発行年月:2016年9月
耕(たがや)せば、人生は開ける!
……って本当ですか? 仕事も彼氏も家も失い、農業に目覚めたアラサー女子。 おんな一人、自給自足のハッピーライフは手に入るのか? すべての迷える女性に贈る、リアル・サバイバル小説! 大丈夫、まだ、笑える――新しい自分に出会うRe:スタート! 「結婚を考えている彼女ができたから、部屋(ここ)から出て行ってくれ」派遣ギリに遭(あ)った日、32歳の水沢久美子(みずさわくみこ)は同棲相手から突然別れを切り出された。5年前、プロポーズを断ったのは自分だったのに。仕事と彼氏と家を失った久美子は、偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付(くぎづ)けになった。自力で耕(たがや)した畑から採(と)れた作物で生きる同世代の輝く笑顔。 ――農業(これ)だ! さっそく田舎(いなか)に引っ越し農業大学校に入学、野菜作りのノウハウを習得した久美子は、希望に満ちた農村ライフが待っていると信じていたのだが……。 (祥伝社HPより) 32歳の主人公・水沢久美子。 同棲して6年の恋人にまさかの別れを切り出され、結婚相手まで いるという。 しかも、仕事も失ってのどん底に。 でも、強いぞ! ここから農業をやるときめて県立の農業大学校で学んで本気で農業を始める。 しかし、農地を借りるところで躓く。 なかなか、他所者に貸すって難しいんだなぁ~。 それでも救世主は現れる! 先輩の実家で経営するアパートに住まわせて貰い、先輩の母親 アヤノさんが色々、助けてくれる。 それから農業のアドバイスは、農地を探していて知りあった 富士江さん。 アヤノさんと富士江さんが同級生という偶然。 2人の関係もなんだか最初は心配したけれど、久美子にとっては 2人とも大事な恩人。 途中の婚活はドタバタしたけれど、そのおかげで人脈も広がって・・・この先の暮らしは充実したものになっていきそう。 必死で頑張っていれば、認めてくれる人も現れるんだな~。 ★★★ |
発行年月:2018年9月
泣いて笑って、誰だって人生の主人公。
賭け将棋で暮らす、破天荒で非常識な父ちゃんと姉ちゃん。
ご立派な母ちゃんの元に残された、まったく普通の僕。
おかしな家族の四十年の歩みが愛(いと)おしい、感動の家族小説!
「僕は……普通の高校生をしているよ」
「普通の高校生か」父ちゃんは面白そうな表情を浮かべる。
「そりゃあいいなぁ。普通の高校生かぁ。憧(あこが)れちゃうなぁ」
僕が小学六年生の春、両親が離婚した。家を出たギャンブル好きの父ちゃんは、将棋の天才の姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。
父ちゃんが「ご立派」と呼ぶ母ちゃんの元に残された「普通」の僕は、非常識で破天荒で、将棋以外何もできないくせに、楽しそうに生きる二人を軽蔑(けいべつ)しながらも、どこか羨(うらや)ましい──
読む人の心を激しくゆさぶる、おかしな家族の四十年。
(祥伝社HPより)
変な家族だな~。
父親が働かずにギャンブル好きという典型的なダメ夫。
看護師の母親はしっかり者らしいけど、そもそもなんでこんな男と
結婚したのか???
ま、人柄は悪くなさそうだけどね~
そんな家族の40年間の物語。
家族の長男・守は、父親と姉が暮らす場所に時々、訪ねていく。
2人の暮らしぶりを見守るかんじ。
父親は最後までダメダメ。
でもなぜか、憎めない。
姉のりか子は、将棋が子どもの頃から強かったけれどプロにまではなれず
妊娠して、相手の男と結婚したまでは良かったけど、長続きせず・・・
生まれた子ども・純の将来がちょっと心配だな~。
最後は、ちょっと、しんみり。
なんだか温かい。
だけどやっぱり、純のその後がきになる・・・・。
表題から、主人公の長男・守が将棋で活躍するのかと思ったけど
家族の中の金が守ということかな?
