発行年月:2015年1月
霧深いなか、道案内の剛力たちに守られながら、ニザマの地方官僚の姫君ユシャッバとその近衛兵の一行が尾根を渡っていた。陰謀渦巻く当地で追われた一行は、山を下った先にある港町を目指していた。
剛力集団の中には、鳥飼のエゴンがいた。顔に大きな傷を持つエゴンは言葉をうまく使えないが、鳥たちとは、障害なく意思疎通がとれているようだ。そんな彼の様子を興味深く見ていたのは、他ならぬユシャッバだった――。
(講談社HPより)
前作の「図書館の魔女 上下」の続編。
同じ世界ですが、主人公は違う。
前作は<一の谷>の図書館の魔女・マツリカとユキヒトの物語だったけれど
今回、ユキヒトは名前がチラッと出てくるのみ。
マツリカは終盤に登場しました!
今回も分厚い本。658頁。
仕事休みの今日、家事の合間に、昼前から読み始め、なんとか夕方に読了。
すごい達成感・・・笑
正直、ちょっと途中、斜め読みしました^^;
言葉は上手く話せないけれど、烏のハァウと意思疎通を図り、情報取集により
仲間の危機を救う・エゴンが主役かな?
エゴンたち剛力の仲間に加え
焼き討ちされた村で意識のなかった少年・黒(ハク)を助け
途中で出会ったニザマの姫君・ユシャッバを安全なところに連れていく。
その行きついた先でマツリカ登場!
マツリカと剛力たちのやり取りが愉快でした^m^
マツリカのクールなかんじ、いいわ~♪
この世界観はやはり素晴らしい!
続編読みたいな。
もう少し、コンパクトにしてほしいけど・・・^^;
★★★★★
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発行年月:2004年3月
富士山のふもとに集め続けたゴミの 要塞に住む妖怪のような老女の話「ジャミラ」他、
霊峰富士にまつわる、せつなくも美しい 小説集!
(文藝春秋HPより)
富士山が出てくる4つの短編。
どの話も良かった!
<青い峠>
コンビニでチーフとして働く岡野(29歳)。
元は医学生だった。大学の友人・飯田と正式信者に
なるために富士山麓の研鑚所にいた時の思い出。
研鑚所で飯田は、亡くなった・・・富士山が好きだった。
バイトのこずえが岡野の支えになってくれそうでホッとする。
これって、オウムの話だよね?
こんな風に能力ある人が潰されちゃう宗教って恐ろしいと改めて感じた。
<樹海>
小学校から受験で入学し、中学卒業で、それぞれ違う進路を選んだ3人の少年。
卒業旅行として、樹海で野宿。
無鉄砲だけれど、何かを学んだようす。
首を吊り損ねた男に遭遇の場面はドキッ!
<ジャミラ>
ゴミに囲まれて富士の麓の街で暮らす老女・木村マツ。
市役所環境課のボクは、木村マツにジャミラと名付ける。
説得に応じ、ゴミ撤去となる。
なんだか、ジャミラが哀しい。
少しでも楽しく人の関わりを感じながらこれからは暮らして欲しいな。
<ひかりの子>
水子供養の観音菩薩にお参りに行った、看護師の美奈子。
自身が関わる堕胎手術で生きられなかった子どもたちの魂が
安らかであるように、祈る。
そこで出会った流産で子どもを亡くした女性・梶川むつ子と
女性ばかりで富士登山するツアーに参加する。
参加女性たちのそれぞれの話が強烈。
なかでも子宮がん末期で最後の頑張りに富士山に登る決心をした小林順子が
印象的。
彼女を支えながら美奈子も登る。
病院勤務で産科に居た時堕胎手術で生きられなかった子どもを、
わたしも見たことあるので美奈子の怒りは共感できた!
どの話も重たいものを抱えた人たちが富士山に救われる。
そういう力がやっぱり、あるんでしょうね。
★★★★★
発行年月:2009年4月
別れたはずなのに続く、
男女の不思議な関係を描いた
傑作五篇を収録!
7年前に別れた恋人が、ある日突然、あぐりの部屋を訪ねてきた・・・
(「お茶が熱くてのめません」)。
終わった恋の苦さを描いた表題作ほか、
別れたあとにも続く男女の不思議な関係と、
それぞれが抱く微妙な感情を巧みに描いた珠玉の5篇。
巻末に著者インタビューを収録
(ポプラ文庫HPより)
<お茶が熱くてのめません>
7年ぶりに会った元恋人。
ドラマの脚本として、自分が妻と子と別れ父親から継いだ会社を倒産させた話を
買ってくれないか?と言う
<もと夫婦>
元妻から、困ったことが起きるたびに呼び出される。
ドロボーが入った、財布を忘れ食事代が払えないなどなど・・・
<下町>
別れた夫と度々会う。
また一緒に暮らさないか?と
<よかった、会えて>
40男が28歳の女性から結婚を言い渡され、結婚式当日。
だが・・・花嫁が来ない。
<夢のように>
ドケチの昔の男(ホテル代を立替えさせる男)から連絡あり。
他の女と結婚するからと別れた男。
他人事だから面白く読んだ。
こんなこと身内のものが同じ状況になったら、
<下町>に出てきた母親みたいに、ヤキモキするだろうなぁ~。
巻末のあとがきにかえて<ユーモアはあらゆるものに勝る>は、面白かった!
