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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年6月


 デビュー短篇集がフランク・オコナー賞候補に。ジンバブエの人々の十三の物語。

「もう決して植民地にはならない」――1980年に独立したアフリカ南部の国ジンバブエ(旧ローデシア)。白人を打ち負かし、理想に燃えていたはずが、いまや天文学的ハイパーインフレが進行中。そんなジンバブエを舞台に、さまざまな階層の人々の悲喜こもごもを描く十三の物語。J・M・クッツェー、イーユン・リー絶賛のデビュー作。

                 (新潮社HPより)



ジンバブエに生まれた著者が書いた物語。
13の短編の主人公たちは、様々な階級。

最初の話<軍葬ラッパが鳴り終えて>は、国家の英雄として国葬される夫について、
国葬されることを冷ややかに思う主人公を描く。

表題作<イースタリーの悲歌(エレジー)>は、貧しい暮らしの人々が住む
イースタリー ファームにどこからか来たマーサ・ムペンゴという女性について
人々がいろいろと噂する様子。
なんだか物悲しい気持ちになりました。


いろいろな環境で暮らす人々の様子がユーモア交じりで語られていて、
馴染みのないジンバブエという国のことが、少しわかりました。
白人を追い出して、独立したアフリカ南部のジンバブエ。
独立するって、良いことばかりじゃないんだな・・・。

スーパーインフレとか、エイズの蔓延とか・・・・
激動の社会のなかでも、人々はたくましい。
国外に出ていく人たちも少なくない。

これから、ジンバブエのことがニュースで耳にしたら、この本のなかの人々の
ことを思い出しそう。


                            ★★★★
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発行年月:2013年11月

オーストラリア児童図書賞最優秀賞を受賞した『テレビのむこうの謎の国』の「その後」を描いた物語です。
前作で、主人公パトリックは、パラレルワールド〈謎の国〉のテレビ番組に出演し、見事「さがしものチャンピオン」になりました。
その賞品として〈謎の国〉とやりとりができるコンピューターをもらってから1週間。
二つの世界を隔てるバリアに異常が起き、通信不能に!
SOSをキャッチしたパトリックは、再び〈謎の国〉へと旅立つのですが、今回は、ひょんなことからパトリックの姉クレアと、弟ダニーも、〈謎の国〉に迷いこんでしまい、バリア異常の謎を解くことだけでなく、姉弟も救い出さなくてはいけない羽目に……。

                   (あすなろ書房HPより)



3日続けてのファンタジー作品となりました^^;
児童書なので、安心して読めるのがいい。

杉田さんのイラストも大好きなので癒されるし。


物語は、パラレルワールド(謎の国)と現実の世界を隔てているバリアの異常を察知した
主人公のパトリックが異常の原因を突き止めて、謎の国に迷い込んだ
姉・クレアと弟・ダニーの救出も試みるというお話。

パトリックな姉と弟の真ん中で、何かと窮屈な想いをしていた。
けれど、この救出劇を通じて、3人の絆が深まったというラストは
微笑ましかった。
パトリックの「ぼくは、何よりすばらしいものを見つけたよ」の
言葉で締めくくられるのがGOOD!


                         ★★★




発行年月:2012年11月

祖母が遺した手帖には、激しく秘めやかな愛の日々が克明に記されていた――。

留守がちだった両親にかわって、いつも傍らにいてくれた優しい祖母。挙式を前にしたわたしは、祖母が遺した一冊の手帖を発見する。そこには、結婚後、保養先で出会った「帰還兵」との秘めやかな愛の日々が記されていた。父はいったい誰の子なのか――。注目のイタリア人女性作家による官能とユーモアを湛えた魅力的な物語。

                   (新潮社HPより)



祖母の手帖に書かれた恋の物語。
語り手は、結婚を控えた祖母の孫。

子どもの頃から、記憶にあるのは、美しく優しい祖母の姿。
しかし、手帖に書かれていたメモは衝撃的なことばかり。

祖父との結婚した理由も変わっている。
二人の間に愛情が全くないのに、両親の決めた結婚を受け入れた祖母。
けれど、語り手の父親は生まれた。

祖母と祖父の夫婦関係にもビックリ!
こんな風に割り切って生活していけるものだろうか????

