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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年11月


中小企業診断士・北川が悩める経営者を導く! ”会社の終活”エンタメ小説
自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしい――経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。
二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。
社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。
社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。
会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。
『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!


                  (角川書店HPより)


面白かった。
後継者を誰にしよう?誰になる?という問題に直面した3つの会社のお話で
それらに関わるのが中小企業診断士の北川徹(56歳)。


第一章はケーキの製造と販売を行っている会社「ルージュ」。
65歳の現社長が次は2人の息子のどちらに経営を任せるかを悩んでいた。

長男は真面目だけど、商売センスに欠ける
次男はサーフィン好きで社交的だけど、店のことにそれほど興味が
あるとは思えない

北川は開店準備金を渡して期限をつけて二人に別々の店舗で商売を
させてみたらどうか?と提案。


第二は女性向けのブランドバッグを販売している会社「アスリ」の62歳の
女性社長。夫は他界していて子どもはいない。
会社の経営を助けてくれている部下の誰かから後継者を選ぶべき?と悩む
そのうちコロナ禍で店は休業せざるを得なくなる。
このままでは店そのものの存続が・・・・。

北川は、コロナ禍だからこそのものをつくるのは?
ほかにもいろいろ、アイデアを出してくれる


第三章は包丁を製造している「斉藤工業」。
社長が急に亡くなり、社員は動揺。
取締役の社長の妻・朝子は、元看護士で経営には全く関わってこなかった。

英語ができるからと中途採用され輸出業務を担当していた伊藤浩紀(45歳)は
知り合いで定期的な飲み友達でもある北川に、愚痴をいう。
北川は「伊藤くんなら大丈夫だよ」というが・・・
家庭内でも問題が起きる。妻が仮想通貨取引で失敗し、二人の貯金をゼロに
してしまったという。
謝って、離婚はしたくないと言うが・・・・



北川のアドバイスは適格で、それぞれの会社が良い方向にむかい
読んでいて楽しかった。
第三章の伊藤も、大きな決断をしたけれど、それで正解!と思った。



知らなかったけれど中小企業診断士って、凄いな。



                       ★★★★


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発行年月:2023年8月


2023年、必読の家族小説
「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
新聞連載時から大反響! 感動という言葉では足りない、2023年を代表する傑作の誕生


                    (KADOKAWA HPより)




550頁越えの長編でしたが、頁を捲る手が止まらない。

家事とか、やらなくていいなら、ずっと読んでいられる(笑)


主人公の悌子がすごくいい。
人として、素晴らしい!尊敬する。

教師としても母親としても最高。

結婚したときは、流れでなんとなくという感じだったけれど、夫になった権蔵も
素敵な人だった!
悌子と二人が揃ったら怖い物なしのかんじで色んなことを乗り越えていく姿は
清々しい。


戦争前~戦後の時代の話なので、辛いことも多いんだけど、そのあとに
必ず希望があって救われる。

悌子の幼馴染・神代清一とは、戦争で二度と会えなくなったけれど
その息子・清太との関係は素敵。
血の繋がりがなくても、こんな風に家族になれるんだな~。

運動が苦手の権蔵が清太とキャッチボールをするラストは泣ける(/_;)

本当に素敵な物語だった!!




                        ★★★★★



発行年月:2023年1月


第21回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作
 
「認知症の老人」が「名探偵」たりうるのか? 孫娘の持ち込む様々な「謎」に挑む老人。日々の出来事の果てにある真相とは――? 認知症の祖父が安楽椅子探偵となり、不可能犯罪に対する名推理を披露する連作ミステリー!
 
