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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年5月


世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!

失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?

【本書の登場人物たち】

Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。

クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。

アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。

ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。

ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。

Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

                  (講談社HPより)


「地球にちりばめられて」の続編。


HiyukoとクヌートがHirukoと同じ言語を喋るというSusanooを訪ねる。
が、かれは喋らない。
そこで失語症の研究をしている医師ベルマーの元へ連れて行く。

冒頭の不思議な会話をしているのは、ベルマーの元で働くムンンとヴィタ。
最初、読んだときは、なんだろ?この二人?とわからなかったけど
終盤、登場人物たちが全員集合した場面で、ムンンが語る場面が愉快だった。

それぞれを観察して語る感想が、巧い!


さて、全員で旅に出るらしいラスト。

Hirukoのなくなった国を見つけられるかもしれない?

でも表紙の絵のように、それは地球じゃなくて、別のところ?

早く続きが読みたい!
物語の結末が気になる~♪


                    ★★★★
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発行年月:2020年3月

最注目ミステリー作家が挑む、究極の頭脳戦
正確な鑑定のためにはあらゆる手を尽くす――日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに、影山が見据える未来とは。そして凛が精神鑑定を学ばねばならない理由とは……。
第一話「闇を覗く」 歌舞伎町無差別通り魔事件の犯人・白松京介。重度の統合失調症と診断された彼は、本鑑定を受けるため影山たちの病院に移送された。
第二話「母の罪」 横溝美里は生後五ヶ月の娘を抱き、マンションから飛び降りた。重い抑うつ症状が見られた美里は、面談で「悪魔が娘を殺せと脅した」と言う。
第三話「傷の証言」 高校中退後、自宅に引きこもっていた沢井一也は、姉を刺し逮捕された。影山たちが鑑定に赴くが、支離滅裂な発言をし恐慌状態に陥ってしまう。
第四話「時の浸蝕」 傷害致死で起訴された小峰博康には、精神疾患の疑いが。簡易鑑定を行った影山は「罪を逃れるための詐病」と証言したが、第二審で思わぬ反撃にあう。
第五話「闇の貌」 同僚を刺殺した桜庭瑠香子。過去にも殺人事件を起こしていた瑠香子だが、解離性同一性障害、すなわち多重人格と診断され不起訴となっていた

                  (小学館HPより)





事件を起こした犯人の精神鑑定に臨む、医師の話。

精神鑑定の第一人者・影山司とその助手として影山とともに
事件に関わった被疑者の鑑定にあたる弓削凛。


色々な事件の被疑者に面会し、その者が抱えている心の闇を追求し
精神鑑定により犯行を起こしたときの精神状況を探る。


なんとも大変な仕事。
多くの経験が必要だろうし、冷静な洞察力も、忍耐力も。


逮捕された犯人がまず30分ほどの簡易鑑定を受け、その後、正式な精神鑑定に
進むを決めるというのは初めて知った。
簡易鑑定って30分?意外と短い時間なんだなと驚く。


お話としては最後の<闇の貌>が一番、面白かった(怖かった)。
多重人格者・桜庭瑠香子の壮絶な生き様。
幼いころから、父親に性的虐待を受けていて、妊娠。
その子どもを産みたいというと腹を蹴られ流産。
そして父親を殺害。

少年審判では同情的に審理は進み、更生施設で2年過ごしたのち、社会復帰。
しかし22歳の時、アルバイト仲間の女性を殺害、そのとき、解離性同一障害の
精神鑑定により不起訴処分に。

31歳では職場の同僚を殺害。


凶悪な事件を起こしても、精神鑑定の結果次第で、不起訴になり、社会復帰して
来る人がいるっていうのが恐ろしい。
しかも、自分の病気を利用して犯行を重ねた瑠香子には恐怖。
殺された人たちは、何も落ち度ないのに・・・



精神鑑定医の仕事がどういうものか、少しわかったけど、精神的ストレスが
凄いかかりそう。
仕事は何らかのストレス受けるものだけど、これは半端ない。
凛のような女性が目指すのは、相当な覚悟が要りそう。