そして結石の療養に良いという温泉のある場所で暫く暮らす祖母。
そこで、同じような病で療養中の帰還兵と会い、祖母はその帰還兵に惹かれ
二人は恋におちる。
やがて、別れてまた祖父の元に戻り前の生活をするけれど、祖母は帰還兵が
忘れられない。


そして、後半、段々わかってくること、
祖母の病気。

語り手は疑問を持つ。
父は、祖父の子どもだろうか?
もしかしたら、帰還兵との間に出来た子ども?

でもでも、ビックリな事実が最後に・・・
帰還兵からの手紙が出てくるのです!

えぇ~っ!?
そういうことですか・・・

でも、切なく美しい恋愛小説だったと思います。
文章が綺麗でした。
それゆえ、官能的な表現がリアルだった^^;


表紙の絵も雰囲気あって好きだなぁ~。


                         ★★★★




 



発行年月:2013年8月


 どうしていつも、うまくいかないのか? 胸を締めつける9つの愛の物語。

ニュージャージーの貧困地区で。ドミニカの海岸で。ボストンの大学町で。叶わぬ愛をめぐる物語が、傷ついた家族や壊れかけた社会の姿をも浮き彫りにする――。浮気男ユニオールと女たちが繰り広げる、おかしくも切ない9つのラブ・ストーリー。大ヒット作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者による最新作。

                    (新潮社HPより)


前作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』でオスカーのルームメイトとして
登場していたユニオールが今回の主役。
オスカーはイケてない容姿でもてなくてダメダメな男だったけど、
今回のユニオールは、モテるダメ男。
女の子とすぐ仲良くなって、付き合うけれど、他の女の子のこともまたすぐ気になり
浮気して、彼女が怒って・・・・の繰り返し人生。
ああ、こちらのダメ男の方が重症です~^^;

でも憎めないのは、反省するところ。
自分の振られるたびに傷ついてるし・・・。
他人として眺めているには面白い男だけれど、関わりたくわないかんじ。


読みながら気になるのが・・・
男女の関係が赤裸々過ぎなこと。
ちょっと途中でもう読みたくないかんじに正直なって
そういう表現を省いても何ら支障はないように思うのだけど。

ま、話は面白いので我慢して読み切りましたが・・・。
新潮クレストBOOKSはハズレがないんだけどあまり好みの作家さんじゃないな。


                            ★★




発行年月:1997年1月

生意気で動物仲間のボス的存在のネロ。ドイツ人夫妻に可愛がられ、故郷イタリアからドイツへ行くが……有名女流作家の世界的話題作

                 (文藝春秋HPより)


イタリアで縁起の悪いとされる日は13日の金曜日と並んで17日の金曜日。
そして11月は不吉な月とされる。
そんな11月17日金曜日、雷が鳴り響く正午に生まれたのが、この物語の
主人公・ネロ(イタリア語で黒を表す)。
同じ日に生まれた猫がネロを含めて4匹。
ネロはそのなかで斜視で生まれた妹猫・ローザの面倒をよく見ることが
唯一の良い点。
あとは、傍若無人な振る舞いで、家の鶏の卵は奪うし老犬にも凄みを効かせる。

隣は、ドイツ人の夫妻の別荘。
ネロは怖いものなしで、そのドイツ人夫妻に近づき、可愛がられる。
夫人が猫好きだと知り、擦り寄り甘えた声を出し、ミルクや食べ物をねだり
ふかふかなソファーでくつろぐ。
そして、同じ体験をローザにもさせてあげようと連れていく。
夫妻がドイツに帰ると知り、連れて行って貰おうと、可愛い猫を演じ、まんまと
作戦成功。
ローザも一緒にドイツへ向かう。

ドイツに行っても、周りの猫たちを威圧し、ボス気取り。
しかし年を取り、ローザも亡くなってしまうと再びイタリアの故郷が懐かしくなる。
夫妻がイタリアの別荘に行くときに、再び連れて行って貰う。


ネロが可愛い。
乱暴したり威張ったりだけれど、優しいところもあったし・・・。

猫の視点で人間観察している言葉も面白かった。

猫好きなら絶対、楽しめる本です!!

イラストの絵も素敵でした。

                        ★★★★★
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