自由で、おいしくて、謎に満ちています。
デパ地下食品売り場の、優しくて不思議な魅力をご案内します。
少し臆病。太るのは嫌い。でも、食べるのは得意。謎解きも、わりと得意。
やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した
梅本杏子(うめもときょうこ)は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。
デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。
プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた
和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。
あなたも、しぶ~い日本茶と一緒にいかがですか?
(光文社HPより)
この本の装丁がかわいい♪
デパ地下の和菓子屋「みつ屋」で起きる、お客さんを介してのちょっとした謎を解き明かしてゆくミステリ-。
本の帯文にもあったけど、和菓子×ミステリ-の絶妙の味わいを楽しみました!!
登場人物たちがいい!
主人公の梅本杏子:通称アンちゃん。ぽっちゃり体型でほっぺがぷくぷくしている可愛い18歳の女の子。高校を卒業しこの先、どうしよう?と思いながら働く場所を探してある日、来たデパ地下で和菓子屋「みつ屋」を見つけ面接を受けてめでたく採用。
店長の椿はるかさんは、面倒見の良い女性だけど、時々、おっさんに豹変。
社員の立花さんはイケメンで職人志望。和菓子の知識もあり頼りになるけど、乙女系男子。
そしてアンちゃんと同じくバイトの大学生・桜井さんは元ヤンキ-。
個性豊か過ぎるメンバ-だけど、職場のム-ドは始終和やかで楽しそう。
そこに訪れるお客さん。
季節の上生菓子を求めてくる品の良い常連さん、会社の上司のお使いでくるOLさん。
季節ごとの和菓子の説明は、目に浮かんでくるようで、和菓子屋さんに行きたくなります(笑)。
そんなお客さんとのやり取りから、ふと疑問に思うあれこれを、みつ屋のメンバ-で推理。
店長の洞察力には脱帽でした!
坂木さんのミステリ-は、日常のどこにでもありそうな謎。
印象的だったのは、お盆に供えるお菓子を買いに来た常連の杉山さんの話。
上生菓子の「松風」を注文の杉山さんに店長の椿さんが「・・・・・松風は必要でしょうか?」と訊ねる。
「松風」というお菓子には、そういう意味があったんですね~。
他にもお菓子の名前に込められた意味が幾つかあって、なるほど、なるほどと感心。
「半ごろし」は、知ってたけど・・・。
ほかに登場のお菓子の名前
「おとし文」 「星合」 「七夕」 「嵯峨野」 など・・・
こういうお菓子の名前は日本の古い書物(源氏物語など)にも登場するらしい。
なんだか、和菓子って歴史にも通じる食べものなんだなぁ~って思ったら、より好きになった!
兎に角、最高に楽しいミステリ-でした♪
南風がはこぶ、とびきりのビルドゥングスミステリ!!
所は沖縄、立地は路地裏、掃除アバウト冷暖房一応完備、朝食激うま、オプションはがんばる女子と日常の謎。
ホテルジュ-シ-へようこそ!!
(角川書店HPより)
楽しかったぁ~(^^)
ミステリの要素はあったかな?でしたが・・・・^^;
大学の夏休み、いつもなら大勢の弟・妹に振り回されて終わるのに、今年は自分で楽しみなさいと嬉しいお達し。
でも、何をしよう?と考えて・・・友達の咲子とあれこれ考え、バイトをしようと結論を出す柿生浩美。
そして、そのバイト先は沖縄。
東京からはるばる沖縄へ。
最初は石垣島のプチホテルでバイトしていたが、バイトが急にやめてしまい人手が不足しているホテルジュ-シ-で次は働いてあげてほしいと言われ・・・・
那覇にあるホテルジュ-シ-へ住み込みのバイトとして向かう。
オ-ナ-代理の安城は、いい加減な男だけど、調理担当の比嘉さんが作る食事は美味しいし、掃除担当のクメさん、センさん姉妹は優しくて、先輩バイトの松谷さんに指導されながらすぐに仕事に慣れる浩美。
ホテルのお客は、大して多くもないが・・・
でも何故かちょっと変わった人達ばかり。
長女気質の浩美は、曲がった事はキライだし、目の前で起きた事に目をつぶっていられない性分。
客であろうと、言いたい事は言う。
オ-ナ-代理によく言われる、男前の性格なのです!
