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読んだ本の感想あれこれ。
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41btmMfVUrL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月


マンションの一室で孤独死を遂げた老人。
遺品整理の最中、8ミリフィルムが見つかる。
そこには温かく微笑む中年女性の姿が映っていた……。
「無縁社会」と呼ばれるいま伝えたい絆と想いの物語。


                                                        (早川書房HPより)



  物語は、アパ-トの管理業務を請け負う会社のアルバイト社員である青年・門川が担当のアパ-トで一人部屋で亡くなっていた老人を見つけることから始まる。
ニュ-スで時々、報道される孤独死だと思われたが、後日、会社の命令で遺品整理に訪れ、そこで見つけたノ-トや大量の映画雑誌、そして8ミリフィルムが気になる。
門川自身も映画が好きで映画監督になりたいという夢を持っていたから。 


8ミリフィルムを映し出してみると、ある女性が写っていた。
それから、その老人の生前のことを調べる。

彼が関わってきた人々から聞く話。
特攻隊兵の生き残りでありこと。
戦地に行く前に慌てて祝言をあげたこと。
その妻とは、戦後半年で別れていたこと。

調べていくと、どんどん亡くなった老人のことを知る人にたどり着き、生前の様子がわかってくる。

戦友の人たちが語る訓練中に亡くなった友の話は切なかった(/_;)

最初は気の毒な孤独死の老人と思ったけれど、孤独な人生を歩んだわけではなかったんだと信じたい。
たまたま亡くなったときに一人で居ただけ。
孤独死と呼んで憐れんでしまうのは、何か上から目線でその人のことを勝手に決め付けてしまうことかもしれないと、ふと気づいた。


地味な話だけど、なんだかジ~ンとするものがあった。


関係ないけど・・・↑だけなぜかいつもと違う色の文字。
なんでだか、わからない^^;



 
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513lWNPk0pL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月


14歳の冬、父親を殺された――。親友が、大事なものを、すべて奪っていく。
一気読み必至。乱歩賞作家が射止めた、会心の感動ミステリー!

「父さんが殺された。親友の父親に」
刑事による警官殺し。憎悪と絶望を胸に、親友だった二人の人生は激変する。仇討ちを誓った少年は刑事に。世間を敵にまわした少年は裏側の世
界に。その間で揺れ動く女心ふたつ。二人の人生は二度と交差しないはずだった。さらなる事件が起きるまでは――。

                                    (講談社HPより)


仲良しだったふたり、三条隆史と向田伸人。
共に警察官の父を持ち、いつかは自分達も・・・と夢見ていた。
でも14歳のある日、そんな友情をぶち壊す事件が起きてしまう。

伸人の父が隆史の父を射殺したという。

なんて衝撃的な・・・・!!

でもこれは、きっと間違いで、きっと物語が進むうちに真相が明らかにされるに違いない!と思いながら読み続けた。

隆史と伸人のそれぞれのその後を描きながら、事件の真相を追う。

苦しみ悩むふたりだけどそれぞれの身近にいる人たちが支えになる。

そして、事件の真相が明かされたときには、ホッとした。
ふたりの友情が再び戻る。

読み終えて、再び最初のプロロ-グを読むと泣ける。

最初から最後まで一気読みでした!



★★★★


 
 
41aJGbw6yZL__SS400_.jpg発行年月:2011年8月


悪夢の事故が町を呑み込み、その直後、春子は生まれた。私は人の面を身につけながら、私と妻と娘、3人の家を守る。そう決めたのだ……
震災後の世界に贈る、破壊と再生の物語。



                      (河出書房新社HPより)




主人が図書館から借りて来ていたので、読んでみた。
表紙のかわいらしいかんじとは、全く違う内容で、ビックリ!

そうか~これは3・11のことを思って書いた物語だったのかぁ~と後で納得。

最初は、ほのぼのとした父と娘の描写。
母親はどうしたんだろ?と思っていたら・・・
え?天井と同化してる!?

