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読んだ本の感想あれこれ。
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01120c35.jpeg   発行年月:2012年3月

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約一億円を横領した。梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は、果たして逃げ切れるのか? ----自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし・・・。そしてついには顧客のお金に手をつけてゆく。

                                      (角川春樹事務所HPより)


一気読み。
自分の勤める銀行のお金を横領した梅澤梨花の事件を起こすことに至った話を、事件後、彼女を知る人たちの話を交錯しながら進む物語。

主人公の梨花は、子どもの頃からボランティア精神のある優しい子だった。
結婚し、一時は専業主婦だったが、毎日の暮らしに何となく空しさのようなものがあり
銀行のパ-ト勤めに出る。
人当たりがよく優しい性格から、顧客たちの評判もよく、会社側も仕事ぶりを高評価して、フルタイムで働くことになる。

顧客の一人、平林孝三は、高齢の一人暮らしで、財産家。
梨花のことを気に入って、何かと用事を言いつけて家に呼びたがる。
しかし、高額取引者だったりするので、上司も梨花に穏便に取引継続されることを願う。
そして、ある日、孝三の家で孫の光太と知り合う。
大学生の光太は、苦学生だと自嘲し、孝三にお金を都合して貰おうと思ったけれど、ムリだったと語る。


優しい性格だからか、優柔不断なのか・・・・
ちょっと途中から「おぃ!それはマズイだろ?」と突っ込みを入れたくなる梨花の行動。

夫とは、不仲というわけではないけれど、会話のちょっとした部分で違和感を感じたり?
そんなことどこの夫婦にもあるだろうけどなぁ~。
そこに急に現われた自分を慕う若い男性の存在が、そんなふうにさせるのか?


お金を扱う仕事というのも、こんなことになる要因だろうなぁ~。
怖い怖い。


こういうの読むと、こんな状況におかれたら、誰でも同じような過ちを犯しかねないと思ってしまう。

梨花はその後、どうなるんだろ?
残された夫もどうなったんだろう?

特に感動とかはない話だったけど、おもしろかった。


                                          ★★★

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                    発行年月:2012年1月  
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「この口紅をつけて恋はしないよ」

初恋、結婚、別離・・・ドラマはいつも口紅とともに。
すべての女性に贈る、角田光代書下ろし短編小説。

2007年、銀座「HOUSE OF SHISEIDO」で行われた同名の展覧会において、角田光代が書き下ろした「口紅」をテ-マにした小説がついに書籍化。
女性の幼年期から高年期まで、さまざまな年齢のシ-ンでの口紅とのエピソ-ドを描いた作品は、「口紅」の持つ特別な存在感を描き出し、化粧文化のなかで成長していく女性のこころと姿を描き出す。
静謐な文体でありながら、しなやかで力強い生命力が感じられる作品は静かな感動を与える。


                                           (求龍堂HPより)




6歳、12歳、18歳、29歳、38歳、47歳、65歳、79歳
ひとりの女性が年を増しながら語る口紅に関わる物語。

ひとつひとつの話は、とても短いけれど、そこに描かれる情景は、頭のなかに容易に浮かんできた。
65歳と79歳については、まだ経験してないけど・・・^^;

とくに最初の話は、自分も同じようなことを思った記憶があるので、すごくよく理解できた。

女性にとっての「口紅」って、やはり特別なものんなんだと思った。

途中にある、上田さんのモノクロ写真も素敵で、とてもお洒落な本でした(^^)


                            
                                         ★★★★★
184acaac.jpg   発行年月:2011年12月


   なにげない日常の隙間に口を開けている闇。
   それを偶然、覗いてしまった人々のとまどいと恐怖。
   
   夢とうつつの狭間を描く傑作短篇集


                            (文藝春秋HPより)



8つの短編集
「おみちゆき」 「同窓会」 「闇の梯子」 「道理」 「前世」
「わたしとわたしでない女」 「かなたの子」 「巡る」

どれも怖かったけど、わたしは前半3つが特に怖かったぁ~!!

夜、一人でいる居間で読んだので、相乗効果もあったかも。

最初の「おみちゆき」は特にゾゾッ~とした。
ちょっと田舎のちょっと昔の雰囲気。
昔から伝わる村の儀式が「おみちゆき」
寺の和尚さまは、皆の願いを叶えるために、自ら生きたまま土の奥深い棺のなかに入った。
村人が当番制で、和尚さまの生存確認に出向く。
棺から出ている筒の先から声をかけ、和尚さんの返事である鈴の音の有無を聞く。

その様子を想像するだけでも、何か背筋が凍る。

そして、和尚様が亡くなったあとの村人たちの反応も・・・・恐ろしかった。

あ~これ読んで、夜読んじゃいかん本かも!と思ったけれど、怖いものみたさと
角田さんの文章がペ-ジを捲る手を止めてくれなかった(笑)。

次の「同窓会」も閉じ込めてしまった話で・・・・次の「闇の梯子」も暗いところの話。

後半の短編も怖いけど、慣れて来たのか、意外と普通なかんじで読めた(笑)


で、何と言っても、怖いのがこの表紙!!


