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読んだ本の感想あれこれ。
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934e2da6.jpg発行年月:2008年12月


うるさい夫婦も黙った、旬の手料理120品と器づかいのごちそう

里芋の煮ころがしから焼き鳥まで、白洲さん家ならではの作り方、盛り付け方、食べ方があるのでした。愛娘が明かす、ちょっと可笑しいエピソ-ドとともに、夕ごはんを一緒にどうぞ!

                        (本の帯文より)


図書館の料理本コ-ナ-の棚でふと、目に留まりました。

白洲次郎さんの本を少し前に読んで、NHKのドラマでも放送され、そこから想像する白洲次郎像がなんとなく自分の頭の中にありましたが、白洲夫妻の長女である著者の目には、普通の父と母であり、食べものを前にした時に交わされる会話などは、本当に普通の親子の会話でした。
そこには、嬉しい意外性もあったりして、楽しく読みました。

お料理は1月の からすみ、このわた、このこ、ふきのとうの醤油まぶし。わさびの葉の醤油漬け
から始まります。
ちょっと我が家では、あまり出さない食材も多いのですが、反対に「へ~こういう物も好きなのね?」なんて物もありました。

お料理は全て著者である桂子さんが撮影前に作ったのだとか。
作った後は、関係者で楽しく食べたとも。

そして、お料理が盛られている器の数々がまた素晴らしい。
とても高価なものもあるでしょうが、昔から家で使われているものとして、器の紹介も同時にしてくれているので、美術品を眺めるような楽しみもありました。

江戸後期の瀬戸石皿に切り干し大根だったり
幕末の瀬戸小鉢に枝豆を入れてあったり・・・・ステキ!!
特に、わたしは大正時代の古ガラス類に惹かれました。
形もおしゃれ!
この暑い時期だから、大正時代の氷コップに盛られた冷製トマトのカクテルにはうっとり~♪

著者の桂子さんのご主人・牧山圭男氏(麻生総理の甥御さんだそう)は陶芸家なんですね?
ご主人の作品も料理が盛られて沢山、載っていました。
カレ-の薬味入れは、リクエストで作ってもらったそうですが、とってもステキで、わたしも欲しいくらい!
他にも頼んで作ってもらった物がありました。


とても楽しい本でした!!

そうそう、白洲次郎さんのドラマ、NHKで9月に放送されますね。
第1話と2話は少し前に放送されたのでした、見逃し残念でしたが、それも合わせて3話を3夜連続で放送されるそう。

今から、ドラマも楽しみです!

★★★★
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455a2899.jpg発行年月:2008年4月


アメリカでは、人種問題についてその核心に触れることなく、タブ-化している。シェルビ-・スティ-ルは、オバマを題材に、説得力ある筆致で、この痛ましい現実を真正面から取り上げている--------ニュ-ヨ-ク・タイムズ

   
       
                  (本の帯文より)


図書館のノンフィクションコ-ナ-を眺めていて、この書が目に留まりました。
オバマ氏関連の書物は、たくさんありましたが、何故かこれに惹かれました。


本書の発行は、2008年4月。
オバマがアメリカ合衆国大統領に就任したのは、2009年1月なので、もしかしたら、アメリカ初の黒人の大統領の誕生か!?という時期に書かれたものです。

著者は、本書の中でも述べていますが、オバマ氏と同じ立場。
シカゴ出身で母親が白人。父親が黒人の、いわゆる混血。
そんな立場の著者ならではの視点で、書かれた本。


オバマの大統領選挙に臨む姿勢とか、政策などについては、殆ど書かれていないので、どうアメリカという国(世界)を動かしていこうと思っているのか?が知りたい人には、ちょっと肩透かしな本だと思います。
けれど、アメリカという人種問題を抱えた国で、大統領という立場で臨む、今後のオバマ氏については、いろいろと過酷な課題が山積みであるということが、なんとなくわかるものでした。

日本人のわたしには、「オバマって白人と黒人の混血なのね?」という認識なのですが、アメリカ人には「一滴の血のル-ル」があるそうで、つまり、一滴でも黒人の血が混ざっていたら、黒人という人種差別主義があるのだと。
そういう意味で、オバマ氏は黒人なのですね。

