も2年前、病気で亡くなった。

物語は、弟と祖母の3人でデパ-トの屋上にいるところから始まります。
そこには、かつてインディラという名前の象がいた。
小象のときからその生涯を終えるまで、ずっと鎖に繋がれていた。

そして、アリョ-ヒンたちが住む家は、隣家との壁がすぐそば。
かつて、そこの狭い空間に入り込み、出られなった少女が壁に食い込んだままになっているという噂もあった。

アリョ-ヒンは、その象のインディラと、少女・ミイラ(アリョ-ヒンがそう名付けた)を心の友にしているちょっと風変わりの少年。

そんな彼があるとき、チェス好きの老人と出会い、彼にチェスを教えて貰う。
その老人もバスの中で一人暮らす変わった人物。
お菓子づくりが趣味で、いつも甘いお菓子を出してくれる。そして老人は超肥満体。

少し大人になったアリョ-ヒンは、チェスが得意なことを見込まれて、ある倶楽部でお客さん相手にチェスをするようになる。
しかし、面と向かってではなく、ある方法で。

チェスをするとき、彼は海に潜り泳ぐような感覚。
そして頭の中に度々、浮かぶのはインディラであり、ミイラであり。

全体を通して、とても幻想的。
そして、なんとなく儚く、哀しい雰囲気が漂うかんじがしました。

アリョ-ヒンの存在自体が、幻想的。
人間という設定ではありますが何か、人とは違う生き物のような不思議なかんじでした。


最後は、とても切ないのですが、アリョ-ヒンは、それで幸せなのかも。
そういう生き方をしたことを悔いてはいないんだろうな~と思いたい。


やはり、この方の文章は独特の雰囲気。
好きです!!!

もう一度、ササッと読み直そう!

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