ギャルのアヤとユリ、骨董品屋の田中さん、タクシ-強盗の片棒を担がされてる矢田さん、弁当売りをしてるヤスエさん、久保田夫婦などと関わりながらその男前を前面に出して行く。
オ-ナ-代理の安城はそんな浩美を応援しながら見守っていたけど、最後の久保田夫妻での浩美の態度には驚きのお叱り!
ショックを受ける浩美だけど・・・・自分の考えが間違っていることに気づく。
バイトをするなかで、いろいろな事を学んだんだなぁ~。
いい加減だと思っていたオ-ナ-代理の安城だけど、肝心のところではちゃんと締めるし、良い人じゃん!!
バイトしながら、時々、友達の咲子とメ-ルでやり取り。
咲子は歯医者さんでバイトだったみたい。
その咲子のバイトの話は、また別の本で出ているようなので、そちらも読んでみたい!
青春小説ってかんじで良かった♪
発行年月:2008年10月
慰めなんかいらない。
癒されなくていい。
欲しいのは、星の距離感。
これは天文部に集うスパイたちが、最前線で繰り広げた戦闘の記録。
(本の帯文より)
高校の天文部員4人
自分たちの集まりを、ほかでは決して結びつきそうにない組み合わせだということから、秘密の仲間、スパイみたいだという話になり、コ-ドネ-ムを考えよう!と。
以下はコ-ドネ-ムとその由来簡単な紹介です。
ブッチ=黄田川裕一(部長。体格が良い。家は農家。デリバリ-ピザのバイトをしている)
ギイ=安田朱美(どうみてもギャル。飲食店でバイトをしている。コ-ヒ-を淹れるのが得意)
ゲ-ジ=青山孝志(ア-ティスト(芸実家)臭い。個性的なラテン顔。言葉の最後に付ける言葉が特徴的)
ジョ--中島翠(ぱっと見お嬢様。ク-ル。女に学問など必要ないという父親に反発して勉学に励む優等生)
活動内容は、天体観測が主。
つまり、夜に不定期に集まって夜空を眺めるだけの緩い部活動。
毎日、会うわけでもないので、その他のときには、クラスも別々なので各自、別々の行動。
お互い、友達もほかに居たり。
でも、そんな彼らが集まれば、楽しい雰囲気が自然と出来る。
お互いが、抱えるちょっとした問題を近くに居る人には隠していても、ふと漏らしたり。
そして、その気持ちを共有してあげられる関係。
理想の人間関係。心地よい場所になってゆく。
そんな様子を読んでいて、いいなぁ~と思いました。
学校内で起きる、ちょっとした事件を仲間で推理し、解決するのも楽しかった。
そんな様子から、彼らの本当の姿が見えました。
天体観測をしながら、毎回、登場する夜食がまた美味しそうで・・・笑
なかでも小学校のとき、ボ-イスカウトで学んだというゲ-ジの作るリッツに火であぶったマシュマロと板チョコを挟んでアツアツを食べるのは、ちょっと真剣にマネしたくなりました(笑)
アメリカの子どものキャンプでは定番のおやつだそうですが、ゲ-ジ流には、塩気のあるリッツでアレンジしたとか。
美味しそう!!
最後は、高校を卒業した後の彼らの様子が出てきて、みんなそれぞれの道に向かって歩み始めた姿がわかったのも嬉しかった!
彼らのその後を応援する気持ちで本を閉じました。
大人が自分の学生時代を振り返りながら読むのも楽しいし、今、学生の人が読んでも楽しいお話だと思います。
★★★★
2008年2月(第3刷)
あなたのまわりのちょっとした事件。
先生と僕が解決します。(ホントに!?)
(こわがりな大学生+ミステリ大好き中学生)×謎=名探偵!!
