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読んだ本の感想あれこれ。
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20030501_1.jpg   発行年月:2003年5月

  ある冬の日、少女は殺された。
  けれど少女は天国から愛する家族を見守りつづける。
  「わたし、みんなのこと大好きだから、
 ずっとそばにいるから・・・・・・」
  家族の崩壊と再生、そして永遠に消えることない愛を描き、
  全世界からかつてない熱狂で迎え入れられた、驚異のデビュー小説。

    
                            (ア-ティストハウスHPより)



同名の映画が公開され、映画にも興味あったのですが、見に行けず・・・(T_T)
原作本があると知り、読んでみました。


冒頭から、殺されたと語るス-ジ-の言葉。
淡々と事件までの経緯を語るその様子は、何とも言えない気持ちになります。
同年代の娘を持つ親としては辛い話でした。

そして、ス-ジ-は天国で友達となったフラニ-と共に下界の様子を日々観察。
14歳で殺されたス-ジ-。
愛する家族や、好きだった男の子の様子が気になるので、そんな人々を見ながら・・・
でも、自分が居ない世界。

父親は、犯人探しをし、父親なりの勘で、ミスタ-・ハ-ヴェイが犯人だと確信する。
しかし、周囲の人々や警察ですら、その勘を信じてくれない。
確証がないから。ハ-ヴェイの嘘を見破れる者がいないから。
そして・・・・・父親が変わり者とされてしまい、ス-ジ-の妹・リンジ-も殺された少女の妹であり、変わり者の父親を持つ娘と見られてしまう。

家族間もなんだかギクシャクして、母親は辛さに耐え切れず家を出て行く。

どうなるの?この家族は?
と心配しながら読みましたが・・・・年月が少しずつ、傷をほぐしてくれた様子。
警察でも少しずつ、犯人逮捕の手がかりを見つける。

けれど・・・わたしの予想とはちょっと違う展開だったなぁ~。
てっきり犯人・ハ―ヴェイは逮捕されると思ったのだけど・・・・。
その辺、ちょっとスッキリしなかったけど、

家族が少しずつ、それぞれの生き方を見つけていく様子は良かった。
ギクシャクしたのも、お互いを愛していたからかも。

辛い事件の背景にあった家族愛も強く感じられるお話でした。


本の著者紹介で、驚いたことに、本人も大学生のとき、レイプという辛い体験をしたそう。
この物語を自らの体験に基づいて書いたのかな?なんて考えるとちょっと複雑な気持ちになるけど、生きていれば、幸せな暮らしもその後、待っていたとも考えて、レイプした挙句、殺した犯人が余計に許せなくなりました。

映画もDVDで見てみよう!

★★★★
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fd6d3fd7.jpeg発行年月:2007年10月


真実の愛を求めて

「お話して、ピュ-」。みなし児の少女シルバ-は、盲目の灯台守ピュ-に引きとられ、百年前のある牧師の「愛の物語」に耳を傾ける・・・・。大海のごとく、魂を震わす傑作長編!


                      (白水社HPより)

図書館の海外作品の棚を眺めていて、なんとなく手に取り読みました。

冒頭から惹き込まれる文章。
書かれたことが頭の中で風景になって浮かんでくる。
こういう出だしのは、大抵、面白いはず!と期待が高まるかんじでした(^^)

そして・・・面白かった!

シルバ-が孤児になった経緯は、結構、哀しくて泣けるし、盲目のピュ-との暮らしも明るく楽しいわけではないのだけど・・・・・。
暗い闇に覆われたような世界。

盲目のピュ-が語るお話は灯台守たちに受け継がれてきた物語。
そして、100年ほど前にいた、ある牧師・バベル・ダ-クの話が語られる。

ある地から逃げ出すように海を渡り辿り着いた地で全てを終わらせるために結婚。
新妻は物静かで彼を愛したが彼はそうではなく、次第に妻を虐げる。
この辺を語るときは、ちょっと・・・・少女ピュ-に話すのはどうか?
と思われる描写もありましたが・・・^^;

そして、結婚する前に愛していた女性・モリ-との偶然の再会。

ダ-クは、二人の女性の間を行き来するという二重生活に。

物語を語るピュ-は、その時代に存在していたかのようにダ-クの事を語り、シルバ-に「ピュ-はまだ生まれていないでしょ?」と突っ込まれるのだけど。

その後、シルバ-は灯台を去り、今度は自分の物語の為に生きる。

完全にすっきりした終わりではないけれど、いろいろな想いを想像しながら余韻に浸れる。

始終、物語を読みながら、海が頭の中に描かれていました。
最後は、昼間の太陽の下の明るい海というかんじかな?


