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読んだ本の感想あれこれ。
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86332184.jpg   発行年月:2006年10月(第1刷)


   米原万里 全書評1995-2006
   
   絶筆となった壮絶な闘病記(「私の読書日記」週間文春)を収録した最初で最後の書評集。

   第一部 私の読書日記
   第二部 書評 10年間に執筆した書評140編を収録!

                                     
(本の帯文より)

主人から「本好きなら、凄く面白いと思うよ」と薦められて読みました。

米原真里さんは、テレビで何度か見たことがあり、頭の良い方だなぁ~という印象でしたが、2006年5月に亡くなっていたのは、この本を読むまで知りませんでした。

そして、この書は、闘病生活を送りながらも書き続けていた読書日記と140編の書評から成っています。
「読書日記」を読むと、米原さんと言う方の人柄がよく伝わります。
読んだ本に関するちょっとしたエピソ-ドもあり、結構、お茶目でユ-モアのある方だったんだなぁ~などと新たな発見もありました。

「打ちのめされるような・・・・」と表題がありますが、友人が、ある本(海外の作家)を大絶賛し薦めるので、それを読んだ後、確かに、面白いけど、これに似た感じでもっと凄いのが日本にはあるじゃない!
と逆にその友人に「これを読んで打ちのめされなさい!」という逆にある本を薦める場面が印象的!

その米原さんが「打ちのめされなさい」と仰った本は・・・丸山才一の「笹まくら」

恥ずかしながら、作家さんの名前すら知りませんでした。
米原さんの言う「過去の名著を顧みない若者が多い」と叱咤されちゃう一人です・・・^^;

近いうちにこれは読まなくては!とメモしました。
他にも何冊か、メモをしてあるので、そのうち読みます!!

本の事以外にも、ロシア通訳者ということで、難しいロシア情勢についての話、当時の小泉政権に関する厳しい批判なども書かれていました。


兎に角、この書は勉強になることばかり。
手元に置きたい!
文庫本も出ているようなので、購入しよう!
そして、付箋を貼りまくろう!!赤ペンでチェックしながら・・・・再読しよう!
そんな本でした。

でも、癌に侵され、闘病の日々を綴った部分もあり、なんとも切ない気持ちになりました。
こんな知識と素晴らしい筆技を持ちながら、56歳で逝ってしまったとは!
すごく残念です。
ご本人が一番、無念だったでしょう。


素晴らしい本でした。
この本、そのものが 打ちのめされるすごい本でした!

★★★★★
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934e2da6.jpg発行年月:2008年12月


うるさい夫婦も黙った、旬の手料理120品と器づかいのごちそう

里芋の煮ころがしから焼き鳥まで、白洲さん家ならではの作り方、盛り付け方、食べ方があるのでした。愛娘が明かす、ちょっと可笑しいエピソ-ドとともに、夕ごはんを一緒にどうぞ!

                        (本の帯文より)


図書館の料理本コ-ナ-の棚でふと、目に留まりました。

白洲次郎さんの本を少し前に読んで、NHKのドラマでも放送され、そこから想像する白洲次郎像がなんとなく自分の頭の中にありましたが、白洲夫妻の長女である著者の目には、普通の父と母であり、食べものを前にした時に交わされる会話などは、本当に普通の親子の会話でした。
そこには、嬉しい意外性もあったりして、楽しく読みました。

お料理は1月の からすみ、このわた、このこ、ふきのとうの醤油まぶし。わさびの葉の醤油漬け
から始まります。
ちょっと我が家では、あまり出さない食材も多いのですが、反対に「へ~こういう物も好きなのね?」なんて物もありました。

お料理は全て著者である桂子さんが撮影前に作ったのだとか。
作った後は、関係者で楽しく食べたとも。

そして、お料理が盛られている器の数々がまた素晴らしい。
とても高価なものもあるでしょうが、昔から家で使われているものとして、器の紹介も同時にしてくれているので、美術品を眺めるような楽しみもありました。

江戸後期の瀬戸石皿に切り干し大根だったり
幕末の瀬戸小鉢に枝豆を入れてあったり・・・・ステキ!!
特に、わたしは大正時代の古ガラス類に惹かれました。
形もおしゃれ!
この暑い時期だから、大正時代の氷コップに盛られた冷製トマトのカクテルにはうっとり~♪

著者の桂子さんのご主人・牧山圭男氏(麻生総理の甥御さんだそう)は陶芸家なんですね?
ご主人の作品も料理が盛られて沢山、載っていました。
カレ-の薬味入れは、リクエストで作ってもらったそうですが、とってもステキで、わたしも欲しいくらい!
他にも頼んで作ってもらった物がありました。


とても楽しい本でした!!