でも、成長していく姿が逞しかった。
できれば、その後の活躍も読みたい。


                       ★★★★


発行年月:2019年11月

ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた――。
離婚して心身ともに打ちひしがれたとき、大切な家族を亡くしたとき、家庭のある男を愛したとき……人生の様々な場面で、猫に寄り添われ救われてきた女性たちを描く、心ふるえる全七編の短編集。

『ミャアがそろそろ旅立ちそうです』実家の猫に死期が近いことを母親から知らされ、私は東京から金沢へ向かうが……/「ミャアの通り道」

離婚で気力を失い、人付き合いがなくなり生活が荒れていった江美。ある冬の日、マンションのベランダに一匹の猫が現れて……/「運河沿いの使わしめ」

離れて暮らす会社員の息子が急死した。一日のほとんどを仏壇の前に座って過ごす富江のもとに、お線香を上げたいと言う若い女性が訪れ……/「陽だまりの中」

軽井沢のフラワーショップに勤める早映子を訪ねてきた男がいた。それは30年以上前に別れ、ずっと会っていなかったかつての恋人だった……/「残秋に満ちゆく」

               (集英社HPより)



猫好きなら涙腺崩壊の物語たち。
特に最初の話は・・・(/_;)


猫はその存在そのものが癒し。



                 ★★★★★




発行年月:2018年9月

大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。さらに、赤石を告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。医療ミステリーの旗手が挑む、スリリングなヒューマンドラマ!

                   (新潮社HPより)




ミステリーというより、ヒューマンドラマの要素の方が大きく温かい気持ちになれた。
医療ものなので、少し専門的な知識がないと難しい話も出て来るけれど
分かりやすく書かれているので問題なくスラスラ読める。


怪文書の犯人捜しよりも、平良医師が研修医3人と関わりながら
患者の治療にあたる姿勢が本当に理想的で読んでいて気持ち良い。

大学病院内の教授との関わりなどリアルな医師の人間模様も興味深かった。

診療科によって激務なところと比較的楽なところ、あるのは事実。
そんな場所で女性でありながらバリバリ働いている医師って心身共に
強靭じゃないと続かない職場だなぁ~とつくづく感じた。

研修医のなかの唯一の女性・宇佐美麗子も平良によって
気負っていたものから解放されて、いい意味で肩の力を抜けて良かった。

平良は外科医としても優秀だけど、人の心の痛みに気づくことが出来る
素晴らしい医師だと思った。

支える妻も素敵な女性。


希望した場所への出向とはならなかったけれど、教授も平良のことを考えての
異動。
きっと新たな地でも変わらぬ理想的な医師でいてくれるでしょう。

また平良医師の話が読みたいな~。
この話、凄く好き。
ドラマ化しても面白そう。


                          ★★★★★
 



発行年月:2018年3月

あなたも〈4ミリ〉のお仲間ですか?

ポイット氏は、今日もがっくりと肩を落とした。「またダメだった……」果たしてこれは何度目の失敗だろう。いったいいつになったら……?ひとり悩むポイット氏に、ある日見知らぬ女性が声をかけてきた。――「あなた、まだ〈アレ〉を食べていませんね?」そして知らされる衝撃の事実。どこか風変わりな中年と老年の男女4人による、ちょっと奇妙なお話。もしかしてあなたも、〈4ミリ〉のお仲間ですか?

                     (福音館HPより)



児童書の新刊コーナーにありました!
子どもが小さい頃はよく読んだなぁ~。

でもこれは、大人が読んだ方が楽しめそうな内容でした♪

4ミリ地面から浮いている大人たち4人の冒険物語。


ポイット氏(48歳)、エビータさん(夫と子どもがいる主婦)、画家のバルボーロ氏と
コロリータおばあちゃんの4名。



地に足がついていないってことですね・・・・^m^
なんともユニークな発想で、さすが高楼さん!!と感心。


絵も可愛くて素敵。
やはり高楼さんの本は素敵な絵も一緒に楽しみたい!



                          ★★★★
 

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