<最終選考委員選評>
●レビー小体型認知症を患う老人が安楽椅子探偵をつとめる“日常の謎”系の本格ミステリー連作で、ラストがきれいに決まっている。(大森望/翻訳家・書評家)
 
●マニア心をそそられる趣向が凝らされており、古典作品へのオマージュも好印象。ディーヴァーのリンカーン・ライムのヴァリエーションのようだ。(香山二三郎/コラムニスト)
 
●キャラクターが非常に魅力的。彼らの会話がとっても楽しい! 全体を通しての空気感、安定感が秀逸でした。魅力的な物語を書き続けていける方だと確信しました。(瀧井朝世/ライター)
 
<あらすじ>
かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は、71歳となった現在、幻視や記憶障害といった症状の現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。
しかし、小学校教師である孫娘の楓が、身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻すのだった!
そんななか、やがて楓の人生に関わる重大な事件が……。

                     (宝島社HPより)



レビー小体型認知症の71歳、元校長先生という設定が面白い!
疾患特有の幻視をうまく物語に活かしていたのは、良いアイデアと思った。


短篇ミステリーの形で、孫娘の楓(小学校の教師)が持ち込む謎を
認知症の祖父が解いていく。
謎解きの部分は楽しかった。
軽いものもあったけれど、殺人も起きたり、楓自身に起きるストーカー問題は
物語の終盤で盛り上がった。


ミステリーより興味深っかったのは、楓とその同僚教師・岩田。
岩田が高校時代、野球部でバッテリーを組んでいた後輩・四季。
四季は劇団に所属していて、とても風変り。
それでもこの3人の関係がいい。
男性はそれぞれ楓に好意を抱いていて、その想いも楓は知っている。
どちらかを恋人に選ぶのか?
たとえ、どちらかと恋人になっても3人の関係は持続していきそう。

ミステリー抜きでも面白そうだけどな。
続編があれば、読んでみたい。


                       ★★★


発行年月:2022年4月


◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎
東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

                (講談社HPより)



酔っ払って酒屋前の自販機を蹴飛ばし、その酒屋の店主を殴って捕まり
野上署で取り調べを受けるスズキタゴサク。
その最中、東京都内での爆発の予感がすると話し、実際に秋葉原で爆発。
その後もスズキは取り調べの警察官相手に、次の爆破予想など告げていく。
まだまだこれは続くと。


スズキと警察官の取調室でのやり取りは、正直、長いなぁ~と思った。
東京の土地勘がないので余計に・・・(^^ゞ

最初の爆破では軽傷者3名だったが、その後、東京ドーム付近の爆破では
ウォーキング中の夫婦が巻き込まれ妻が死亡。

代々木公園での爆破では、炊き出し中の時間帯で60名以上が巻き込まれ
死者11名。


取り調べをしながら、警察は、爆弾の捜査に奔走。

それに絡んでくる一人の警察官の不祥事のちの自殺。
その不祥事というのが、ちょっと理解し難いことだけど、本人もかなり
悩んでいたというから少し気の毒。
それでも電車に飛び込み自殺という方法が、家族を更に苦しめることになる。
そのくらい考えて欲しかった、
自殺の方法が違えば、もしかしたら、残された家族は金銭面ではここまで
苦しまず、爆破事件にも発展しなかったかもと思えてしまう。


スズキタゴサクは、爆破事件にどうかかわっていたのかは、終盤わかってくる。


う~ん。
事件の背景にあるものがダーク過ぎて、真相がわかっても全くスッキリしない。
爆弾ももしかしたら、まだ残されたまま?

モヤモヤするぅ~!



まあ、面白くなくはないけど、好みじゃないな。
話題になったから、読めた作品。



                      ★★★



発行年月:2022年9月


さっ、行こう、ひとりで。 そして、力いっぱい世界を抱きしめよう!
1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。87歳、角野栄子は今も現在進行形だ!

                     (角川書店HPより)


角野さんの自伝的小説。
中学2年から大学を卒業し、社会人になるまでの話。

幼い時から「ここではない世界に行ってみたい」と思っていて
その通り、いつも未知の世界に自分から飛び込んでいくイコ。
逞しいなぁ~。

お父さんのセイゾウさんも理解ある方。
学校で知り合った友達とは、ずっといい関係。
困ると必ず、導いてくれる人が現れたりするのは、イコが素敵な人だから
でしょうね。

早稲田大学を卒業して紀伊国屋書店の編集部に就職。
その後、ブラジルへ。

ブラジルでの生活も気になる。
そのことは、また続きで書いてくれるのかな?
期待して待とう。


現在87歳ということだけど、NHKの番組での日々の様子を見る限りまだまだ
活躍できそうなかんじで、とても素敵。
また元気な姿も見られるといいな~。



                   ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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