そうそう、白洲次郎さんのドラマ、NHKで9月に放送されますね。
第1話と2話は少し前に放送されたのでした、見逃し残念でしたが、それも合わせて3話を3夜連続で放送されるそう。

今から、ドラマも楽しみです!

★★★★
455a2899.jpg発行年月:2008年4月


アメリカでは、人種問題についてその核心に触れることなく、タブ-化している。シェルビ-・スティ-ルは、オバマを題材に、説得力ある筆致で、この痛ましい現実を真正面から取り上げている--------ニュ-ヨ-ク・タイムズ

   
       
                  (本の帯文より)


図書館のノンフィクションコ-ナ-を眺めていて、この書が目に留まりました。
オバマ氏関連の書物は、たくさんありましたが、何故かこれに惹かれました。


本書の発行は、2008年4月。
オバマがアメリカ合衆国大統領に就任したのは、2009年1月なので、もしかしたら、アメリカ初の黒人の大統領の誕生か!?という時期に書かれたものです。

著者は、本書の中でも述べていますが、オバマ氏と同じ立場。
シカゴ出身で母親が白人。父親が黒人の、いわゆる混血。
そんな立場の著者ならではの視点で、書かれた本。


オバマの大統領選挙に臨む姿勢とか、政策などについては、殆ど書かれていないので、どうアメリカという国(世界)を動かしていこうと思っているのか?が知りたい人には、ちょっと肩透かしな本だと思います。
けれど、アメリカという人種問題を抱えた国で、大統領という立場で臨む、今後のオバマ氏については、いろいろと過酷な課題が山積みであるということが、なんとなくわかるものでした。

日本人のわたしには、「オバマって白人と黒人の混血なのね?」という認識なのですが、アメリカ人には「一滴の血のル-ル」があるそうで、つまり、一滴でも黒人の血が混ざっていたら、黒人という人種差別主義があるのだと。
そういう意味で、オバマ氏は黒人なのですね。

でも、なら黒人として見なされるというわけでもなく・・・・黒人のなかには「純粋な黒人じゃない」と見る人もいるのが厄介なところ。

最近では、人種差別をしてきた側の白人には、過去の差別に対する罪の意識から、黒人だから・・・・と社会のなかで成功する妨げになる要素にはならないと考える人が多いのも事実だとか。

むしろ、そのことにいつまでも執着してるのは、黒人の側とも。
個人の問題を人種問題にかこつけて、自己責任から逃避している人もいるのは問題だと。

なるほど・・・難しい問題だ・・・。


そんな白人と黒人、それぞれに支持されなければ、黒人が大統領になれない国、アメリカ。

が、オバマはどちらからも高支持率で大統領に就任。

白人は、オバマを大統領にしたことで、かつての人種差別の罪に免罪符をもらったような気持ちになり、黒人は、オバマが大統領になったことで、自分たちの要求を政策に反映してくれると期待する。

著者が言うように、どちらにも合う仮面をつけるのが上手な人だからかな?
意識的にしているのかどうかは、わからないけど。


最近のニュ-スでは、支持率低下傾向と言っていますが、それでも50%以上あるわけで、日本の総理大臣は・・・・・・?

まだ、就任半年ですから、そう簡単に経済が上向きになったり、明言どおり核兵器のない世界にはならないでしょう。

でも、どこか誠実そうな、あの容姿は、アメリカ人ではないし、経済情勢や政治に無知なわたしにも「何か良い方向に導いてくれる人なんじゃない?」という漠然とした期待を抱いてしまう不思議な魅力があるのよね?

日本にも、そういう期待を抱けるリ-ダ-が現れたらいいのに・・・・・。


そんなに厚い本でもないし、分かり易い文章で読みやすく、知らなかったことがいろいろ書かれていて勉強になりました。

★★★★



b40ca7d4.jpg発行年月:2009年6月


西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリリングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、シリ-ズ大絶賛!

「もっと読みたい」との読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾!


                         
(朝日出版社HPより)

シリ-ズ完結編らしいですが、わたしは、これが最初。

絵画は好きでよく美術館にも行きますが、ちゃんとした解説をいつも聞かず、自分の感性のみで見ていました。

が、この著者の解説を読むと、今まで自分が見て感じていたことは、薄っぺらだったんだ!と思います。

本書で紹介されている絵画は20作品。
見たことある絵も幾つか。全く初めてみたものも多かったです。

「怖い絵」とありますが、見たからに怖い絵は意外と少なくて、この表紙のフュ-スリの「夢魔」も怖いですが、ほかには、ル-ベンスの「メドュ-サの首」くらいかな?