★★★
発行年月:2018年2月
「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」
自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。
代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。
医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという――。
簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。
(講談社HPより)
5つの章から成る、短編連作。
早死にする家系の土岐一族。
職業は皆、医師。
最初の章は、37歳で亡くなる土岐祐介の話。
親友の手島が生前、祐介から聞かされていた言葉を思い出す。
その後の章では、土岐家の人々の話。
祐介の父・冬司は、49歳で胃がんで亡くなる。
祐介の祖父。伊織は52歳で登山中に滑落死。
祐介の曽祖父・騏一郎は55歳で肝硬変で亡くなる。
祐介の大叔父(祖父の弟)・長門は50歳入浴中に脳梗塞で溺死。
長門の息子・覚馬は52歳で肺がんで亡くなる。
そんな中、唯一長生きしたのは、祐介の兄・信介。
91歳で施設にいるということで、最終章で88歳になった手島が会いに行く。
その場面が、なんだか衝撃的。
時は2068年の設定。
癌はもはや怖くない病気。手術しなくても薬で治るようになっている。
80歳で亡くなるのは早死と言われる時代。
信介は114歳で同じ施設内にいる母親より先には逝けないと言う。
その姿は、なんだか狂気じみていて
長生きは幸せなことなのか??と疑問が沸く。
著者が問題提起のように書いた<希望の御旗>は、考えさせられた。
治療方法には色々あるけれど、何が何でも延命は、やめて欲しい。
こうなったら、もう自然のままにしてほしいとか、ちゃんと自分の最期を
子ども達に伝えておかなきゃ。
土岐冬司の最期は、なんだか皮肉。
自分が信じていた治療を体験して、間違っていたかもしれないと気づくとは・・・・。
医師の著者が書く物語は面白い!
次回作も期待します!
★★★★★
発行年月:2018年4月
小国ナスミ、享年43。
息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は、湖に落ちた雫の波紋のように、
家族や友人、知人へと広がっていく――。
命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語!
(河出書房新社HPより)
ドラマ『富士ファミリー』を見たので、ナスミ=小泉今日子のイメージで
読んだ。
ちなみに他のドラマでの配役は
長女、鷹子=薬師丸ひろこ
三女、月見=ミムラ
笑子ばあちゃん=片桐はいり
なすみの夫・日出男の再婚相手・愛子も登場。
愛子にもちゃんと、なすみは影響を与えて逝ったんだな~。
その子ども光が小説の最後には40歳か~
43歳で亡くなった、ナスミはその年のまま、皆の記憶に鮮明に残っている。
なんだか羨ましい。
こんな風にいつまでも自分の言ったこととか、やったことを思い出して
貰える生き方したいな~と思った。
素敵な物語!
ドラマもまた続編、やってくれないかなぁ~。
★★★★★
発行年月:2017年9月
明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。
(講談社HPより)
宮澤賢治、知らない人はいないと思う人物だけど、その父親目線とは
面白い!
生まれた時から、病で亡くなるまで、本当に息子のことを愛おしく思っていたことが
伝ってきた。
家は、結構、裕福だったんですね~。
勝手に貧乏な農家の息子というイメージでしたが・・・・^^;
賢治は長男で、下に妹2人と末っ子は弟。
すぐ下の妹・トシとの関係が一番、濃厚だったかな?
同じように、文才があって、共通するものが多かった兄と妹。
でも、妹が先に結核で亡くなり、賢治もその後、同じ病でこの世を去る。
父親の政次郎にしたら、可愛い子どもを二人も亡くし辛かっただろうな。
勝手に抱いていた宮澤賢治のイメージと違っていたのは、幼いころは
結構、やんちゃだったこと。
大人になっても親のスネを結構、かじっていたこと。
家が裕福で、父親の政次郎に甘えていた部分も多かったんでしょう。
そんな長男の賢治を父親はいつも心配しながら支え続けた。
賢治が童話を書くことに専念するのは、生涯の結構、終盤だったんだな。
存命のうちに、もっと高い評価が受けられたら良かったのに・・・。
読みやすい文章で、面白かった!
もっと他の書も読みたい!
★★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;