訳者の方も素晴らしいんでしょう。
文章がとても美しい。

明るい楽しい物語ではないのに、何度、読んでも飽きないかも。


何気なく棚から選んだ本だったけど大当たり!で嬉しい(^^)

でも好みの問題もあるので、みんなにお薦めとは言い難いです^^;

★★★★★
3cd6b69a.jpeg発行年月:2007年2月


天使はものを食べない。あたしは病気でも拒食症でもない、ただ天使になっただけ。だから病院になんてやらないで。あたしの肩から生える羽がもうすぐみんなにも見えるはずだから。


                       (主婦の友社HPより)



主人公のマ-シ-は15歳。
父親は大学の先生。母親は環境問題を扱う弁護士。

両親はマ-シ-に大きな愛情を抱いているし、マ-シ-はすごく優しくて良い子。

でも、食事を食べなくなってしまう。
心配した両親は、何とか食事をしてもらおうといろいろ優しく説得するけれど・・・・自分は天使になる。羽も生えかけているから、食事なんて摂ったら天使になれなくなってしまうと言うマ-シ-。

結局、なんとかマ-シ-を摂食障害を治療する病院に入院させるのだけど上手く治療の成果が上がらない。
同じように治療を受ける女の子たちとの間では友情が育ち、よい友達関係を築くけど、ある事件をキッカケにマ-シ-は病院を抜け出す。

どうなるの?と思っていたら・・・・最後は偶然の奇跡がマ-シ-を救うという話。

図書館の棚にありなんとなく手に取った本ですが、意外と重い内容の出だしで戸惑いました。
同じ年頃の娘を持つ身なので、辛くて・・・
娘が摂食障害になったら?なんて想像しただけで、どうしたらいいのか?

マ-シ-の両親は、冷静に対処していたなぁ~感心!

とっても良い子なだけに、背負っていた物も大きかったんだと段々とわかります。

死産だった弟・ピ-タ-。
母親は仕事で心労、そこに息子の死という哀しみを抱えている。
母方の祖母は昔、ドイツの強制収容所で辛い目に遭っている。

周りの愛する人の苦悩をなんとかしてあげなくちゃ!と思う優しさが少女を追い詰めていた。

でも、その事にちゃんと周りの大人は気づく。
そして少女に語る言葉が素敵だった。

両親、おばあちゃん、病院から逃れて辿り着いた先のメアリ-とカ-ル。

ラストは、みんなが笑顔の様子が想像できてよかった!

いろいろと考えさせられる本でした。

娘にもいつか読んで欲しいな。

★★★★★
246e0f6f.jpg発行年月:2009年7月


ライラックの森にユニコ-ンが暮らしていた。
あるとき、自分は世界でただ一頭のユニコ-ンになってしまったのでは?の不安に駆られて森を抜け、仲間探しの旅に出る。

1968年発表の名作ファンタジ-「最後のユニコ-ン」に37年ぶりに続編「ふたつの心臓」を併せての完全版


文芸誌に紹介されていて、読んでみました。
結構、厚い本で、少し読むのに時間がかかりましたが、面白かった。
面白いと簡単に言えるものではなく・・・・物悲しいけれど美しい、最後は、ちょっと温かいものも感じるお話で、結構、好みの作品でした。

「最後のユニコ-ン」では、自分以外の仲間の存在が気になり、ずっと暮らしていた森から出て、仲間探しの旅に出るユニコ-ン。
自分は気高く美しい生き物と自負していたが、森を出て遭う人間たちには、ユニコ-ンをユニコ-ンとわからない。
そのことに戸惑うユニコ-ン。
まさに浦島太郎状態ですね・・・哀しいです(/_;)