(本の帯文より)
物語の主人公は先生と僕。
伊藤二葉:18歳。人が殺される小説は読めない。地味で冴えない極度のこわがり屋。
でも記憶力には自信がある。大学生になり始めて都会での一人暮らし。
瀬川隼人:13歳。ジャニ-ズばりの爽やかな笑顔でミステリ大好き。都会の裕福な家庭に育ったひとりっこ。
二人は公園で偶然出会う。
隼人が公園で一人佇む二葉に「大学生?学生証みせて」と声を掛け、言われるままに学生証を見せると「S大の理数系。頭いいんだね・・・・・家庭教師になってほしい」と。
大学に受かったといっても、記憶力だけでの合格で・・・・勉強はホントは得意じゃないし・・・と渋る二葉に
「勉強では困ってないから、家庭教師のフリをしてくれればいいんだ」と。
この最初の時点から、18歳と13歳の立場は、逆じゃないか!?と(笑)
気弱な二葉に対して、理論を並べて相手を説得しちゃう隼人。
ちょっと嫌味な中学生?と思いきや、全然、違って、とってもかわいいのです♪
二葉に兄弟がいるのを聞くと羨ましいと素直に言ったり・・・・
プ-ルに二人で行こうと二葉が誘うと「プ-ルの後のカキ氷は絶対だからね!」なんて。
そんな隼人に対して、時には兄貴の気分を楽しむ二葉もかわいいけど・・・・。
二人は結構、一緒に行動するんだけど、そこで偶然、ちょっとした事件に遭遇し、それを二人で探る。
本屋だったり、漫画喫茶、区民プ-ル、ペットショップなどなど・・・。
殺人ほど重い事件じゃないけれど、真相を見事に推理する二人(主導権は隼人ですが・・・^^;)。
事件を追いながら、それに関する感想を述べる隼人の考え方もなかなか深いものがあり「なるほど~」と感心。
ミステリ好きの隼人が二葉のために殺人が絡まないミステリ小説を幾つか紹介するのも面白い。
江戸川乱歩やアイザック・アシモフほか。
巻末にそれらの文庫リストが丁寧に載せてあるのもなかなか親切。
幾つか気になるのがあるので、メモしておいて読んでみようかな?
怖がりの二葉用に隼人が選んだ作品なので、子どもにも良いかも。
坂木さんの作品は前回「短劇」を読んでどれも気に入り、もう少し長い話が読んでみたく、こちらを借りました。
これは事件を追うので話が5つに分かれています。
どの話も面白かったけど「額縁の裏」は、ちょっと誰でも遭遇しそうな事件みたいで怖かった。
そのときは、隼人くんの忠告を思い出すことにしよう!
これは、大人が読んでも、子どもが読んでも楽しめそうなので、家族にも薦めました!
ささやかな悪夢を、お目にかけましょう。
・・・・・・醒めないかもしれないけれど。
坂木司、はじめての奇想短編集。
少しビタ-ですが、お口にあいますでしょうか。
(本の帯文より)
この作家さん、名前は、知っていますが、今まで読んだことありませんでした。
でも、どのお話もすご~く気に入りました!
お話は全部で26編。
1つが10ペ-ジ前後でとても短いのですが、どれもよかった!
最初の「カフェラテのない日」は、ほのぼの系で、あ~いいかんじ。
次の「目撃者」は、ステンレスの流し台が主人公の少し変わったお話ですが、なかなかおもしろい。
というかんじで、読み進み・・・・途中から結構、不気味なお話に突入していきます。
「穴を掘る」は、背筋が少し寒くなりました。主人公がどんどん地中に穴を掘っていくだけの話なのですが・・・異様なかんじがなんとも不気味。
最後のお話「いて」も正体不明なその者(物?)がなんとも不気味でした。
怖かったのは「ゴミ掃除」と「試写会」かな?
そして一番、わたしが気に入ったのは「最後の別れ」かな?
大陸から遠く離れた島で長い闘いの果てで、もう生き残りは居ないんじゃないか?という状況で出会う二人の兵士の話。
二人の会話が良い。
そして、二人で、今後の事を考え下した結論が、なかなか深い。
こんなにいろいろな要素を持った話が書ける作家さんを今まで知らないでいたなんて!
今から、過去の作品、あれこれ読みたいと思います!
この本、装丁もなかなかセンス良いです!!
本がちょっと一般の本に比べたら小さい?横が短い長方形。
そして、目次やひとつひとつのお話の題字のペ-ジがいいかんじでした。
一人で楽しむのは勿体ないので、家族にも薦めてみよう!
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;