でも、なら黒人として見なされるというわけでもなく・・・・黒人のなかには「純粋な黒人じゃない」と見る人もいるのが厄介なところ。

最近では、人種差別をしてきた側の白人には、過去の差別に対する罪の意識から、黒人だから・・・・と社会のなかで成功する妨げになる要素にはならないと考える人が多いのも事実だとか。

むしろ、そのことにいつまでも執着してるのは、黒人の側とも。
個人の問題を人種問題にかこつけて、自己責任から逃避している人もいるのは問題だと。

なるほど・・・難しい問題だ・・・。


そんな白人と黒人、それぞれに支持されなければ、黒人が大統領になれない国、アメリカ。

が、オバマはどちらからも高支持率で大統領に就任。

白人は、オバマを大統領にしたことで、かつての人種差別の罪に免罪符をもらったような気持ちになり、黒人は、オバマが大統領になったことで、自分たちの要求を政策に反映してくれると期待する。

著者が言うように、どちらにも合う仮面をつけるのが上手な人だからかな?
意識的にしているのかどうかは、わからないけど。


最近のニュ-スでは、支持率低下傾向と言っていますが、それでも50%以上あるわけで、日本の総理大臣は・・・・・・?

まだ、就任半年ですから、そう簡単に経済が上向きになったり、明言どおり核兵器のない世界にはならないでしょう。

でも、どこか誠実そうな、あの容姿は、アメリカ人ではないし、経済情勢や政治に無知なわたしにも「何か良い方向に導いてくれる人なんじゃない?」という漠然とした期待を抱いてしまう不思議な魅力があるのよね?

日本にも、そういう期待を抱けるリ-ダ-が現れたらいいのに・・・・・。


そんなに厚い本でもないし、分かり易い文章で読みやすく、知らなかったことがいろいろ書かれていて勉強になりました。

★★★★



b40ca7d4.jpg発行年月:2009年6月


西洋名画に秘められた恐るべき怨念・冷酷・非情を、歴史の裏の裏まで知り尽くした著者が、鮮やかな筆致でとき明かす、知的でスリリングな美術エッセイ。「絵ってすごい」と各メディア、シリ-ズ大絶賛!

「もっと読みたい」との読者の期待に応え、さらに怖い、待望の第三弾!


                         
(朝日出版社HPより)

シリ-ズ完結編らしいですが、わたしは、これが最初。

絵画は好きでよく美術館にも行きますが、ちゃんとした解説をいつも聞かず、自分の感性のみで見ていました。

が、この著者の解説を読むと、今まで自分が見て感じていたことは、薄っぺらだったんだ!と思います。

本書で紹介されている絵画は20作品。
見たことある絵も幾つか。全く初めてみたものも多かったです。

「怖い絵」とありますが、見たからに怖い絵は意外と少なくて、この表紙のフュ-スリの「夢魔」も怖いですが、ほかには、ル-ベンスの「メドュ-サの首」くらいかな?

ほかは、多少不気味なものもありますが、そんなに絵そのものには怖さはないのです。

一番最初のボッティチェリの「ヴィ-ナスの誕生」は、有名なので、多くの方が見たことあると思いますが、これの何処が怖いの?とわたしは思いました。貝殻の中央に立つヴィ-ナスも綺麗だし、周りの風景も明るめで花が舞ってる。
でも、解説を読んでビックリ!
何度も解説文と絵を交互に見ながら・・・へえ~なるほど~と感嘆!

著者は西洋史に詳しい方なので、絵画の書かれた時代背景や、絵画を描いた画家の境遇などにも触れて、その絵の持つ隠れた意味を解き明かしてくれます。


憂いを含んだ可愛い少女の笑顔が何となく哀しげで惹かれた「ベアトリ-チェ・チェンチ」という絵の真実を知ったときは、なんとも言えない気持ちになりました。

絵の中の可愛い少女が父親殺しの罪で斬首される前の表情だと書かれていて・・・。
父親を殺さなければいけなかったその境遇も可哀相だが、父親を殺したのだから斬首されなければならないというその当時の考え方が怖い。
その斬首の場面の記載も・・・・ゾゾッ~

兎に角、こういう解説を読むと、今のこの時代にこの国で生きていることをありがたく思います。


ひとつ、ひとつの絵画、解説を読むと・・・ものすごく怖かった。
絵画なんてあまり興味がないという方にもお薦め!