ほかは、多少不気味なものもありますが、そんなに絵そのものには怖さはないのです。

一番最初のボッティチェリの「ヴィ-ナスの誕生」は、有名なので、多くの方が見たことあると思いますが、これの何処が怖いの?とわたしは思いました。貝殻の中央に立つヴィ-ナスも綺麗だし、周りの風景も明るめで花が舞ってる。
でも、解説を読んでビックリ!
何度も解説文と絵を交互に見ながら・・・へえ~なるほど~と感嘆!

著者は西洋史に詳しい方なので、絵画の書かれた時代背景や、絵画を描いた画家の境遇などにも触れて、その絵の持つ隠れた意味を解き明かしてくれます。


憂いを含んだ可愛い少女の笑顔が何となく哀しげで惹かれた「ベアトリ-チェ・チェンチ」という絵の真実を知ったときは、なんとも言えない気持ちになりました。

絵の中の可愛い少女が父親殺しの罪で斬首される前の表情だと書かれていて・・・。
父親を殺さなければいけなかったその境遇も可哀相だが、父親を殺したのだから斬首されなければならないというその当時の考え方が怖い。
その斬首の場面の記載も・・・・ゾゾッ~

兎に角、こういう解説を読むと、今のこの時代にこの国で生きていることをありがたく思います。


ひとつ、ひとつの絵画、解説を読むと・・・ものすごく怖かった。
絵画なんてあまり興味がないという方にもお薦め!

怖いもの見たさで、1と2も読んでみようかな?

また、この著者のほかの書物にも興味が沸きました。

★★★★★
398fee6a.jpg発行年月:1971年


1969年1月2日、悦子の二十歳の誕生日。
この書はその日から立命館大学の三年生に進級し、学生運動に参加した同年6月22日までの学生生活を主に綴った彼女の日記。

最後の日記を記した二日後、6月24日鉄道自殺。




もうかれこれ20年以上前にこの書を読んだ記憶。
そのときは、彼女の年に近かったので、同じような年齢なのに、随分、大人びた考え方をする人だったんだと感心すると同時に、綴られる言葉が独特の雰囲気で、高貴な感じすら覚え、ちょっと憧れた覚えもありました。

今年になり、大学ノ-トの様な表紙の新装版が発行されたのを知り、図書館で既にあるこの書を借りて読んでみました。

20数年前に読んだ時の感想とやや違う感じを得たことに、気づきました。
年を取ったということでしょうけど・・・。

今回は、本人の気持ちに寄り添うよりも、第三者的、母親のような気持ちで読んでいる自分がいて
こういう時代に生まれたが為に抱えた苦悩だったのか?

あまりにも繊細な自意識が彼女を追い込んでしまっている哀しさを強く感じました。

1960年代は、全国各地で学生運動がさかんに行われていた時代。
まだ幼かったわたしでも、なんとなくニュ-スで見ていたので、ヘルメットを被り、何やら捧のような物を持ち、機動隊に向かう学生たちの姿を記憶しています。

著者もその学生運動に参加するのですが、その活動を支持する側、そうでない側、どちらに行くべきか悩んでいる。
しかし、結局は、はっきりした態度を取らなきダメなんだ!と思い、前以上に運動に積極的に関わる。
運動そのものを支持するからというよりは、周りとの調和を考えての行動だったのか?

アルバイト先の男性と恋愛関係になるが、男性には、ほかにも恋愛関係の女性がいて、失恋。
日記には、その後も未練が残っているような事が記されている。

学生運動をしながら、社会に対して、人間関係に対してどんどん孤独を感じる彼女。
痛々しい。
若い頃、読んだときは、その部分にやや寛容に共感できた部分が今は、痛々しいとしか言えない。

彼女の選んだ自殺は愛してくれた家族を深い哀しみに陥れてまでする我がままな行為とするのは酷すぎるかもしれないけれど、この年齢で読むと、そんな感情が強く沸いてきます。

自分が2人の娘を持つ、母親という立場にいることが大きいと思いますが。

最後に遺した詩は、胸に響きます。
これは、若い頃にも同様に響きました。

本の最初に載っている、明るい笑顔を読み終えた後、再び見ると、泣けてきました。

素晴らしい詩を書く彼女の感性。
生きたまま、その感性を生かして、もっと沢山、違う物を書いて欲しかった。

自ら、死を選んだことが残念でなりません。

★★★★★


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