著者のユーモア好きです♪
★★★
発行年月:2011年1月
この子を「クヌート」と名づけよう――。白い毛皮を纏った三代の物語。
極北の地に生まれ、サーカスの花形から作家に転身し、自伝を書きつづける「わたし」。その娘で、女曲芸師と歴史に残る「死の接吻」を演じた「トスカ」。そして、ベルリン動物園のスターとなった孫の「クヌート」。人と動物の境を自在に行き来しつつ語られる、美しくたくましいホッキョクグマ三代の物語。多和田葉子の最高傑作!
(新潮社HPより)
ホッキョクグマの3代にわたる物語。
お話も3つの章に分けられている。
<祖母の近代論>
若い頃は、サーカスの花形だった、わたし。
昔のことを思い出しながら自伝を書く。
それが出版社から発表され、海外の人にも読まれる。
が・・・社会主義国のサーカスに対する動物愛護団体の非難に発展してしまう。
<死の接吻>
最初の話のわたしの娘・トスカの物語。
サーカスでほかのホッキョクグマと共演することになるトスカ。
調教師のウルズラとは、心が通い合い、夢のなかでそれぞれが言葉を話し
サーカスのある場面を練習する。
夢のなか以外では言葉を交わすわけではないが、本番のそのとき
お互いが同じ夢を見ていたんだと確信する。
<北極を想う日>
生まれたばかりのクヌートは、飼育員のマティアスの手から乳をもらい
成長していく。
クヌートにとって、マティアスは母親。
しかし成長し、いつもの遊びの最中に手が滑ってマティアスに怪我を負わせて
しまい、自立のときと判断され別の場所へ。
マティアスからはいろいろなことを教えて貰った。
クマが擬人化されているのがユニーク。
それぞれが、人間によって翻弄される様子は哀しい。
<死の接吻>でのサーカスの見せ場のシーンには感動しちゃった!
トスカとウルズラの信頼関係が美しい!
<北極を想う日>のクヌートとマティアスの関係も素敵でした!
成長したら一緒に居られない・・・仕方ないことかもしれないけれど
別れが辛かった。
自分が何故、母親から乳を貰えなかったのか?
クヌートの苦悩も切ない。
文章が美しくて、ちょっと海外文学みたいだなぁ~と感じた。
実際、著者は海外在住らしいと後で知ったけど。
他の作品もいろいろ読んでみたい。
★★★★★
発行年月:2014年3月
「とても疲れている」と感じているあなたに。
きっと気持ちが落ち着くわよ。
坐ってみてどう変わるか、自分で確かめるしかないでしょう───
「恋愛」「容姿」「家族」……尽きせぬ煩悩に効く物語
本当の自分が見つけられない30代無職女子、
悩みを捨てきれぬ40代女流作家の不思議な出会い。
「特に女性にとって恋愛はストレスなのよ。知っている? 女は男の二倍も恋愛でストレスを感じるのよ。うまくいっている時はいいけれど、およそあんなに疲れるものはないわね。そこに、仕事や家族の悩みが加わってごらんなさいな、老(ふ)けこむに決まっているわ」
「悩む。そうね、あなた方はどういうことを悩むと呼んでいるのかしら。多くの場合、恋の悩みは相手が自分の思い通りにならないことでしょう。相手が自分の望むことをしてくれない、相手が自分を好きになってくれない、だから苦しいのではないかしら」
(祥伝社HPより)
二人の女性が、坐禅を通じて過去の自分と向き合う話。
作家の羽鳥ようこは、3.11から1年後、ささやかな慰霊祭を東京の知人のお寺で開催する。
そこに参加していた松下りん子。
慰霊祭が終わった後も会場に残っていて、「助けてください」とよう子から離れず
仕方なく自宅に連れ帰る。
そして、居候生活スタート。
よう子の知り合いのアイリーンが来日し、座禅会を開くというので、そこに、りん子も連れて参加するよう子。
3日間の坐禅会。
アイリーンは日本人とアメリカ人のハーフ。
ニューヨーク在住。
坐禅の意味を説きながら、坐禅をするよう子とりん子の問いかけにアドバイスする。
二人とも過去に重苦しいものを抱えている。
それに坐禅をすることで、素直な気持ちで向き合い、これからの生き方を
前向きに考えて行く。
特に、りん子が自分から今後の生き方を決めた姿には「よかった!」と思った。
なるほど、坐禅とはこういうものなのかぁ~。
イヤイヤ、子どもの頃、体験したことはあるけれど、今やったら
何か心のなかで変わるものあるかな?
ちょっとだけ興味を覚えた。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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