怖いもの見たさで、1と2も読んでみようかな?

また、この著者のほかの書物にも興味が沸きました。

★★★★★
398fee6a.jpg発行年月:1971年


1969年1月2日、悦子の二十歳の誕生日。
この書はその日から立命館大学の三年生に進級し、学生運動に参加した同年6月22日までの学生生活を主に綴った彼女の日記。

最後の日記を記した二日後、6月24日鉄道自殺。




もうかれこれ20年以上前にこの書を読んだ記憶。
そのときは、彼女の年に近かったので、同じような年齢なのに、随分、大人びた考え方をする人だったんだと感心すると同時に、綴られる言葉が独特の雰囲気で、高貴な感じすら覚え、ちょっと憧れた覚えもありました。

今年になり、大学ノ-トの様な表紙の新装版が発行されたのを知り、図書館で既にあるこの書を借りて読んでみました。

20数年前に読んだ時の感想とやや違う感じを得たことに、気づきました。
年を取ったということでしょうけど・・・。

今回は、本人の気持ちに寄り添うよりも、第三者的、母親のような気持ちで読んでいる自分がいて
こういう時代に生まれたが為に抱えた苦悩だったのか?

あまりにも繊細な自意識が彼女を追い込んでしまっている哀しさを強く感じました。

1960年代は、全国各地で学生運動がさかんに行われていた時代。
まだ幼かったわたしでも、なんとなくニュ-スで見ていたので、ヘルメットを被り、何やら捧のような物を持ち、機動隊に向かう学生たちの姿を記憶しています。

著者もその学生運動に参加するのですが、その活動を支持する側、そうでない側、どちらに行くべきか悩んでいる。
しかし、結局は、はっきりした態度を取らなきダメなんだ!と思い、前以上に運動に積極的に関わる。
運動そのものを支持するからというよりは、周りとの調和を考えての行動だったのか?

アルバイト先の男性と恋愛関係になるが、男性には、ほかにも恋愛関係の女性がいて、失恋。
日記には、その後も未練が残っているような事が記されている。

学生運動をしながら、社会に対して、人間関係に対してどんどん孤独を感じる彼女。
痛々しい。
若い頃、読んだときは、その部分にやや寛容に共感できた部分が今は、痛々しいとしか言えない。

彼女の選んだ自殺は愛してくれた家族を深い哀しみに陥れてまでする我がままな行為とするのは酷すぎるかもしれないけれど、この年齢で読むと、そんな感情が強く沸いてきます。

自分が2人の娘を持つ、母親という立場にいることが大きいと思いますが。

最後に遺した詩は、胸に響きます。
これは、若い頃にも同様に響きました。

本の最初に載っている、明るい笑顔を読み終えた後、再び見ると、泣けてきました。

素晴らしい詩を書く彼女の感性。
生きたまま、その感性を生かして、もっと沢山、違う物を書いて欲しかった。

自ら、死を選んだことが残念でなりません。

★★★★★


b8d88919.jpg発行年月:2009年1月(第1刷)


チェ・ゲバラとはどんな男だったのか。彼とともに生き、闘い、最期を見届けた者たちの証言により浮かび上がる伝説の革命家の実像。戦場で重傷を負って死んだと発表されたゲバラだが、本当は捕らえられた村で暗殺されたのだった。最後の食事を運んだ少女、銃声を聞いた農夫、遺体に触れたジャ-ナリストなどの貴重な証言が、ボリビアの山村を訪れた作家戸井十月の前に、伝説以前のリアリティとして衝撃的に立ち上がる。著者渾身の現地インタビュ-による書き下ろしドキュメンタリ-。
                                 (本の帯文より)


今年初めに映画「チェ 28歳の革命」 「チェ 39歳別れの手紙」が公開されました。
正直、チェ・ゲバラの名前は、耳にしたことはあるけど・・・・だれ?くらい無知でした。

