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読んだ本の感想あれこれ。
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f57cfb29.jpg発行年月:2010年8月


「俺はみにくいアヒルの大人」。
十七年間、場末のマジックバーから抜け出せない三十五歳の晴夫。
腐りきった自分に飽き飽きしていたある日、
テレビ番組のオーディションに挑む。
新たなる傑作!

                       (幻冬舎HPより)



最初は、冴えないマジシャンとして働き家賃4万8000円の安アパ-トで独身生活を送る35歳の晴夫の様子が暗いなぁ~。
この話はどう展開していくんだろう?と思って読んでいました。

このままじゃダメだと一念発起して、テレビのオ-ディションを受ける春夫。
おっ、ここから運気が開けるのか?と予測したけど・・・違った^^;

父子家庭で育ち、父親がイヤで家出して、17年会ってなかった父親が亡くなったという知らせ。
そして・・・ある事が起きる!
正に晴天の霹靂!!

ここからは、ちょっとSFの世界のようでした。
何処かで見たり聞いたり読んだりした話なんですが、設定やら会話や言葉使いが面白く、
結構面白く読んじゃいました。

最後は、ちょっと感動したし・・・
なかなか良いお話でした(^^)

★★★
 
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598c1c9c.jpg発行年月:2010年3月


人形のために作ったミニチュアの家にやってきたのは、
小さな小さなお客様。
“花明かり”と少女たちの交流を描いた感動の物語。


   
                   (ポプラ社HPより)



物語は2部形式。
第一部は、七恵と独楽子 196*年
7歳のとき、母親が亡くなり、父親は再婚した。
新しい母親・冴子ママは、優しいけれど、七恵とはどこか合わない。

そして七恵は母方の祖父母の家で暮らすことになる。
祖父母の家には不思議なものがいろいろある事を発見する。
祖父が発見したという“花明かり覚え書き”

そして、七恵が亡くなった母と作ったミニチュアの家具を集めた引き出しの中の家に、
小さい女の子が訪ねてくるようになる。
小さい女の子は独楽子。
二人は仲良くなり、ある約束をするのだけど・・・・何故か二人が会うことはなくなってしまう。


なぜ?の謎を残したまま、物語は
第二部 薫と桜子 200*年 へと移る。

薫は第一章の七恵の姪に当たる。
そして、薫もある日、かわいい物が沢山入っている引き出しを見つけ、小さい人・桜子と知り合う。

そして、薫が見つけた七恵から独楽子に宛てた手紙により、第一章の謎も解け、
七恵のその後も明かされる。


これは児童書なのかな?
とても読みやすかった。
この夏、見た「床下のアリエッティ」を思い浮かべるようなお話でしたが、こちらの話も良かった。
文中にも、メアリ-・ノ-トン著の「床下の小人たち」が出てきたりするので、著者もこの話は知っていて、その日本版を書いたのかも。

冒頭に出てくる七恵が作った小さな家具たちの説明とそこにある挿絵の可愛らしさに釘付けになりました!
女子なら、みんな好きなものでしょう!
特にシャンパンのコルク栓をカバ-してる金具で作った椅子が素敵!!
今度、作ってみようかな?


楽しいけど、ちょっとその背後には切ないものもあって、でも最後は嬉しい出来事があって・・・
感動の物語でした!

小学生中学年くらいなら読めると思う内容で、大人も楽しめるお薦めの本です!



★★★★★
55ea668a.jpg発行年月:2010年3月


正義のために、良心を捨てた女。海堂史上最強の魔女、ふたたび降臨!

桜宮市に暮らす平凡な主婦、山咲みどりのもとをある日一人娘で産婦人科医の曾根崎理恵がおとずれる。子宮を失った理恵のため、代理母として子どもを産んでほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは実の孫――この子はいったい、誰の子なの? 医学と母性の葛藤をせつなく激しく描く最先端医療小説!

                                            (新潮社HPより)


読みながら。。。。この女医さん、前に出てきたよなぁ~と思い、あれこれ調べたら「ジ-ン・ワルツ」で登場の曾根崎理恵だったんですね!
夫・伸一郎はゲ-ム理論の世界トップクラスの研究者として認められている人物。

理恵は子宮を摘出したため妊娠が出来ないからだになってしまう。
そこで実の母・みどりに代理母を依頼し、伸一郎もみどりにお願いの手紙を海外から送る。
みどりにとって孫の誕生は楽しみであり、理恵の子宮で妊娠が無理なら自分がその役目を勤めるのは当然と引き受ける。

この辺までは、まあ、それぞれの思いも理解出来た。

しかし・・・・段々「え?」という話になっていく。

自身が産婦人科医で体外受精のエキスパ-トだから、そういう事も思いつくのか?
ちょっと一般の人の常識では計り知れない考え方かも。

母親に受精卵を着床させる作業では、理恵の思惑が絡み、常識では考えられない事がされる。
医師の立場を利用しているようで不快感を覚えました。
キライだな。この女医さん。

結局、3個の受精卵がみどりの子宮に入りうち2個が着床し、双子が生まれるのだが、その子どもを巡ってのあれこれもなんだか、不可解。

その双子の名前が薫としのぶ。
あっ!「医学のたまご」で登場の中学生の曽根崎薫くんなんだ!これ!