そして、オバケの存在が普通にあって・・・見た目は人だけど、違う者の存在があり・・・・
SFのような、ホラ-のような・・・
幻想的な部分もあったりで、とても変わった世界がありました。

まさに想定外の物語。

物語のなかで、そんな世界が出来たのは、巨人化したものが起こした事故が原因とされている。
それは原発と置き換えられる。

そんな不思議な恐ろしい現実のなかにあっても春子の無邪気な可愛らしさがまぶしい。
子どもって、やっぱり希望なんだなぁ~なんてしみじみ感じた。


★★★★
 
 
d5e11ecc.jpg   発行年月:2010年7月

予備校生、高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害された。出入りを目撃された中年男性が捜査線上に浮かぶ。心の動きに捜査の主眼を置く下谷署の目黒は、小夜を知るにつれ、援助交際の線から離れて事件に迫った。小夜が歌に詠んだ故郷、京都府の山村で掴んだ事実とは。哀しい真相が隠された、乱歩賞作家の真骨頂!

    
                                        (双葉社HPより)



殺人事件の被害者・高村小夜。
犯人を追ううちに小夜の生い立ちがわかっていき、犯人も判ってくる。

そこには、何とも哀しい事実。


小夜は殺されたのは、いろいろなことが誤解されたことにもある。
また誤解されるような行動、言動をしてるし・・・^^;


けれど犯人の気持ちは、ちょっと理解し難いなぁ~。
そういう精神的な病なんだろうか??
怖い人だ。

事件の真相には切なく哀しく、暗いものがあるけど、それを追う刑事・目黒とその部下・山名のやりとりは明るく結構、笑わせてくれて、重苦しいかんじが中和されていた。


この表紙の絵は幻想的で、物語を読むと、この絵の意味がわかる。



 
★★★

 


   
315D7MD914L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年1月


はたちになる直前、ハムスターとマンションを相続した、まちる。実家を出て、一人暮らしを始めるが…。奇妙な設定を静かなユーモアで包んだ、注目作家のデビュー作ほか『豆姉妹』収録。
第26回すばる文学賞受賞作



                      (集英社HPより)

栗田さんの変な話が好きです・・・・笑

デビュ-作をまだ読んでなかったので、読んでみました。
やはり変な話で期待通り^^;

表題作と「豆姉妹」の二編。

どちらも良かった!(変なんだけどね)

「ハミザベス」って何!?と思ったら、ハムスタ-の名前でした。
1歳のとき、別れた父親が亡くなったと知らせれ、その遺産相続手続きを執行する女性・あかつきからの手紙で父親の遺志であるマンションを主人公のまちるが相続する事になる。
マンションの33階の部屋で一人暮らしを始めるのだけど・・・あかつきからいままで飼っていたハムスタ-の世話が出来なくなった状況なので代わりに育てて欲しいと言われ、その名前を「ハミザベス」とする。
まちるとあかつきの会話も可笑しい。
でもなんだかホッとするのは何でだろ?

そして、まちるの生い立ちには隠された真実があって。。。。。
なかなか波乱万丈の様子だけど、まちるの何事も平然と受け止めている姿が良かった。


「豆姉妹」は、7歳違いの姉妹、永子と末美のお話。
両親は離婚。
姉妹は母親と暮らしていたが、永子15歳、末美7歳のときに母親が再婚。
やがて永子と末美は二人で家を出て、永子が末美を養う生活が始まり、現在末美は16歳。
永子は看護師だったけど・・・・・SMクラブに職を変える。
この動機が、笑える。
なるほどね~なんて思ってしまった(笑)

永子の性格も面白いけど、末美もとんでもない行動に出て、なんと長い髪の毛をアフロにしちゃう。
学校で問題になるでしょ!?と思いきや・・・OKになっちゃう。
良い学校だなぁ~。
担任の先生も教師っぽくないけど、なんだか憎めないかんじ。


これがデビュ-作なんだ~!
いや、素晴らしい!!


変な小説だなぁ~と思うけど、やはりこの作家さん面白い!!


 

★★★★★


 
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