映画を見たかったのですが、見に行けず・・・先日、「白洲次郎」の本を読みながら、そういえば、ゲバラのことも知りたいんだった!と思い出し、図書館で棚を探し、結構、関連本はあったのですが、なんとなくこの表題と写真に惹かれて借りて来ました。
今年、発売の本というのは、家で本を開いたとき、気づきました。

著者は以前にもゲバラの本「チェ・ゲバラの遥かな旅」を書いているそうですが、なんとなく自身の中に納得いかない部分があり、ゲバラが最期に見た風景を実際に見て、確かめたいと思ったとか。

ゲバラも若い頃(医学生)、バイクにまたがり南米大陸を横断しているそうだが、著者も同じようなル-トをバイクで旅して廻っている。
ゲバラがそうしたからか、自身の趣味なのか?

そして、今回も旅をしながら、ゲバラゆかりの地で実際にゲバラと接した人たちからいろいろな話を聞いてゆく。

若い頃旅の途中で知り合ったカストロ(前議長)と共に、アメリカに後押しされるままに政治腐敗と不正義、不平等が蔓延するキュ-バの社会を改革しようと真剣に考え、それには、今の軍事独裁政権を打破するしかない。その為には武装蜂起しかあり得ないと結論に達し、少ない人数で立ち向かうゲバラとカストロ。

数では圧倒的、不利だったが、士気の高さでは遥かに勝っており、キュ-バの軍事独裁政治を崩壊させる。
そして、カストロが国を治める事になるのだが・・・・・そこで留まらないゲバラ。

自身はキュ-バが開放されたら、ここを去ろうと決めていた。
カストロもその意思を尊重。

そして、次の独裁と貧困に苦しむ地へと向う。
どうして険しい道に自ら進むのか?
その真意には、疑問がずっと付いてまわるのですが・・・・・パワフル!なんて強い精神力の持ち主なんでしょう!!

しかし、ボリビアで、捕らえられ、国軍の兵士により銃殺されてしまう。

国民たちは、国軍よりゲバラたちは極悪非道な侵略者という先入観を植え付けられていた。
そして、恐れていた。
そんな状況下ならゲバラらしい男を見たと軍に報告するのも仕方ないこと。
ゲバラの真の目的を知ることは不可能。

捕らえられたゲバラに会った少女(学校で先生をしていた?)の話は、印象的でした。
たまたま、捕らえられて来たときを目撃し、そのすぐ後で「チェはきのう戦闘で死んだ」というニュ-スを聞く。
不思議に思い、収容場所の学校に行くと、兵士が「ゲバラを見に来たのか?」と中に入って良いと許可する。
そのときのゲバラとの会話。会ったときの印象。
それは、伝えられていた極悪人というイメ-ジと、あまりにもかけ離れたものであったと。
優しいまなざし、礼儀正しい言葉遣い。

その後、銃声を聞き、再び学校に行き、みたゲバラの姿。

その写真があったのにはビックリでした!
見たものが述べた感想どおり「まだ生きているみたい」。
目を開けているから。
どうやっても、その目は閉じなかったとか。本当かな?でも写真を見れば一目瞭然。不思議。


遺体はまた驚くことに、一般公開されたそう。
その写真もちゃんと載っていて、再びビックリ!

どんな奴?と国民は、からかい半分で見に来た人々もその姿を見て絶句したそう。


一人の革命家の話ですが、やり遂げようとしていたことは、スゴイ!
ゲリラ=極悪 のイメ-ジを持っていたわたしですが、その真意を考えたら、周りに流されてよしとしているいい加減な政治家とは、雲泥の差。

でも、ゲバラみたいな人を夫や父親に持った家族はキツイかな?

娘さんは2008年に来日したそうです。
その娘さん(ゲバラが亡くなったときは7歳)の父親の話も胸が熱くなりました。
ゲバラが家族に送った手紙にも人柄が滲んでいました。

その一文「・・・・世界のどこかで誰かが不正な目にあっている時、痛みを感じることができるようになりなさい。これが革命家において、最も美しい資質です。・・・・・・・・」


今春公開された映画がDVD化されたら、見なくちゃ!

★★★★


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