じゃあ、もう一人のしのぶちゃんはどうなったんだろ?

どこかで登場してたかな?


物語はスラスラ読めて、なかなか面白いけど、理恵と伸一郎、みどりの考え方には、共感出来ず
なんだか読後感はよくなかったな。

でも代理母の日本の現状を知れたのは良かった。
今は、まだ法律で代理母で生まれた子どもは、実際に産んだ者が母親ということだそうで、それがどんな問題に発展し得るか?を小説で示したということかな?

産んだ者が母親・・・・う~ん。違和感あるね、やっぱり。
今後、何らかの法の改定があるのかな?


★★★
 
35572984.jpg発行年月:2010年3月


母の昔の愛、私の現在の愛を描く恋愛小説
インテリアデザインの会社に勤める華。
密かな恋の相手は社長の能見だった。
妻の病気が二人の関係を少しずつ変える。
会うことのむずかしさが苦しみをもたらし、それぞれの想いがすれ違う……。

                   
(集英社HPより)


栗田さんの単行本は『蟋蟀』に次いで2冊目の記憶。
短編のアンソロジ-では2~3読んでいて、この人の文章いいなぁ~と思ってました。
ちょっと不思議な雰囲気がなんとも好き。

でも、今回のは不倫話で現実的な話でした。

不倫する時点で出てくる人物たちは非常識だよね~という考え方が、当てはまらないような不思議なかんじで、いつも不倫話は他人事なんだけど、ここに出てくる主人公・華の相手を思う気持ちや彼の奥さんの事を気にして、ひどく悩む様子を読みながら、真剣に同調してしまった。

奥さんのいる人をこんな風に好きになったら、苦しいだろうな・・・・とリアルに感じてしまった。


最後はどうなるんだろ?と気になったけど、
そうか、やはりこういう終わり方だよね?と妙に納得してしまう終わり方。
すっきりしたものではないけど、その方がリアリティがあると思う。
不倫って、こういうかんじなんだろうな。

出てくる人たちが、それぞれ普通の常識を持って行動する大人なので、誰も傷つかずの終わり方に自分もホッとしたところがあった。


華の母親の昔の恋の話も良かった。
お母さんが唯一、不思議な人だったけど、嫌いじゃないな。

そして、この表題も最後まで読むと、実に深い。
表紙絵も好みでした!

★★★★
f9c5e4e3.jpg発行年月:2009年12月


生き方を変えたと、友が笑う。幾星霜を責めるでもなく、悔いるでもなく――。

騒擾の青年期を過ごした先にあったのは、もはや誇るべき死に場所などない新たな時代。首都建設の槌音が響く江戸の町で、武士を捨てることを選んだ男たちの慎ましくも熱い矜持を描く。人生も時代も、この手で拓いた――生きることの華やぎと寂しさを端正に描き、遅咲きの本格派と注目されつつ惜しくも世を去った著者の最高傑作。

                                            (新潮社HPより)

著者の作品で時代物の小説の面白さに目覚めたと言っても過言ではありません。
けれど・・・惜しくも2009年8月に胃がんの為亡くなられたのですね・・・とても残念です。

これは、多分、病気療養中に執筆されていた作品。
短編が5つ。
ホントは7つで発行予定だったとか。

物語は、江戸時代。
徳川幕府が開かれ、戦をしていた元武士が違う生き方を余儀なくされた時代。

大河ドラマや歴史の教科書でも著名な戦国武将の生き方は、ある程度知らされていますが、この物語では戦国の時代後の日本の変化をみせてくれました。

元武士の視点からだったり、商人や子どもの視点から。

当たり前のことだけど、こういう時代の変化があっての現在なのだなぁ~と読みながら納得。

今まで知らされなかった歴史を知ったようなかんじがしました。


やはり、この著者の話は面白い!
新しい本が読めないのは、とても残念ですが、過去の作品でまだ読んでない物を順番に読んでいこうと思います。


★★★★

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