けれど、旅の途中にユニコ-ンに気づいた者がいた。
それは魔術師のシュメンドリック。
もう一人・モリ-・グル-をお供の仲間に、ユニコ-ンの仲間探しの旅に同行する。

旅の最後に訪れたお城で、そこに住む、王と王子と4人の兵士に出会う。

王子とユニコ-ン(魔法で若い美しい姫に変えられて)の恋。

ユニコ-ンの敵、赤い雄牛との対決。

冒険のクライマックスは、ハラハラドキドキ。

魔法によって、人間の心を持ってしまったユニコ-ンの最後の決意は、哀しい。

魔術師に出会わなかった方が幸せだったんじゃないか?
でも、ユニコ-ンのままなら体験出来なかった恋を経験出来たのは良かったのか?

そして、その続編にあたる「ふたつの心臓」
「最後のユニコ-ン」から37年後に発表とあるが、物語自体もかなりの年月を経た様子。

ユニコ-ンが恋した王子は、王になっていたがかなりの高齢。

魔術師・シュメンドリックとモリ-は、その王を雄牛との闘い以来、初めて訪ねようとしていた。
その途中グリフィンにさらわれた友達を救い出してほしいと王様にお願いしに行こうと思っている9歳のス-ズと会い、一緒に王の元に。

リ-ア王は再会を喜び、そして、自らグリフィン退治の為、ス-ズの村に出向く。
王である事を隠し、王に仕える騎士の一人であるとして・・・・


再び、壮絶な闘い。
またまた、ハラハラドキドキ。

そして・・・・・

哀しい・・・・でも美しい・・・・最後に駆けつけたユニコ-ン。

再び出会えて良かった。

読み終えたあと、なんだか、ず~っと不思議な余韻が続いていました。

これ、続編も含めての映像化されないかな?

訳者の金原さんが「あとがき」で書いていますが、「指輪物語」「ゲド戦記」とは、ちょっと違った幻想的ファンタジ-だと思いました。

何度か読み返したい物語!


★★★★★

a4fd0cbc.jpg発行年月:2009年3月


英国現女王エリザベス二世、読書にハマる。
おかげで公務はうわの空、
側近たちは大あわて。

                  (本の帯文より)




英国王室の話って、どうして面白いんでしょう。
ちょっと前に映画館でみた「クイ-ン」面白かったけど・・・・。

これは、エリザベス女王が読書にハマったら・・・・という仮定で書かれた物語。
でもフィリップ公爵や亡くなったダイアナ元皇太子妃の名前も登場してリアルな感じも。

物語の始まりから愉快。
ウィンザ-城で開かれた公式晩餐会の席で女王がフランス大統領に「ジャンジュネ」について訊ねる場面。
ジャン・ジュネって、読んだことないのですが・・・・フランスの作家で同性愛者で囚人だったとか。
女王が興味を持ったその著者の作品、わたしも読んでみたくなりました。


読書にハマったキッカケも面白い。
現実的にはありえない事なんでしょうけど。

そして、女王が読書にハマることで、困る事、あれこれ。
侍従たちは、いろいろな方法で女王の読書熱を妨害したり・・・

謁見者への質問内容が、「どんな本を読んでいるか?」に変わった事を予め招待者たちに教えておき、例えば・・・の作品名(著者名)まで伝えておいたり。

侍従たちにとっては、迷惑な女王の読書熱なのですが、女王自身は読書によって自身が変わっている事に気づく。
そして、ちょっと前と違った言動をするようになるのですが、そんな様子を「モウロクしたんじゃないか?」と囁かれたり・・・

女王ともなると大変だわね~。

でも、そんな女王がどこかチャ-ミングで人間味があっていいなぁ~なんて思いました。

80歳のパ-ティ-の場で自らの決意を語るところも好き。

現実には、これもないかなぁ?

イギリス人ならではの視点で書かれた物語であり、イギリスの王室(女王)だからこそ、こういう物語が成立するのかなぁ~?

映画「クイ-ン」のときも同様に思いましたが、日本に置き換えては、想像することすら無理なかんじですからね・・・・。



★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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