全部読んだあと、本を閉じるのが怖かった!
話の内容は、どこかで既に読んだり、聞いたりしたようなものでしたが、
角田さんの文章がそんなことはチャラにしてくれる。

なかなか楽しませてもらいました。


★★★

 
376c5667.jpg発行年月:2012年1月


 

愛し方も
死に方も、
自分で決める。


江戸時代、元禄期の大坂で人々が狂喜したように、激烈な恋の物語が今また私たちの心を掻きたてる。
運命の恋をまっとうする男女の生きざまは、時代を超えて、美しく残酷に、立ち上がる ―― 。


300年前、人形浄瑠璃の世界に“心中もの”の大流行を巻き起こした近松の代表作「曾根崎心中」を、直木賞作家・角田光代が現代に甦らせる!


--
これが恋か。初は思った。これが、恋か。
ほほえみながら、泣きながら、高笑いしながら、物思いにふけりながら、不安に顔をゆがめながら、嫉妬に胸を焦がしながら、記憶に指先まで浸りながら、幾度も幾度も、思った。
これが、これが、これが、恋。
(本文より)
--


出会ってしまった心を、止めることはできない。
これが、恋のかたち。

幾世の時を超え、いま究極の恋物語がふたたび始まる。

              (リトルモアHPより)


とても読みやすく、アッという間に読了。

大阪に実際にあった物語らしいですね。
堂島新地の遊女・お初とそこに通う醤油屋の徳兵衛の物語。
似たような話は、幾らもこの時代にはあったと思うけど、こうして読むと、二人の恋はとても純粋で切ない。

いつか徳兵衛が見受けしてくれると信じていたのに、それが叶わぬ事態に。
徳兵衛の不運が重なり、二人が一緒になれるのは、死しかないと。

こんな風に一人の人を強く想い、死ぬこと(死んだあとのこと)に希望を託す二人が、哀し過ぎる。


原作も読んでみたいな。
そうしないと、角田さん独自の解釈がどの辺にあるのかわからないから・・・。


                                           ★★★★
79860bc2.jpg発行年月:2010年7月


幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。 しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。 「あの集まりはいったい何だったのか?」 別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。 大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める-----。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、角田光代の新たな代表作誕生。

<主な登場人物>
  樹里(じゅり)・・・イラストレ-タ-
  沙有美(さゆみ)・・・求職中、29歳
  紀子(のりこ)・・・主婦、一児の母
  波留(はる)・・・シンガ-ソングライタ-
  賢人(けんと)・・・広告代理店勤務
  弾(だん)・・・レコ-ド機器会社の次期社長
  雄一郎(ゆういちろう)・・・フリ-タ-

                                          (毎日新聞社HPより)


読み応えありました。
最初は、親たちに連れられて毎年、とある山荘に集う幼い子どもたちの様子が、とても微笑ましく幸せそうでさえあり・・・それゆえ・・・この後、どう展開していくんだろう?
ここから、どんな物語へと進んでいくんだろう?と期待感が高まりました。

微笑ましいサマ-キャンプに集う親子たちの姿を描きつつ、どこかで、何か不自然だな・・・という気持ちを読み手にも感じさせる
子どもたちも年々、成長し、自分たちはどうしてここに集まるのか?疑問に感じる者が出て来て
自分たちの出生の秘密を各自がそれぞれの場面で知る。

あ~そういう事だったんだぁ~と分かったときには、納得!


それぞれの子どもたちが、葛藤しながら成長していく様子が描かれ、やがて大人になった彼らは再びかつての仲間たちを探し会う。
生きることの意味を見失う者あり、事実を受け止めてたうえで前を向いて歩む者あり。

自分はどうして生まれたのか?
自分にとって家族とは?

う~ん、奥が深いテ-マを描いた作品だったなぁ~。

文章が巧いので、引き込まれるように最初から最後まで読ませてくれて、さすが!

面白かった!


ラストの沙有美が書いた手紙に、今、生きていることに意味があり、そのことに感謝したいという内容には胸が熱くなりました。


★★★★★
 
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